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不妊治療のタイミング法の成功率は?

目次

「できるだけ自然な形で妊娠したい」と考える夫婦にとって、タイミング法は不妊治療の選択肢の一つです。タイミング法の基本的な考え方から具体的な方法、妊娠成功率までをご紹介します。

タイミング法の概要

タイミング法は、不妊治療の第一歩として選ばれている方法です。女性の排卵日を予測し、その時期に性交渉を持って妊娠の可能性を高めることを目的としています。医師の助言を受けながら超音波検査などを行い、排卵日を特定する方法と、自分たちで基礎体温や排卵検査薬を活用して予測する方法があります。

体への負担が少なく、費用も抑えられるため、自然な妊娠を希望するカップルには取り組みやすい選択肢です。

排卵日との関係

排卵日は妊娠のチャンスを左右する重要なタイミングです。卵子の寿命は排卵後約24時間精子は女性の体内で2〜3日、長い場合は5日ほど生存します。このため、排卵日の2日前から当日に性交渉を持つことが妊娠の可能性を高めるとされています。

排卵日を予測する方法

基礎体温の測定

毎朝、起床後すぐに婦人体温計で体温を測り記録します。排卵後は体温が0.3〜0.5度上昇する傾向があり、排卵時期を把握する目安になります。グラフ化して日々の変化を観察することがポイントです。

排卵検査薬の使用

排卵直前になると分泌が急増する黄体形成ホルモン(LH)を検出することで、排卵日を予測できます。陽性反応が出た場合は、24〜36時間以内に排卵が起こるとされています。

成功率のデータとその根拠

タイミング法の
一般的な成功率

タイミング法による妊娠の成功率は、20代の場合、1周期あたり約20〜30%とされています。これは自然妊娠の可能性として示されており、特に若年層のカップルにおいて期待できる数字です。

年齢別の成功率

  • 20代:約20%〜30%(1周期あたり)
  • 30代前半:約15%〜20%(1周期あたり)
  • 30代後半:約10%〜15%(1周期あたり)
  • 40代:約5%〜10%(1周期あたり)
2025年5月8日調査時点 参照元:足立病院生殖医療センター(https://www.adachi-hospital.com/infertility/timing-method/

また、野村総合研究所が行った調査では、不妊治療法別の妊娠率データは確認できなかったものの、年齢別の妊娠率のデータがまとめられていました。2017年のグラフで最も妊娠率が高かったのは21歳~25歳で、年齢が高くなるほど妊娠率が低下しています。

2021年3月公開 参照元:野村総合研究所(PDF)(https://www.nri.com/content/900032507.pdf

20代の妊娠の確率が高い理由は、排卵の予測が比較的正確であり、卵子の質も良好であると考えられます。タイミング法を試みるカップルの多くが成功しやすい年代です。

30代前半では、妊娠率は若干下がるものの、卵子の質がまだ良好なため、タイミング法の効果は期待できます。

30代後半になると卵子の質が徐々に低下し、排卵予測も難しくなるため妊娠率は下がりますが、適切なタイミングを見つけることで妊娠の可能性は十分にあります。

40代では卵子の質の低下が顕著になり、自然妊娠の確率が大きく減少します。タイミング法だけでの妊娠が難しい場合が多く、他の不妊治療との併用が検討されることが一般的です。

成功率に影響する要因

年齢(男女ともに)

年齢は妊娠の成功率に大きく関わる要因です。女性は加齢とともに卵子の数と質が低下し、35歳を過ぎるとその傾向が顕著になります。一方で男性も年齢が上がると精子の運動率やDNAの損傷リスクが高まり、妊娠率や流産率に影響を与える可能性があります。

2024年5月31日時点 参照元:卵巣研究ジャーナル(https://ovarianresearch.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13048-024-01427-y

排卵の正確な把握

タイミング法は排卵のタイミングを正確に捉えることが前提です。基礎体温、排卵検査薬、おりものの変化、妊活アプリの活用、または医療機関での超音波検査やホルモン検査などを併用し、できるだけ精度の高い排卵予測を行うことが成功率を高める鍵になります。

精子の質や量

妊娠には卵子と精子の両方が健康であることが求められます。精子の数や運動率、形態が正常であるかどうかは重要な要素であり、男性側の検査も妊活には欠かせません。乏精子症や精子無力症などがある場合は、タイミング法だけでは難しいこともあります。

生活習慣(睡眠、ストレス、
喫煙など)

生活習慣も妊娠のしやすさに大きく影響します。十分な睡眠はホルモンバランスを整え、ストレスの軽減にもつながります。喫煙や過度な飲酒は卵子・精子の質に悪影響を及ぼすため、妊活中は控えるのが望ましいでしょう。バランスの取れた食事や適度な運動、体重の維持も重要なポイントです。

他の妊活方法との比較

人工授精・体外受精との比較

  • 人工授精(AIH):1周期あたり約5〜10%の成功率
  • 体外受精(IVF):胚移植1回あたりの成功率は以下の通り
  • 30歳未満:53.4%
  • 30〜34歳:50.2%
  • 35〜39歳:43.3%
  • 40〜42歳:31.6%
  • 43歳以上:19.1%
2025年5月8日時点 参照元:にしたんARTクリニック(https://nishitan-art.jp/cmc/column/05101725-2/

体外受精は年齢によって成功率に差がありますが、タイミング法や人工授精に比べると高い成功率が期待できます。ただし、身体や費用の負担も大きいため、医師とよく相談しながらステップアップを検討しましょう。

タイミング法を何周期まで
試すべきかの目安

タイミング法をどの程度の期間試すべきかは、年齢や不妊の原因、体の状態によって異なりますが、一般的には3〜6周期が目安とされています。この期間内に妊娠に至らない場合は、次の治療ステップへの移行を検討するのが望ましいとされています。

女性の年齢が35歳を超えている場合

女性の年齢が35歳を超えると、卵子の質や数が急激に低下し始めるため、長期間タイミング法だけにこだわらず、早期に人工授精や体外受精などへの切り替えを視野に入れると良いでしょう。

原因不明・健康状態に問題がない場合

明確な不妊原因が見つからないカップルや、健康状態に問題がない場合には、医師のアドバイスを受けながら数周期じっくり取り組む選択も可能です。

タイミング法を続ける期間については、夫婦の考え方やライフプラン、年齢、医師の所見などをふまえて判断することが大切です。定期的に状況を見直しながら、柔軟に対応していきましょう。

タイミング法の
メリット・デメリット

メリット

タイミング法は、自然な妊娠を目指せる点や、身体的・経済的な負担が少ない点が、大きな魅力です。特に不妊治療を始めることに不安を感じている夫婦にとって、取り入れやすい選択肢といえるでしょう。

デメリット

タイミング法にはいくつかの注意点もあります。排卵日の特定が難しいケースや、精神的なプレッシャーが生じやすいこと、年齢や原因によっては成果が出にくいことなどが挙げられます。長期間効果が見られない場合は、早めに次の治療ステップを検討することをおすすめします。

成功させるためのコツ・ポイント

タイミング法で妊娠の可能性を高めるためには、排卵日の予測方法や医師のサポート、性交渉のタイミングを工夫することが大切です。

まず、排卵日の予測には基礎体温の記録や排卵検査薬、妊活アプリなどを組み合わせて活用すると精度が高まります。毎朝の体温測定に加え、アプリでの周期管理やホルモン反応のチェックを行うことで、排卵のタイミングをより正確に把握できます。

また、産婦人科での卵胞チェックやホルモン検査を受けると、自己判断よりも信頼性の高い予測が可能です。

性交渉の頻度については、排卵期の前後に1〜2日おきが一般的です。ただし、プレッシャーになりすぎないよう、お互いの体調や気持ちを大切にし、無理のないペースで取り組むようにしましょう。

まとめ

タイミング法は、不妊治療の中でも取り組みやすく、自然な妊娠を目指せる方法です。成功率には年齢や体調、生活習慣などが影響しますが、正確な知識と適切なサポートを受けながら実践することで、妊娠の可能性を高めることが期待できます。

「いつ始めたらいいか」「何を基準に判断すればいいか」に迷う場合は、まずは医師に相談して、ご自身に合ったステップを把握しましょう。

京都にある不妊治療の
クリニック・病院
おすすめ3選

不妊治療や生殖補助医療に関する高度な専門知識と技術を持つ「日本生殖医学会認定生殖医療専門医」が常勤で在籍しているクリニック・病院の中から、治療の目的別に優れた病院・クリニック3院をご紹介します(2025年3月調査時点)。

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足立病院 生殖医療センター
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引用元:足立病院 生殖医療センター公式HP
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引用元:田村秀子婦人科医院公式HP
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いちおか泌尿器科クリニック
いちおか泌尿器科クリニック
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※1参照元:足立病院「数字でわかる足立病院」https://www.adachi-hospital.com/numbers/
※2参照元:足立病院「体外受精(凍結融解胚移植)による35歳未満の妊娠率(2024年度実績)」https://www.adachi-hospital.com/infertility/achievements/
※3参照元:日本産婦人科学会「ART臨床実施成績データ2022(PDF)」https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf