体外受精の流れを解説

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目次

体外受精は、卵子を採取して体外で精子と受精させ、育った胚を子宮に戻すことで妊娠を目指す治療です。ただし、実際にはいきなり採卵や移植に進むわけではなく、事前検査、排卵誘発、採卵、受精・培養、胚移植という複数の段階を踏んで進みます。

また、体調や卵巣の反応、胚の状態によっては、その周期ですぐに移植せず、胚を凍結保存して次の周期以降に移植するケースもあります。本ページでは、体外受精の一般的な流れを時系列で整理しながら、各工程で何をするのか、どのタイミングで通院や準備が必要になるのかを分かりやすく解説します。

体外受精の流れは大きく6ステップで進む

まずは全体の順番を把握しよう

体外受精は、以下のような流れで進みます。

  • 事前検査
  • 排卵誘発
  • 採卵
  • 受精
  • 培養
  • 胚移植

なお、胚の状態や体調によっては、採卵周期では移植を行わず、胚を凍結保存して別周期で移植する流れになる場合もあります。

体外受精は「採卵して終わり」ではない

体外受精は採卵がゴールではなく、採卵後に受精・培養・胚の評価といった工程が続きます。そのうえで、移植のタイミングや方法を決めていくため、一つひとつの工程が連続してつながっている治療です。

1. 事前検査と治療計画の確認

体外受精に入る前に行う主な確認

体外受精に進む前には、現在の身体の状態を把握するためにさまざまな検査を行います。

  • ホルモン検査
  • 超音波検査
  • 感染症検査
  • 精液検査
  • 既往歴・治療歴の確認

必要に応じて、子宮や卵管の状態を確認する検査が行われることもあります。

どの方法で進めるか治療方針を決める

検査結果をもとに、治療方針を決定します。

  • 排卵誘発の方法
  • 採卵で目指す卵子数
  • 新鮮胚移植か凍結胚移植か

また、仕事や通院スケジュールも考慮しながら、無理のない治療計画を立てることが重要です。

2. 排卵誘発で卵胞を育てる

なぜ排卵誘発を行うのか

排卵誘発は、複数の卵子を育てるために行います。自然周期では1個しか育たない卵子を、薬剤によって複数育てることで、受精・培養につながる可能性を高めることができます。

排卵誘発では注射や内服を使うことがある

排卵誘発では、注射や内服薬を使用します。クリニックによっては自宅で自己注射を行うケースもあり、通院回数を減らす工夫がされることもあります。

薬の種類や刺激方法は人によって異なり、医師が状態に応じて調整します。

卵胞チェックをしながら採卵日を決める

排卵誘発中は、超音波検査やホルモン値を確認しながら卵胞の成長をチェックします。卵胞の大きさが適切になった段階で排卵を促す注射を行い、採卵日が決定されます

3. 採卵で卵子を取り出す

採卵はどのように行われる?

採卵は、経腟超音波で卵巣の位置を確認しながら、卵胞に針を刺して卵子を回収する方法で行われます。麻酔を使用することもあり、来院して処置を受ける必要があります。

採卵当日に行うこと

  • 体調確認・説明
  • 採卵処置
  • 処置後の安静・休憩

必要に応じて、パートナーの精子採取も同日に行われます。

採卵後に気をつけたいこと

採卵後は腹痛や出血などに注意し、無理をせず安静に過ごすことが大切です。採卵日は休みを取る方も多く、体調を優先したスケジュール調整が必要になります。

4. 採取した卵子と精子を受精させる

受精方法は主に体外受精か顕微授精

受精方法には、卵子と精子を一緒にして自然な受精を待つ方法と、精子を1つ選んで直接注入する顕微授精があります。精子や卵子の状態に応じて適切な方法が選ばれます

受精したかどうかを確認する

すべての卵子が受精するわけではありません。受精の有無を確認した後、受精卵は培養へと進みます。結果については、来院や電話で説明されることもあります。

5. 胚を培養し、移植できる状態まで育てる

胚培養では数日かけて成長をみる

受精卵は培養器の中で数日間育てられます。初期胚の段階で移植する場合もあれば、胚盤胞まで育てる場合もあり、培養日数によって移植の方針が変わることがあります。

胚の状態を見て移植か凍結かを判断する

胚の発育状態や子宮内膜の状態、ホルモンバランスなどを総合的に判断し、その周期で移植するか、凍結して次周期に移植するかを決めます。

すべてのケースで採卵周期に移植するとは限らない点は、事前に理解しておくと安心です。

6. 胚移植で子宮に胚を戻す

胚移植はどのように行われる?

胚移植は、育った胚を子宮内に戻す処置です。比較的短時間で行われることが多く、新鮮胚移植か凍結胚移植かによってタイミングが異なります。

移植後は判定日まで経過をみる

移植後は黄体補充を行いながら経過を観察し、後日、血液検査などで妊娠判定を行います。判定日までは、無理をせずに体調を優先した生活が求められます。

体外受精の流れには「新鮮胚移植」と「凍結胚移植」がある

新鮮胚移植とは

採卵した周期の中で、そのまま胚を移植する方法です。治療期間が短く感じられる一方で、体調や内膜状態によっては適応にならない場合もあります。

凍結胚移植とは

いったん胚を凍結保存し、別の周期で移植する方法です。子宮やホルモン環境を整えたうえで移植できるため、近年では選択されることも増えています。

どちらになるかは医師判断と個別状況による

どちらの方法が選ばれるかは、体調や検査結果によって異なります。流れの分岐として理解しておくことが大切です。

体外受精の流れの中で通院が多くなるのはどこ?

通院が増えやすいのは排卵誘発から採卵前

排卵誘発期間中は、卵胞の成長確認やホルモン検査、薬の調整などが必要となり、通院回数が増えやすい時期です。

移植周期にも複数回の通院が必要になる

移植前には内膜の状態確認、移植後には判定のための来院など、複数回の通院が必要になります。

仕事との両立を考えるなら早めの確認が大切

急な来院が必要になることもあるため、あらかじめスケジュールを把握しておくことが重要です。自己注射の有無や診療時間も、通いやすさに大きく影響します。

体外受精の流れで不安になりやすいポイント

思った通りのスケジュールで進まないことがある

卵胞の成長や体調には個人差があり、予定通りに進まないこともあります。採卵数や胚の状態によって、凍結に切り替わるケースもあります。

1回で結果が出るとは限らない

採卵・受精・移植の各段階で結果に差が出るため、1回の治療で必ず妊娠に至るとは限りません

分からないことは早めに確認する

治療前に流れを理解しておくことで、仕事や生活の調整がしやすくなります。不安な点は早めに医師へ相談することが大切です。

体外受精の流れを理解したうえで見ておきたい関連テーマ

  • 体外受精時の通院回数は?
  • 体外受精時の自己注射とは?
  • 新鮮胚移植と凍結胚移植の違いとは?
  • 胚盤胞とは?グレードと妊娠率の関係
  • 体外受精は保険適用される?
  • 体外受精を受ける時仕事はどうする?
  • 体外受精時に仕事は何日休む?

まとめ

体外受精は、事前検査を行ったうえで、排卵誘発、採卵、受精、培養、胚移植という流れで進む治療です。採卵後すぐに移植する場合もあれば、胚を凍結して後日移植するケースもあります。

特に排卵誘発から採卵前後は通院や準備が増えやすく、事前に流れを理解しておくことが不安軽減につながります

体外受精の流れが分かったら、次は通院回数や自己注射、移植方法の違いなども確認しておきましょう。治療の見通しが立つことで、仕事や生活との両立も考えやすくなります。

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※1参照元:足立病院「数字でわかる足立病院」https://www.adachi-hospital.com/numbers/
※2参照元:足立病院「体外受精(凍結融解胚移植)による35歳未満の妊娠率(2024年度実績)」https://www.adachi-hospital.com/infertility/achievements/
※3参照元:日本産婦人科学会「ART臨床実施成績データ2022(PDF)」https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf