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「体外受精は通院が多いって聞くけれど、仕事と両立できるの?」と不安に思う人は少なくありません。実際、体外受精では卵の育ち具合を確認したり、ホルモン値を測定したりと、定期的な通院が必要になる場面があります。ただし、回数は治療内容や体質、クリニックの方針によって大きく変わります。
この記事では、体外受精の一般的な通院回数の目安やスケジュールを分かりやすく紹介しながら、通院を減らすためにできる工夫についても詳しくお伝えします。
体外受精(IVF)は、卵子を育てて採取し、受精させた胚を子宮へ戻す治療です。妊娠の成立をめざして段階ごとに慎重な確認が必要になるため、一定の通院が求められます。
卵が育つスピードは日によって変わるため、超音波で卵胞の成長状況をこまめに確認する必要があります。さらに、適切なタイミングで採卵を行うために、ホルモン値の変化を測定し、薬剤の量や投与日程を細かく調整する作業も欠かせません。こうした確認を安全に行うため、刺激期間は通院が多くなりやすい傾向があります。
月経周期のリズム、卵子の育ちやすさ、卵巣の反応性などは人によって大きく異なります。そのため、卵胞の成長が早い人・遅い人では必要な通院回数が変わることがあります。また、医師はホルモン値や超音波画像を見ながら、採卵のタイミングや使用する薬剤を判断するため、状況に合わせた調整が多く、結果として通院頻度に差が生じやすくなります。
体外受精の1周期あたりの通院回数は、治療方法によって大きく変動します。以下は多くのクリニックで見られる目安です。
刺激周期では通院が最も多くなりやすいとされ、反対に低刺激法や自然周期では比較的少なく済むケースが多いとされています。
採卵日は1回の来院が必要です。前日または当日に最終チェックが入ることがあり、採卵の前後でスケジュールが追加されるケースもあります。
胚移植は1回の来院で行われることが一般的です。移植後は、黄体補充薬の調整や妊娠判定のために1〜2回の通院が必要となります。
総合すると、1周期あたり約5〜10回の通院が一般的とされています。
ここでは、刺激周期で治療を進める場合のスケジュールの一例を示します。モデルケースとして月経3日目(D3)から開始する場合を想定しています。
特にD6〜D10の期間は、卵胞の成長に個人差が出やすく、通院回数が増えやすいポイントとなります。
通院の頻度は、治療方法や体質、卵巣の反応の違いなど、いくつかの要素によって大きく変わります。どのポイントが影響するのかを理解しておくと、スケジュールの見通しが立てやすくなります。
刺激周期では卵巣を積極的に刺激して複数の卵子を育てるため、卵胞の成長をこまめにチェックする必要があり通院が多くなる傾向があります。対して、低刺激法や自然周期は薬剤使用が少ないため、診察回数も少なくなることがあります。どの方法を選ぶかによって、1周期あたりの通院回数は大きく変わります。
卵巣の反応性は、AMH値や年齢によって異なります。卵胞の育ちが早い人は短期間で採卵に進めますが、育ちがゆっくりな人は診察の回数が増えることがあります。卵子の育ち具合が予測しにくい場合、追加の超音波検査やホルモン値のチェックが必要になるため、通院頻度に影響が出ます。
通院は採卵周期が最も多く、新鮮胚移植を行う場合には採卵後に短期間で移植へ進むため、来院の回数が増えやすい傾向があります。一方で、凍結胚移植を選ぶ場合は、採卵周期と移植周期を分けられるため、各周期の通院負担が抑えられるケースがあります。
凍結胚移植をホルモン補充周期で行う場合、内服薬や貼付薬の調整が必要となり、子宮内膜の厚さやホルモン値を確認するための来院が必要です。自然周期に比べると通院頻度が増えることがあります。
クリニックによって、採血や超音波検査が当日まとめて行えるか、または別日に案内されるかが異なります。検査を同日中に完結できる施設では通院が少なく済み、検査を別日に分ける施設では回数が増えやすい傾向があります。診療時間(早朝診療・夜間診療)の有無も両立しやすさに影響します。
これらの違いによって治療スケジュールが大きく変わるため、「自分の場合はどのくらい通う必要がありそうか」を事前に確認しておくことが安心につながります。
体外受精では通院が避けられないものの、働きながら治療を続けている人は多くいます。ここでは、実際に多くの人が取り入れている工夫を紹介します。
特に、採卵日は時間が必要になるため、事前に職場と相談しておくと安心です。
体外受精ではどうしても通院が必要になりますが、治療の進め方や選ぶ方法を工夫することで、負担を軽くできるケースがあります。ここでは、通院回数を少しでも抑えたい人に向けた現実的な工夫を紹介します。
薬剤を多く使う刺激周期では、卵胞の成長を頻繁に確認する必要があり、通院が多くなりがちです。一方で低刺激法や自然周期は、刺激が穏やかな分、診察の回数を減らせる可能性があります。卵巣の反応が良い人や、体質的に薬剤が強く効きやすい人には、無理のない選択肢になります。
AMH値が高い人や年齢が若い人の中には、刺激周期で複数の卵が採れるケースがあります。この場合、1回の採卵で複数の胚を凍結できるため、移植周期の通院は最小限に抑えられるというメリットがあります。結果として、長期的に見るとトータルの通院負担が減るケースもあります。
治療方針の確認や受精状況の説明など、来院しなくても対応できる内容は、電話やオンライン面談で完結させることが可能なクリニックも増えています。状況報告のためだけに来院する回数を減らせるため、仕事や育児との両立がしやすくなります。
採卵周期は通院が多くなる一方で、移植周期は比較的少ない来院で進められることが多いです。採卵周期で集中して通い、移植周期で負担を抑えるという考え方でスケジュールを組むことで、全体の負荷を軽減できます。
仕事や家庭の事情で通院がとくに難しい場合、あらかじめ医師に伝えておくことで、通院回数を抑えやすい治療法を提案してもらえることがあります。クリニックによっては早朝診療や土日診療に対応しているところもあり、生活スタイルに合った選択がしやすくなります。
このように、治療方法の選び方やクリニックへの相談の仕方によって、通院回数は大きく変わる可能性があります。無理のない形で続けられるよう、気になる点は事前に相談しておくことがおすすめです。
A:一般的には採卵周期のほうが通院が多いです。卵巣の発育状況に合わせて診察が必要になるため、採卵までに5〜7回の通院が必要になることがあります。
A:クリニックによりますが、受付から帰宅まで2〜4時間ほどかかることが多いです。麻酔を使うため、休憩時間も含めて余裕を持ったスケジュールが必要です。
A:精子採取を院内で行う場合は来院が必要です。ただし、事前採取した精子を凍結保存する方法を利用すれば、採卵日に必ずしも来院する必要はありません。
A:初診・採血・超音波検査などで2〜3回の通院が必要になることがあります。検査内容やクリニックの体制によって前後します。
体外受精では、1周期あたり5〜10回が通院の一般的な目安です。ただし、治療方法や体質、卵巣の反応、クリニックの診療体制によって実際の通院回数は大きく変わります。
あらかじめ通院の流れやスケジュールを把握しておくことで、不安はぐっと小さくなります。仕事や家庭との両立に悩む場合でも、オンライン説明や低刺激法の選択など柔軟な工夫で負担を減らすことが可能です。
まずは通ってみたいクリニックに相談し、自分の生活スタイルに合わせた無理のない治療計画を立てていきましょう。
不妊治療や生殖補助医療に関する高度な専門知識と技術を持つ「日本生殖医学会認定生殖医療専門医」が常勤で在籍しているクリニック・病院の中から、治療の目的別に優れた病院・クリニック3院をご紹介します(2025年3月調査時点)。
2001年からの不妊治療による累計妊娠数は3万人以上(2025年4月調査時点)※1。チーム医療による総合力で、35歳未満の方の体外受精(融解胚移植)による妊娠率は53.4%※2(2024年度実績)と全国平均の48.6%※3よりも高い実績です。
不妊治療に取り組む患者の妊娠しやすい身体作りをサポートするため、専門薬剤師(ウィメンズ漢方)によるオンライン漢方相談を実施。医師によるタイミング療法の指導などと合わせることで、できるだけ自然に近い治療で子どもを授かることができるよう尽力しています。
男性不妊に特化した日本生殖医学会認定生殖医療専門医が在籍する泌尿器科クリニック。男性不妊治療である精索静脈瘤に対する顕微鏡下手術、無精子症に対する顕微鏡下精巣精子回収術(micro-TESE)などの日帰り手術も可能で、忙しい方でもスケジュールの調整がしやすくなっています。
※1参照元:足立病院「数字でわかる足立病院」https://www.adachi-hospital.com/numbers/
※2参照元:足立病院「体外受精(凍結融解胚移植)による35歳未満の妊娠率(2024年度実績)」https://www.adachi-hospital.com/infertility/achievements/
※3参照元:日本産婦人科学会「ART臨床実施成績データ2022(PDF)」https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf