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不妊治療を始める方にとって、仕事との両立は大きな課題です。特に体外受精(IVF)は、治療スケジュールが複雑で通院回数も多く、休暇が必要になることもあります。
体外受精と仕事の両立について、公的データや実情をまじえながらご紹介します。治療と仕事を無理なく両立させるためのヒントを見つけてみましょう。
厚生労働省が発表した「令和5年度 不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査」によると、55.3%の方が不妊治療と仕事を両立している、または両立していたことが分かります。一方で、10.9%が退職7.4%が雇用形態を変更したという結果も報告されており、約5名に1名はキャリアに影響を受けている現状が明らかになりました。
この数字からは、不妊治療が一人ひとりのライフスタイルやキャリアの選び方に、少なからず影響を与えていることがうかがえます。治療と仕事のスケジュールが重なるために、やむを得ず仕事を辞めたり、パートタイム勤務に変更したりするのが、その例です。
また、治療と両立している方の中でも、88%の方が「難しい」と感じているというデータも。これは、不妊治療のスケジュールが変動的なことや精神的・肉体的な負担が大きいことが関係しています。治療を続けながら働くためには、柔軟な勤務体系や職場の理解が重要なカギを握っています。
体外受精は、高度な医療技術を用いる治療法です。そのため、来院頻度が高くなることに加え、1回あたりの診療時間も長くなる傾向があります。
たとえば、卵巣刺激中には、ホルモン採血結果の確認と超音波検査が頻繁に行われ、長時間の診察が必要になることが珍しくありません。
これらが心身に負担となり、結果として仕事のパフォーマンスに影響を及ぼすこともあります。
体外受精では、排卵のタイミングや卵胞の大きさなどに応じて急遽来院が必要になる場合があります。特に採卵のタイミングは間際にならないと確定しないことが多く、急に仕事を休まないといけなくなる場合も。
これに備えるには、あらかじめ仕事を調整しやすい環境を整えることが重要です。突発的な通院が必要になる理由を職場に理解しておいてもらうことで、休みの取り方やスケジューリングに余裕を持たせられるでしょう。
体外受精では、卵巣を刺激して複数の卵子を育てる「卵巣刺激法」を用います。この過程で、下記のような検査が繰り返し行われます。
女性は、1周期あたり5〜10回程度の通院が必要になる場合もあります。1回あたりの診療には1〜3時間かかることもあり、仕事への支障につながっています。
注射により排卵誘発をする際は、病院で注射を打つか自分で打つ「自己注射」をするかを選択できる場合があります。自己注射を選択することで、注射のためだけに通院する必要がなくなるため、通院回数を減らすことが可能になります。
体外受精で自己注射が可能なおすすめの病院を紹介している特集ページもありますので、併せてご確認ください。
不妊治療と仕事の両立が難しいとされる中でも、いろいろな方法を試しながら仕事と治療を続けている方もいます。さまざまな工夫を取り入れることで、仕事と治療の両立は十分に可能です。
自分の働き方に合ったスタイルを見つけて、無理なく継続できる環境をつくっていきましょう。両立のための工夫には、下記のようなものがあります。
クリニックによっては夕方や休日の診療枠を設けているところもあります。こうした診療を活用することで、仕事への影響を抑えられます。
直属の上司や人事担当には、不妊治療の状況を無理のない範囲で伝えておくのがベターです。急な通院や予定変更の際にも協力を得やすくなります。
クリニックと相談して、通院日程を事前に洗い出すことが重要です。特に採卵日や胚移植日付近は、仕事の予定を入れないようにするといった調整が必要になります。
在宅勤務が可能な職場であれば、通院前後に業務を進められます。柔軟な働き方を活用することで、時間を確保しやすくなります。
A:厚生労働省の調査では、55.3%の方が不妊治療と仕事を両立している、または両立していたと報告されています。一方で、治療がきっかけで退職した方や雇用形態を変更した方も一定数おり、両立には工夫や周囲の理解が重要だといえます。
A:体外受精は、卵巣刺激の経過観察や採血・超音波検査などで通院回数が多くなりやすいうえ、診療内容によっては1回あたりの診療時間も長くなる傾向があります。また、採卵日が直前まで確定しないなど予定が立てにくい点や、職場に打ち明けにくいストレスが重なり、負担を感じやすくなります。
A:体外受精では、卵胞の成長やホルモン値の変化に合わせて治療を進めるため、排卵のタイミング次第で来院日や採卵日が急に決まることがあります。特に採卵は最適なタイミングを逃せないため、直前に休暇調整が必要になるケースも少なくありません。
A:すべての通院をなくすことは難しいものの、工夫で負担を軽くできる場合があります。たとえば、注射を院内で受けるのではなく、クリニックが対応していれば自己注射を選ぶことで「注射のためだけの通院」を減らせる可能性があります。また、検査や説明を同日にまとめられるか、電話・オンライン説明に対応しているかも確認しておくと安心です。
A:無理のない範囲で、直属の上司や人事担当に「急な通院が発生しうる治療であること」だけでも共有しておくと、休暇や勤務調整の協力を得やすくなります。すべてを詳細に話す必要はなく、「通院が必要な期間がある」「日程が直前に確定することがある」など、業務調整に関わるポイントを中心に伝えるのがおすすめです。テレワークやフレックス、半休など社内制度も併用しながら、継続しやすい形を整えていきましょう。
体外受精と仕事の両立は、多くの方が直面する悩みです。来院頻度の多さや急なスケジュール変更などから、仕事への影響を感じる場面もあるかもしれません。ただ、通いやすさを考慮してクリニックを選んだり、職場のサポートを得たりするで、治療とキャリアの両立を目指せます。
また、退職してしまうと社会との接点が減り、不妊治療ばかりに意識が向いてしまうという声もあります。無理のない範囲で仕事を続けることが、精神的にプラスに働く方もいるでしょう。
当サイトでは、京都の体外受精に力を入れているクリニックを紹介しています。自分に合ったクリニックを見つけて、治療に前向きに向き合える準備を進めていきましょう。
不妊治療や生殖補助医療に関する高度な専門知識と技術を持つ「日本生殖医学会認定生殖医療専門医」が常勤で在籍しているクリニック・病院の中から、治療の目的別に優れた病院・クリニック3院をご紹介します(2025年3月調査時点)。
2001年からの不妊治療による累計妊娠数は3万人以上(2025年4月調査時点)※1。チーム医療による総合力で、35歳未満の方の体外受精(融解胚移植)による妊娠率は53.4%※2(2024年度実績)と全国平均の48.6%※3よりも高い実績です。
不妊治療に取り組む患者の妊娠しやすい身体作りをサポートするため、専門薬剤師(ウィメンズ漢方)によるオンライン漢方相談を実施。医師によるタイミング療法の指導などと合わせることで、できるだけ自然に近い治療で子どもを授かることができるよう尽力しています。
男性不妊に特化した日本生殖医学会認定生殖医療専門医が在籍する泌尿器科クリニック。男性不妊治療である精索静脈瘤に対する顕微鏡下手術、無精子症に対する顕微鏡下精巣精子回収術(micro-TESE)などの日帰り手術も可能で、忙しい方でもスケジュールの調整がしやすくなっています。
※1参照元:足立病院「数字でわかる足立病院」https://www.adachi-hospital.com/numbers/
※2参照元:足立病院「体外受精(凍結融解胚移植)による35歳未満の妊娠率(2024年度実績)」https://www.adachi-hospital.com/infertility/achievements/
※3参照元:日本産婦人科学会「ART臨床実施成績データ2022(PDF)」https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf