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体外受精を続けているのに思うような結果が出ないと、「何が悪いのだろう」「もう妊娠できないのでは」と強い不安を感じやすくなります。採卵や移植まで進んでいるのに結果につながらないと、なおさら気持ちは追い詰められやすいものです。
ただ、体外受精の結果が出ない背景はひとつではありません。採卵できるか、受精するか、胚が育つか、移植できるか、着床するか、妊娠を継続できるかといった各段階で、考えるべき要因は異なります。そのため、「失敗が続く」と感じたときは、漠然と悩むのではなく、どの段階でつまずいているのかを整理することが大切です。本ページでは、体外受精がうまくいかないときに考えられる主な原因と、見直しの視点を分かりやすく解説します。
体外受精は、排卵誘発、採卵、受精、培養、移植、着床、妊娠継続という複数の段階を経て進みます。そのため、ひとことで「うまくいかない」といっても、どの段階で課題が起きているかによって、見直し方は変わります。
たとえば、採卵数が少ない場合と、胚盤胞まで育たない場合、移植はできるのに着床しない場合では、考えるべきポイントが異なります。まずはどこで止まっているのかを分けて考えることが、原因整理の第一歩です。
妊娠しないという結果だけを見ると、原因がひとつに見えてしまうかもしれません。しかし実際には、受精まで進んでいないのか、胚盤胞まで育たないのか、移植しても着床しないのか、妊娠しても継続しないのかで、背景は大きく異なります。
つまり、「体外受精が失敗続き」と感じるときほど、段階別に経過を見直す視点が大切になります。
採卵で得られる卵子の数が少ないときには、卵巣予備能や年齢の影響が関わることがあります。また、刺激法との相性によって、卵胞は見えていても実際に採れる卵子が少ないこともあります。
ただし、採卵数が少ないからといって、すぐに打つ手がないわけではありません。刺激法や薬の使い方を見直す余地が話題になることもあります。
採卵できても、未成熟卵が多い場合には、採卵のタイミングや排卵誘発の進め方が影響している可能性があります。すべての卵子が同じように成熟するわけではないため、採れた数だけでなく中身を見ることも大切です。
成熟卵が少ない場合には、採卵日決定の考え方や刺激法の見直しが検討されることがあります。
卵巣刺激に対して反応が弱いと、十分に卵胞が育たず、採卵数が伸びにくくなることがあります。反対に、反応が強すぎるとOHSS(卵巣過剰刺激症候群)のリスクに配慮しながら進める必要が出てきます。
そのため、高刺激、低刺激、自然周期など、どの方針が体質に合っているかも見直しのポイントになります。
受精率が低いときには、精子濃度、運動率、形態などの精液検査の項目に加え、精子DNA損傷のように通常の検査だけでは見えにくい要因が関わる場合もあります。見た目の精液所見が大きく悪くなくても、受精に影響することがあります。
そのため、受精障害を女性側だけの問題として考えないことが大切です。
卵子の成熟度や加齢による影響によって、受精能が低下していることもあります。採卵できたとしても、すべての卵子が同じ力を持っているわけではありません。
受精しにくさには卵子側の背景が関わることもあり、卵子の数だけでなく質の視点も必要になります。
通常の体外受精でうまく受精しない場合、顕微授精へ切り替えることで改善が期待されるケースがあります。逆に、これまでの受精結果をふまえて、どの方法が適しているかを考え直すこともあります。
受精率が低いときは、体外受精か顕微授精かという方法選択そのものも見直しの対象になります。
受精しても、その後の分割が進まなかったり、胚盤胞まで到達しなかったりすることがあります。胚盤胞到達率には個人差があり、卵子や精子の質が関わることがあります。年齢要因が背景にあると説明されることも少なくありません。
ただし、胚盤胞まで育たないことは珍しいことではなく、一度の結果だけで将来まで決まるわけではありません。
見た目のグレードが悪くなくても、胚の染色体異常が背景にあって発育が止まることがあります。年齢とともにその割合が変わると説明されることもあり、胚盤胞まで育たない理由のひとつとして話題に上がることがあります。
こうした文脈で、PGT-Aのような着床前検査が検討材料になるケースもあります。
胚をどこまで培養するか、初期胚で移植するか、胚盤胞まで待つかといった方針は施設によって考え方が異なることがあります。もちろん培養室の運用や方針だけが原因とは言い切れませんが、治療戦略によって見え方が変わることはあります。
そのため、胚盤胞まで育たないときは培養方針そのものを含めて整理することも大切です。
移植できる胚があっても、胚の発育状態や染色体異常の可能性によって着床しにくいことがあります。良好胚と説明された胚でも、必ず着床するわけではありません。
つまり、見た目のグレードだけで着床の可否は決まらないということです。
子宮内膜の厚さや状態、ポリープ、筋腫、癒着などの子宮内の問題が関わることがあります。また、慢性子宮内膜炎や内膜受容能のずれが話題になることもあります。
胚だけでなく、子宮側の環境も着床には大きく関わるため、着床しないときはこの視点も欠かせません。
新鮮胚移植か凍結胚移植か、ホルモン補充周期か自然周期か、黄体補充の考え方は適切かなど、移植条件の調整が必要な場合もあります。移植自体は同じように見えても、方法やタイミングの違いが結果に影響することがあります。
そのため、着床しないときは、移植方法や移植条件の見直しも候補になります。
妊娠しても継続しない場合、流産要因のひとつとして胚の染色体異常が関係していることがあります。年齢とともにこの背景が語られることもありますが、もちろんそれだけで説明できるわけではありません。
流産が続く場合には、着床できたことと妊娠継続できることは別の段階として考える必要があります。
子宮形態や内膜環境のほか、甲状腺機能、自己免疫、凝固系などが話題になることもあります。必要な検査は主治医の判断によりますが、妊娠はするのに継続しないときには、こうした視点での整理が必要になることがあります。
複数回流産が続く場合には、不育症の評価が検討されることもあります。原因をひとつに決めつけず、胚側と母体側の両面から切り分けることが重要です。
「着床したのになぜ続かないのか」を別枠で考える視点が必要になる場合があります。
年齢は、卵子数、卵子の質、染色体異常胚の割合などに関わる大きな要因のひとつです。そのため、妊娠率や流産率への影響という形で説明されることが多いです。
年齢の影響を避けて考えることはできませんが、大きな要因であることと、唯一の原因であることは同じではありません。
若くても難航することはありますし、高年齢でも妊娠に至る人はいます。精子の状態、子宮内環境、胚の性質、移植方法、治療方針など、ほかの要因も大きく関わります。
そのため、年齢だけを見て絶望したり、逆に年齢が若いから大丈夫と単純に考えたりしないことが大切です。
年齢は事実としての条件ですが、それをそのまま自己否定に結びつける必要はありません。大切なのは、今の条件で何を見直せるか、どの段階に着目すべきかを整理することです。
年齢を責めるより、次の打ち手を考える視点に戻ることが重要です。
採卵数、成熟卵数、受精率、胚盤胞到達率、着床率、流産率など、どの数字を見るべきかを整理することが大切です。何となく「全部うまくいかない」と感じていても、数字で追うと課題の場所が見えやすくなることがあります。
段階ごとの結果を分けて見ることが、見直しの出発点になります。
刺激法、受精方法、培養方針、移植法、新鮮胚か凍結胚かなど、見直せる項目があるかを確認します。何度か同じ方針で結果が変わらない場合には、方法の変更が話題になることもあります。
もちろん、毎回大きく変えればよいわけではありませんが、方針が固定化していないかを振り返る視点は大切です。
子宮鏡検査、慢性子宮内膜炎関連の検査、ERA/EMMA/ALICE、PGT-A、精子DNA断片化検査などが話題になることがあります。ただし、すべての人に必要なわけではありません。
大切なのは、「何のためにその検査をするのか」を整理してから検討することです。検査を増やせば必ず解決するわけではないため、主治医と優先順位を相談する姿勢が重要です。
なぜこの方法なのかが分からない、質問しづらい、方針の根拠が見えないといった状態が続くと、治療そのものへの不安が強くなります。納得感が持てないまま続けることは、心の負担にもつながります。
説明への納得感は、治療を続けるうえでとても大切な要素です。
刺激法や移植法、培養方針などに見直し余地があるか、別の視点から意見を聞く意味があることもあります。不妊治療には施設差が出やすい領域もあるため、考え方の違いを知ることが整理につながる場合があります。
転院をすぐ決める必要はありませんが、セカンドオピニオンを受けること自体が情報整理に役立つことがあります。とくに気持ちが限界に近いときは、別の意見を聞くことで視界が開けることもあります。
転院やセカンドオピニオンは、逃げではなく整理の手段として考えてよいでしょう。
生活習慣や過去の選択をさかのぼって、自分を責めてしまう方は少なくありません。しかし、治療結果は複数要因で決まるため、ひとつの原因だけで説明しきれないことがほとんどです。
自責を強めすぎると、整理すべき視点まで見えにくくなることがあります。
ほかの人の成功体験や治療経過を見ると、焦りや落ち込みが強くなることがあります。ただし、年齢、胚の状態、治療歴、通っている施設など、条件は一人ひとり違います。
比較が参考になることもありますが、比較しすぎるほど苦しさが増すことも忘れないようにしたいところです。
何か新しいことをすぐ始めたくなる気持ちは自然ですが、整理されないまま追加していくと、かえって混乱しやすくなります。必要なのは、今どの段階に課題があり、その検査や治療が何に対応するのかを整理することです。
段階ごとに目的を確認して優先順位を決めることが大切です。
数字や検査で整理できる部分があっても、悲しみや焦り、不安がすぐに消えるわけではありません。原因が見えても、気持ちは別の時間で動くものです。
原因整理と感情の整理は別物として考えることが大切です。
少し休む、説明を受け直す、夫婦で整理する、ペースを調整するなど、立ち止まる選択肢もあります。立ち止まることは後退ではなく、次に進む準備になることもあります。
医師、看護師、培養士、カウンセラー、パートナーなど、相談先を増やすことも重要です。原因を知ることと同じくらい、気持ちを支えることも大切だからです。
苦しいときほど、整理と支えの両方が必要になります。
A:珍しいとは言い切れません。体外受精は段階ごとに事情が異なるため、回数だけで単純には判断できません。大切なのは、何回目かよりも、どの段階でつまずいているのかを整理することです。
A:胚盤胞まで育っていても、胚の染色体異常、子宮内膜の状態、移植タイミング、ホルモン環境など、複数の要因が関わることがあります。胚そのものだけでなく、子宮側や移植条件も含めて総合的に見る必要があります。
A:おかしくありません。良好胚は見た目や発育状態の評価が高い胚ですが、妊娠を保証するものではありません。見た目以外の要因も多く関わるため、良好胚でも結果につながらないことはあります。
A:そのようなことはありません。年齢は大きな要因のひとつですが、治療方針、受精方法、移植法、子宮内環境など、見直せる点が残っていることもあります。年齢だけで可能性を決めつけず、今の状況で何を整理すべきかを考えることが大切です。
A:必ずしもすぐ転院すべきとは限りません。ただ、説明に納得できないときや、何度か同じ方針で結果が変わらないときには、セカンドオピニオンが整理の助けになることがあります。転院か継続かを決める前に、別の意見を聞いてみるのもひとつの方法です。
体外受精の失敗が続く背景はひとつではなく、採卵、受精、培養、移植、着床、妊娠継続のどの段階でつまずいているかによって、考えるべきことは変わります。年齢や卵子の質だけでなく、精子、子宮内環境、胚の染色体、移植方法、治療方針など複数の要因が関係します。
「なぜダメだったのか」を一人で抱え込まず、段階ごとに整理しながら、必要な見直しや検査を主治医と相談していくことが大切です。結果が続かず苦しいときは、原因の整理と同時に、気持ちの負担にも目を向けながら次の一歩を考えることが重要です。
体外受精がうまくいかない理由を整理できたら、次は「胚盤胞」「PGT-A」「移植方法の違い」もあわせて確認してみてください。どの段階で何を見直すべきかが見えやすくなり、次の相談もしやすくなります。
不妊治療や生殖補助医療に関する高度な専門知識と技術を持つ「日本生殖医学会認定生殖医療専門医」が常勤で在籍しているクリニック・病院の中から、治療の目的別に優れた病院・クリニック3院をご紹介します(2025年3月調査時点)。
2001年からの不妊治療による累計妊娠数は3万人以上(2025年4月調査時点)※1。チーム医療による総合力で、35歳未満の方の体外受精(融解胚移植)による妊娠率は53.4%※2(2024年度実績)と全国平均の48.6%※3よりも高い実績です。
不妊治療に取り組む患者の妊娠しやすい身体作りをサポートするため、専門薬剤師(ウィメンズ漢方)によるオンライン漢方相談を実施。医師によるタイミング療法の指導などと合わせることで、できるだけ自然に近い治療で子どもを授かることができるよう尽力しています。
男性不妊に特化した日本生殖医学会認定生殖医療専門医が在籍する泌尿器科クリニック。男性不妊治療である精索静脈瘤に対する顕微鏡下手術、無精子症に対する顕微鏡下精巣精子回収術(micro-TESE)などの日帰り手術も可能で、忙しい方でもスケジュールの調整がしやすくなっています。
※1参照元:足立病院「数字でわかる足立病院」https://www.adachi-hospital.com/numbers/
※2参照元:足立病院「体外受精(凍結融解胚移植)による35歳未満の妊娠率(2024年度実績)」https://www.adachi-hospital.com/infertility/achievements/
※3参照元:日本産婦人科学会「ART臨床実施成績データ2022(PDF)」https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf