京で妊娠 京都の不妊治療ガイド » 不妊の原因について » 女性不妊の主な原因と4大因子

女性不妊の主な原因と4大因子

公開日: |最終更新日時:

「子どもが欲しい」と願ってもなかなか妊娠に至らない場合、そこには何らかの身体的な原因が隠れている可能性があります。女性の不妊原因は多岐にわたり、一つの原因だけでなく、複数の要因が重なっていることも珍しくありません。

妊娠は、卵子が育ち、排卵され、卵管で精子と出会って受精し、受精卵が子宮に着床するという「奇跡的なリレー」によって成立します。このリレーのどこかでトラブルが起きると、妊娠への道のりが難しくなってしまいます。この記事では、女性不妊の主な原因を身体の仕組みに沿って解説し、それぞれに必要な検査や対策についてご紹介します。

女性不妊の原因:大きく分けて4つの因子

不妊の原因を特定することは、適切な治療への第一歩です。女性側の原因は、主に「排卵」「卵管」「子宮」「頸管」の4つに分類されます。まずはそれぞれの特徴を見ていきましょう。

1. 排卵因子(卵子が育たない・出てこない)

月経が不順であったり、数ヶ月来ない場合は、排卵がスムーズに行われていない可能性があります。排卵がなければ、精子と出会うチャンス自体が失われてしまいます。

  • 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
    卵胞が卵巣の中でたくさん育つものの、十分な大きさまで育たず、排卵しにくくなる疾患です。女性の20〜30代に多く見られ、排卵誘発剤などの治療が有効なケースが多いです。
  • 高プロラクチン血症
    授乳中に分泌されるホルモン「プロラクチン」が、妊娠していないのに多く分泌されてしまい、排卵を止めてしまう状態です。
  • 早発卵巣不全(POI)
    40歳未満で卵巣機能が低下し、月経が止まってしまう状態です(早期閉経)。

2. 卵管因子(卵子の通り道が詰まっている)

卵管は、卵子が精子と出会い「受精」する場所であり、受精卵を子宮へ運ぶ重要なパイプです。この卵管が詰まったり癒着したりすると、妊娠が極めて難しくなります。

  • クラミジア感染症
    過去に気づかないうちに感染し、炎症が起きた結果、卵管が詰まってしまうケースが増えています。
  • 子宮内膜症
    内膜症による癒着が卵管の動きを悪くし、卵子をうまく取り込めない(ピックアップ障害)原因になることがあります。

3. 子宮因子(受精卵が着床しにくい)

受精卵が子宮にたどり着いても、ベッドとなる子宮内膜や環境に問題があると、うまく「着床」できず妊娠に至りません。

  • 子宮筋腫
    良性の腫瘍ですが、発生する場所(特に粘膜下筋腫)や大きさによっては着床の妨げになります。
  • 子宮内膜ポリープ
    子宮の内側にできるキノコ状の良性腫瘍です。受精卵の着床を物理的に邪魔することがあり、切除することで妊娠率が向上することがあります。
  • 子宮形態異常
    生まれつき子宮の形が異なる場合も、不妊や流産の原因になることがあります。

4. 頸管因子(精子が子宮に入れない)

子宮の入り口(子宮頸管)には、排卵期になると精子の侵入を助ける「頸管粘液」が分泌されます。この粘液の量が少なかったり、性質が悪かったりすると、精子が子宮内へ進むことができなくなります。

見逃せない「子宮内膜症」と「免疫」のリスク

上記の4大因子以外にも、女性不妊に関わる重要な原因があります。

子宮内膜症

本来子宮の内側にあるはずの内膜組織が、卵巣や腹膜など別の場所で増殖・剥離を繰り返す病気です。重い生理痛が特徴ですが、炎症により癒着を引き起こし、卵管の詰まりやピックアップ障害、卵子の質の低下など、不妊の複合的な原因となり得ます。

免疫因子(抗精子抗体)

女性の体が精子を「異物(敵)」とみなし、攻撃してしまう抗体(抗精子抗体)を持っているケースです。頸管粘液の中にこの抗体があると、精子は子宮内に入ることができません。この場合、精子を直接子宮に送る人工授精や、体外受精へのステップアップが検討されます。

近年注目される「卵子の老化(加齢)」

晩婚化が進む現代において、最も大きな不妊原因の一つが「加齢」です。女性が生まれたときに持っている卵子の数は決まっており、年齢とともに数は減少し、質も低下していきます。

  • 質の低下(染色体異常の増加):年齢が上がると、卵子の染色体異常の割合が増え、受精しにくくなったり、流産率が高くなったりします。
  • 妊娠率の変化:35歳を過ぎると自然妊娠の確率は徐々に低下し、40歳を超えると急激に難しくなります。

「見た目が若いから大丈夫」ではなく、卵巣年齢は実年齢とともに進んでいるという事実を理解し、早めにライフプランを考えることが大切です。

「原因不明不妊」とは?

一通りの検査を行っても、明らかな異常が見つからない場合を「機能性不妊(原因不明不妊)」と呼びます。実は不妊症全体の約10〜15%を占めると言われています。
「原因がないのに妊娠できない」のではなく、「現在の一般的な検査では見つけられない微細な原因がある(ピックアップ障害や受精障害など)」と考えられています。この場合も、年齢などを考慮しながらステップアップ治療(体外受精など)を行うことで、妊娠に至るケースは多くあります。

「もしかして?」と思ったら…セルフチェック

女性不妊の兆候は、月経の状態に表れることが多いです。以下の項目に心当たりがある場合は、早めの受診をおすすめします。

女性不妊セルフチェックリスト
  • 生理不順である、または生理が来ないことがある
  • 生理痛がひどく、年々痛みが強くなっている(子宮内膜症の疑い)
  • 経血の量が極端に多い、または極端に少ない
  • 生理ではない時期に出血(不正出血)がある
  • クラミジア感染症にかかったことがある
  • 腹部の手術(虫垂炎など)を受けたことがある
  • 手足の冷えがひどい、または極端なダイエットをしている
  • 35歳以上で、半年以上避妊せずに性生活を行っている

まずはここから!検査と診断の流れ

原因を特定するために、生理周期に合わせていくつかの検査を行います。

基礎体温の測定

毎朝の体温を記録することで、排卵の有無や黄体機能の状態を推測できます。まずは自分のリズムを知るための基本です。

血液検査(ホルモン検査)

低温期(生理中)や高温期に採血し、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、卵巣年齢を測るAMH(アンチミューラリアンホルモン)などを調べます。

超音波検査(エコー)

子宮筋腫や卵巣嚢腫の有無、卵胞の育ち具合、子宮内膜の厚さなどを視覚的に確認します。

子宮卵管造影検査

子宮内に造影剤を注入し、レントゲン撮影を行います。卵管が詰まっていないか(通りの良さ)や、子宮の形に異常がないかを調べる重要な検査です。この検査後は「卵管の通りが良くなり妊娠しやすくなる」とも言われています。

当メディアでは、女性不妊の相談をはじめとした、治療の目的別に際立った特徴を持つ3院をご紹介していますので、ぜひそちらも参考にしてみてください。

まとめ:原因を知ることが、妊娠への近道

「不妊かもしれない」と悩むのはとても辛いことですが、悩んでいるだけでは時間は過ぎてしまいます。特に女性の体は年齢とともに変化するため、一日でも早く原因を知り、適切な対策をとることが妊娠への一番の近道です。

検査で原因が見つかれば治療ができますし、もし「原因不明」であっても、それは「今の医学で治すべき悪いところが見当たらない」という前向きな捉え方もできます。まずは勇気を出して、不妊治療専門クリニックの扉を叩いてみてください。

治療の目的別に「自分たちに合うクリニック」を探したい方へ

不妊治療クリニックと一口にいっても、

  • 身体への負担が少ない自然周期・低刺激を得意とするクリニック
  • 高度な技術力を持ち、難治性不妊の実績が豊富なクリニック
  • 仕事と両立しやすい診療時間やサポートがあるクリニック

など、治療のフェーズやライフスタイルによって「合うクリニック」は変わってくるので、自身の状態にあったクリニック選びを心がけましょう。

記事監修医師紹介

三橋裕一 医師

三橋裕一医師

2007年よりひなたクリニック開業。

産婦人科医の傍ら、総合格闘技のリングドクターとしても活動中。婦人科で行うVIO脱毛(介護脱毛)を積極的に行い、日本医学脱毛学会の理事も務める。

産婦人科学会専門医、日本スポーツ協会スポーツドクター、北海道フードマイスター、利酒師、焼酎利酒師の資格を持ち、おいしい食べ物、酒をこよなく愛する。

※学術部分のみの監修となり、医師が具体的なクリニックや施術、商品等を推奨しているものではございません。

京都にある不妊治療の
クリニック・病院
おすすめ3選

不妊治療や生殖補助医療に関する高度な専門知識と技術を持つ「日本生殖医学会認定生殖医療専門医」が常勤で在籍しているクリニック・病院の中から、治療の目的別に優れた病院・クリニック3院をご紹介します(2025年3月調査時点)。

体外受精の
相談をするなら
足立病院 生殖医療センター
足立病院 生殖医療センター
引用元:足立病院 生殖医療センター公式HP
(https://www.adachi-hospital.com/infertility/)
おすすめの理由

2001年からの不妊治療による累計妊娠数は3万人以上(2025年4月調査時点)※1。チーム医療による総合力で、35歳未満の方の体外受精(融解胚移植)による妊娠率は53.4%※2(2024年度実績)と全国平均の48.6%※3よりも高い実績です。

妊娠しやすい身体づくりの
相談をするなら
田村秀子婦人科医院
田村秀子婦人科医院
引用元:田村秀子婦人科医院公式HP
(https://tamura-hideko.com/)
おすすめの理由

不妊治療に取り組む患者の妊娠しやすい身体作りをサポートするため、専門薬剤師(ウィメンズ漢方)によるオンライン漢方相談を実施。医師によるタイミング療法の指導などと合わせることで、できるだけ自然に近い治療で子どもを授かることができるよう尽力しています。

男性不妊治療の
相談をするなら
いちおか泌尿器科クリニック
いちおか泌尿器科クリニック
引用元:いちおか泌尿器科クリニック公式HP
(https://ichioka-urological-clinic.com/)
おすすめの理由

男性不妊に特化した日本生殖医学会認定生殖医療専門医が在籍する泌尿器科クリニック。男性不妊治療である精索静脈瘤に対する顕微鏡下手術、無精子症に対する顕微鏡下精巣精子回収術(micro-TESE)などの日帰り手術も可能で、忙しい方でもスケジュールの調整がしやすくなっています。

※1参照元:足立病院「数字でわかる足立病院」https://www.adachi-hospital.com/numbers/
※2参照元:足立病院「体外受精(凍結融解胚移植)による35歳未満の妊娠率(2024年度実績)」https://www.adachi-hospital.com/infertility/achievements/
※3参照元:日本産婦人科学会「ART臨床実施成績データ2022(PDF)」https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf