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「自分にも原因があるかもしれない」そう感じていても、実際に検査を受けるとなると「痛いのではないか」「恥ずかしい」と躊躇してしまう男性は少なくありません。
しかし、不妊の原因の約半数(48%)は男性側に関係しています。男性不妊の検査の多くは、痛みや身体的負担がほとんどないシンプルなものです。早期に検査を受けることで、お二人の治療方針が明確になり、妊娠への近道となります。ここでは具体的な検査内容や基準値、当日の流れについて解説します。
男性不妊の検査は、主に「精液検査」「触診・超音波検査」「血液検査(ホルモン検査)」の3つから構成されます。中でも精液検査は最も基本的かつ重要な検査です。
マスターベーションによって採取した精液に含まれる精子の数や動き、形を調べる検査です。痛みはありません。
一般的にWHO(世界保健機関)が定めた基準値と比較して評価されますが、精子の状態は当日の体調やストレスによって大きく変動するため、日を改めて2回以上行うことが推奨されています。
| 検査項目 | 基準値(下限) |
|---|---|
| 精液量 | 1.4 ml 以上 |
| 精子濃度 | 1,600万 /ml 以上 |
| 総精子数 | 3,900万 以上 |
| 運動率 | 42% 以上 |
| 前進運動率 | 30% 以上 |
| 正常形態率 | 4% 以上 |
| 生存率 | 54% 以上 |
※この数値より低い場合でも自然妊娠するケースはありますが、治療方針を決める重要な目安となります。
【出典・参考】
一次情報:WHO laboratory manual for the examination and processing of human semen, 6th ed. (2021)
日本語解説:精液検査の基準値の変更について(WHOマニュアル改訂)|京野アートクリニック仙台
精巣(睾丸)の大きさや硬さを確認し、精子を作る機能に問題がないかを推測します。
また、男性不妊の大きな原因である「精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)」がないかを調べます。超音波検査はゼリーを塗って機械をあてるだけなので、痛みはほとんどありません。
採血を行い、精子の形成に関わる男性ホルモン(テストステロン)や、脳から精巣への指令を出すホルモン(FSH、LH)の値を測定します。精液検査の結果が悪かった場合などに、造精機能障害の原因を探るために行われます。
一般的な泌尿器科や不妊治療専門クリニックでの検査の流れは以下の通りです。精液の採取は、自宅で行って持ち込む場合と、クリニック内の採精室で行う場合があります。
2022年4月から不妊治療の保険適用範囲が拡大され、男性不妊の検査や治療も条件を満たせば保険適用となるケースが増えました。
出典:こども家庭庁「不妊治療に関する取組(保険適用について)」一般不妊治療の一環として行われる精液検査や、原因を調べるための超音波検査・血液検査は基本的に保険適用(3割負担)となります。
将来のために調べておきたい場合(ブライダルチェック)や、保険適用の条件に当てはまらない高度な検査を行う場合は自費診療となります。
当メディアでは、男性不妊の治療をはじめとした、治療の目的別に際立った特徴を持つ3院をご紹介していますので、ぜひそちらも参考にしてみてください。
A:ほとんどの検査は痛みや身体的負担がほぼありません。精液検査はマスターベーションによる採取で、触診や超音波検査も数分で終わります。痛みがあるとすれば、血液検査の注射針程度です。
A:最も重要なのは精液検査です。精子の数・運動率・形態などを調べます。あわせて、精巣の状態を確認する触診・超音波検査、必要に応じてホルモン検査(血液検査)を行い、不妊の原因を総合的に評価します。
A:いいえ。精子の状態は体調やストレスの影響を受けやすいため、1回の検査結果だけで判断することは少なく、2回以上行うのが一般的です。一度基準値を下回っても、再検査で改善するケースもあります。
A:基本は泌尿器科ですが、男性不妊に対応している不妊治療専門クリニックや婦人科でも検査を受けられる場合があります。夫婦で同時に相談したい場合は、不妊治療専門クリニックが選ばれることも多いです。
A:精液検査では、正確な結果を得るために2〜7日程度の禁欲期間が推奨されます。また、採取方法(自宅か院内か)や提出時間の指定があるため、事前にクリニックの案内を確認しておくと安心です。
男性不妊の検査は、女性の検査に比べて身体的負担が非常に少ないのが特徴です。「子どもができない」と悩み続けるよりも、検査を受けて今の状態を知ることは、お二人にとって大きな一歩になります。
まずは、男性不妊外来のあるクリニックや、不妊治療専門クリニックに相談してみましょう。
「まずは検査だけ受けたい」「男性不妊専門医に診てもらいたい」など、ご自身の状況に合わせてクリニックを選びましょう。ここでは特徴の異なる3つのクリニックをご紹介します。
不妊治療や生殖補助医療に関する高度な専門知識と技術を持つ「日本生殖医学会認定生殖医療専門医」が常勤で在籍しているクリニック・病院の中から、治療の目的別に優れた病院・クリニック3院をご紹介します(2025年3月調査時点)。
2001年からの不妊治療による累計妊娠数は3万人以上(2025年4月調査時点)※1。チーム医療による総合力で、35歳未満の方の体外受精(融解胚移植)による妊娠率は53.4%※2(2024年度実績)と全国平均の48.6%※3よりも高い実績です。
不妊治療に取り組む患者の妊娠しやすい身体作りをサポートするため、専門薬剤師(ウィメンズ漢方)によるオンライン漢方相談を実施。医師によるタイミング療法の指導などと合わせることで、できるだけ自然に近い治療で子どもを授かることができるよう尽力しています。
男性不妊に特化した日本生殖医学会認定生殖医療専門医が在籍する泌尿器科クリニック。男性不妊治療である精索静脈瘤に対する顕微鏡下手術、無精子症に対する顕微鏡下精巣精子回収術(micro-TESE)などの日帰り手術も可能で、忙しい方でもスケジュールの調整がしやすくなっています。
※1参照元:足立病院「数字でわかる足立病院」https://www.adachi-hospital.com/numbers/
※2参照元:足立病院「体外受精(凍結融解胚移植)による35歳未満の妊娠率(2024年度実績)」https://www.adachi-hospital.com/infertility/achievements/
※3参照元:日本産婦人科学会「ART臨床実施成績データ2022(PDF)」https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf