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「20代なら、すぐに結果が出るはず」
そう期待して体外受精を始めたものの、1回目でうまくいかなかった時、「自分は妊娠しにくい体質なのかもしれない」と深い不安を感じる方は少なくありません。
SNSやネット上には「1回で妊娠しました!」という声もあれば、「何回も挑戦しています」という声もあり、自分をどこに当てはめて考えればいいのか迷ってしまうことでしょう。
このコラムでは、20代における体外受精の「回数」に対する捉え方や、結果が分かれる理由、そして回数にとらわれすぎずに治療を進めるためのポイントを解説します。
まずお伝えしたいのは、体外受精において「何回目が平均」という数字は、あくまで統計上のものであり、個人の成功を約束するものではないということです。
SNSや口コミで見かける「1回で成功」「3回目で授かった」という体験談は、あくまでその方のケースに過ぎません。体外受精は、その時の卵子と精子の状態、子宮環境、移植のタイミングなど、多くの条件が重なり合って結果が出るものであり、1回1回が独立したチャンスです。
「何回目が正解」と回数に縛られるのではなく、毎回の結果から得られる情報をどう次に活かすかが、最短ルートへの鍵となります。
一般的に、20代は卵子の質が良好であることが多く、他の年代に比べて妊娠率や生産率(出産まで至る確率)が高い傾向にあります。
しかし、必ずしも全員が「早い回数」で妊娠するわけではありません。実際には以下のように、結果が出るタイミングは様々です。
「若い=必ず早い」というわけではないことを理解し、焦らずにご自身の状況を見つめることが大切です。
各クリニックが公表している妊娠率は、あくまでその年代の患者様全体の「平均値」です。その数字が高いからといって個人の成功が保証されるわけではありませんし、逆に平均より低いからといって可能性がないわけでもありません。数字はあくまで目安として捉えましょう。
明確な基準はありませんが、比較的少ない回数(1回目など)で成功される方には、以下のような傾向が見られることがあります。
これらはあくまで傾向であり、条件が揃っていても1回目でうまくいかないことは十分にあり得ます。
実は、初回よりも2回目、3回目で成功するケースも非常に多いのが体外受精の特徴です。
1回目の治療は、卵巣がお薬にどう反応するか、受精卵がどう育つかといった「相性」を見る側面もあります。そのため、1回目の結果を踏まえて治療内容を微調整することで、劇的に結果が良くなることがあるのです。
このように、1回の失敗は決して遠回りではなく、次の成功のための重要なデータになります。
「あと何回続ければいいの?」と不安になった時、回数だけで判断するのではなく、以下のポイントで見直しを検討してみましょう。
もし2回以上移植しても着床しない場合、漫然と繰り返す前に以下の点を確認することをお勧めします。
20代での治療は、周りに相談できる人が少なかったり、キャリアとの両立に悩んだりと、独自の難しさがあります。
焦って回数を重ねるよりも、1回1回の治療を丁寧に振り返り、納得して次に進むことが大切です。また、通院スケジュールを職場とどう調整するか、費用面をどう計画するかなど、生活を守りながら長く続けられる体制を整えることも、治療の一環と言えます。
そして何より、心理的な負担を一人で、あるいは夫婦だけで抱え込まないでください。クリニックのカウンセラーや看護師を頼ることも、立派な治療の工夫です。
どの病院で治療を受けるかも、結果が出るまでのプロセスに影響を与えます。20代の方が病院を選ぶ際には、以下の点に注目してみてください。
A:回数制限はありませんが、保険適用の回数(通算6回まで)を目安にされる方は多いです。ただし、回数よりも「原因の特定」と「対策」ができているかが重要です。
A:まずは担当医と「今回の振り返り」を行うことが最優先です。その上で、刺激法の変更や凍結胚移植への切り替えなど、具体的な次の一手を相談しましょう。
A:回数に決まりはありませんが、「同じ治療の繰り返しになっている」「医師の説明に納得できない」「質問しづらい」と感じた時は、セカンドオピニオンを検討する良いタイミングかもしれません。
A:もちろんです。心身の疲労が溜まっている時は、あえてお休み期間(リセット期間)を設けることで、次の治療に前向きに取り組めるようになることもあります。
A:保険適用内であっても費用はかかります。ご夫婦で「まずは保険の範囲内で」「先進医療はここまで」といった予算のルールを話し合っておくことをお勧めします。
20代であっても、体外受精で成功するまでの回数は人それぞれです。「1回で成功しなきゃ」と自分を追い込む必要はありません。
大切なのは、毎回の結果を真摯に受け止め、医師と協力しながら治療を進化させていくことです。焦りや不安を感じた時こそ、信頼できる医療機関やパートナーと話し合い、納得できる一歩を踏み出してください。
あなたたちご夫婦にとってのベストな結果に繋がるよう、まずは信頼できるクリニックへの相談から始めてみてはいかがでしょうか。
不妊治療や生殖補助医療に関する高度な専門知識と技術を持つ「日本生殖医学会認定生殖医療専門医」が常勤で在籍しているクリニック・病院の中から、治療の目的別に優れた病院・クリニック3院をご紹介します(2025年3月調査時点)。
2001年からの不妊治療による累計妊娠数は3万人以上(2025年4月調査時点)※1。チーム医療による総合力で、35歳未満の方の体外受精(融解胚移植)による妊娠率は53.4%※2(2024年度実績)と全国平均の48.6%※3よりも高い実績です。
不妊治療に取り組む患者の妊娠しやすい身体作りをサポートするため、専門薬剤師(ウィメンズ漢方)によるオンライン漢方相談を実施。医師によるタイミング療法の指導などと合わせることで、できるだけ自然に近い治療で子どもを授かることができるよう尽力しています。
男性不妊に特化した日本生殖医学会認定生殖医療専門医が在籍する泌尿器科クリニック。男性不妊治療である精索静脈瘤に対する顕微鏡下手術、無精子症に対する顕微鏡下精巣精子回収術(micro-TESE)などの日帰り手術も可能で、忙しい方でもスケジュールの調整がしやすくなっています。
※1参照元:足立病院「数字でわかる足立病院」https://www.adachi-hospital.com/numbers/
※2参照元:足立病院「体外受精(凍結融解胚移植)による35歳未満の妊娠率(2024年度実績)」https://www.adachi-hospital.com/infertility/achievements/
※3参照元:日本産婦人科学会「ART臨床実施成績データ2022(PDF)」https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf