京で妊娠 京都の不妊治療ガイド » 不妊の原因について » 習慣性流産(不育症)の主な原因と4大リスク

習慣性流産(不育症)の主な原因と4大リスク

公開日: |最終更新日時:

目次

「妊娠はするけれど、流産を繰り返してしまう」。
この辛い状態は、決して偶然やあなたのせいだけではありません。医学的には、流産を2回繰り返す場合を「不育症(Recurrent Pregnancy Loss)」、3回以上繰り返す場合を「習慣性流産(Habitual Abortion)」と定義します。

流産自体は全妊娠の約15%に起こる自然な淘汰の側面もありますが、回数を重ねる場合、そこには治療可能な原因が隠れている可能性があります。この記事では、習慣性流産・不育症の4大原因(染色体・子宮・免疫・内分泌)を詳しく解説し、早期発見のためのセルフチェックや治療の選択肢についてご紹介します。

不育症・習慣性流産の原因:4つの大きな分類

習慣性流産の原因は多岐にわたり、一つの原因だけでなく複数が重なっていることもあります。WHOや日本生殖医学会の分類に基づき、主な4つの原因を見ていきましょう。

1. 染色体異常(最も多い原因)

流産の原因で最も多いのが、受精卵(胎児)の染色体異常です。流産全体の約60〜80%はこの偶発的な染色体異常によるものと言われています。

受精卵(胎児)側の異常
受精の過程で偶然起こるエラーです。これは誰にでも起こりうることであり、ご両親のどちらかに原因があるわけではありません。この場合、次回は正常に妊娠できる可能性が十分にあります。
夫婦(両親)側の異常
習慣性流産の方の約5%に、ご夫婦のどちらかに「均衡型転座」などの染色体構造異常が見つかることがあります。ご本人には健康上の問題はありませんが、卵子や精子が作られる際に染色体の過不足が生じやすくなり、流産率が高まる原因となります。

2. 子宮形態異常(着床と発育の問題)

子宮の形が生まれつき通常と異なる、あるいは筋腫などで変形していると、受精卵が着床しにくかったり、胎児が育つスペースが制限されたりして流産や早産のリスクが高まります。

  • 先天性の異常:子宮内腔に壁がある「中隔子宮」や、子宮がハート型になっている「双角子宮」など。特に中隔子宮は流産率が高いことが知られています。
  • 後天性の異常:「子宮筋腫(特に粘膜下筋腫)」や「子宮内膜ポリープ」、「子宮腔癒着症(アッシャーマン症候群)」などが、着床環境を悪化させる原因となります。

多くのケースで、子宮鏡手術などによる形態形成術を行うことで、妊娠継続率の改善が期待できます。

3. 抗リン脂質抗体症候群・血液凝固異常

自分の体を守るはずの免疫システムが誤作動し、血液が固まりやすくなってしまう病態です。

胎盤の周りの血管に血栓(血の塊)ができると、赤ちゃんに酸素や栄養が届かなくなり、流産や死産を引き起こします。治療可能な不育症の原因として最も重要であり、アスピリン療法やヘパリン療法によって、約80%以上の方が無事に出産できるようになっています。

4. 内分泌異常(ホルモンバランスの問題)

妊娠を維持するために必要なホルモン環境が整っていない状態です。

甲状腺機能異常
甲状腺ホルモンは胎児の発育に不可欠です。機能低下症(橋本病など)や亢進症(バセドウ病)があると、流産率が上昇します。
糖尿病・耐糖能異常
高血糖状態が続くと、胎児の染色体異常のリスクとは無関係に流産しやすくなることが分かっています。
黄体機能不全
妊娠維持に必要な「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の分泌が不足している状態です。

その他のリスク因子:生活習慣と環境

病的な原因以外にも、日々の生活習慣が妊娠継続のリスク因子となっている場合があります。

喫煙・アルコール・カフェイン

喫煙は血管を収縮させ、胎盤への血流を悪化させます。受動喫煙も含め、流産リスクを高める確実な要因です。過度なアルコール摂取やカフェインの摂りすぎも控えることが推奨されます。

加齢とストレス

女性の年齢とともに卵子の質が低下し、染色体異常の発生率が上がるため、自然流産率は上昇します。また、過度なストレスは自律神経やホルモンバランスを乱すため、心のケアも大切です。

「もしかして?」と思ったら…セルフチェック

不育症は特別な自覚症状がないことが多いですが、以下のような既往歴がある場合は専門的な検査をおすすめします。

習慣性流産・不育症チェックリスト
  • 妊娠はするが、2回以上連続して流産・死産した経験がある
  • 妊娠10週以降に、胎児心拍確認後の流産をしたことがある
  • 血縁者に、流産を繰り返している人がいる
  • 月経不順や、月経量が極端に多い・少ない
  • 手足が冷えやすく、血行が悪いと感じる
  • 過去に血栓症(静脈瘤やエコノミークラス症候群など)を起こしたことがある
  • 甲状腺の病気や糖尿病の指摘を受けたことがある

検査と治療の流れ

不育症の検査は、まず原因を特定することから始まります。

主な検査項目

  • 血液検査:抗リン脂質抗体、甲状腺ホルモン、血糖値、血液凝固因子などを調べます。
  • 超音波検査・子宮卵管造影:子宮の形や筋腫の有無を確認します。
  • 染色体検査(夫婦):血液採取により、ご夫婦の染色体構造(転座など)を調べます。※遺伝カウンセリングが必要です。
  • POC(流産絨毛染色体検査):流産手術の際、胎児の染色体を調べることで、原因が「偶発的なもの」だったのかを判断する重要な検査です。

原因に応じた治療法

原因が特定できた場合、適切な治療を行うことで出産率は大きく向上します。

  • 低用量アスピリン・ヘパリン療法:抗リン脂質抗体症候群の場合に行われ、血液をサラサラにして血栓を防ぎます。
  • 子宮形成術:中隔子宮や子宮筋腫の場合、手術で子宮環境を整えます。
  • ホルモン補充療法:甲状腺機能異常や糖尿病のコントロール、黄体ホルモンの補充を行います。
  • テンダーラビングケア(TLC):原因不明の場合でも、頻回な診察や精神的なサポート(TLC)を受けることで、妊娠成功率が上がることが実証されています。

まとめ:ひとりで抱え込まず、専門医へ相談を

流産は心身ともに深い悲しみをもたらしますが、不育症の方の約85%は、最終的に赤ちゃんを授かることができるというデータがあります。

「原因不明」と言われることもありますが、それは「今の医学で特定できないだけ」であり、次回の妊娠がうまくいかないという意味ではありません。適切な検査とリスク管理を行うことで、元気な赤ちゃんを抱ける可能性は十分にあります。まずは専門のクリニックで相談してみてください。

京都にある不妊治療の
クリニック・病院
おすすめ3選

不妊治療や生殖補助医療に関する高度な専門知識と技術を持つ「日本生殖医学会認定生殖医療専門医」が常勤で在籍しているクリニック・病院の中から、治療の目的別に優れた病院・クリニック3院をご紹介します(2025年3月調査時点)。

体外受精の
相談をするなら
足立病院 生殖医療センター
足立病院 生殖医療センター
引用元:足立病院 生殖医療センター公式HP
(https://www.adachi-hospital.com/infertility/)
おすすめの理由

2001年からの不妊治療による累計妊娠数は3万人以上(2025年4月調査時点)※1。チーム医療による総合力で、35歳未満の方の体外受精(融解胚移植)による妊娠率は53.4%※2(2024年度実績)と全国平均の48.6%※3よりも高い実績です。

妊娠しやすい身体づくりの
相談をするなら
田村秀子婦人科医院
田村秀子婦人科医院
引用元:田村秀子婦人科医院公式HP
(https://tamura-hideko.com/)
おすすめの理由

不妊治療に取り組む患者の妊娠しやすい身体作りをサポートするため、専門薬剤師(ウィメンズ漢方)によるオンライン漢方相談を実施。医師によるタイミング療法の指導などと合わせることで、できるだけ自然に近い治療で子どもを授かることができるよう尽力しています。

男性不妊治療の
相談をするなら
いちおか泌尿器科クリニック
いちおか泌尿器科クリニック
引用元:いちおか泌尿器科クリニック公式HP
(https://ichioka-urological-clinic.com/)
おすすめの理由

男性不妊に特化した日本生殖医学会認定生殖医療専門医が在籍する泌尿器科クリニック。男性不妊治療である精索静脈瘤に対する顕微鏡下手術、無精子症に対する顕微鏡下精巣精子回収術(micro-TESE)などの日帰り手術も可能で、忙しい方でもスケジュールの調整がしやすくなっています。

※1参照元:足立病院「数字でわかる足立病院」https://www.adachi-hospital.com/numbers/
※2参照元:足立病院「体外受精(凍結融解胚移植)による35歳未満の妊娠率(2024年度実績)」https://www.adachi-hospital.com/infertility/achievements/
※3参照元:日本産婦人科学会「ART臨床実施成績データ2022(PDF)」https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf