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不妊治療を考えているご夫婦にとって、治療と仕事の両立は多くの方にとって避けられない課題です。体外受精は、採卵や胚移植など、いくつかの段階を経て行われるため、ある程度の通院や安静が必要です。
体外受精を行う際に必要な仕事の休みについて、治療方法や体のサイクルとの関連性、そして仕事が休めない場合の対処法などをご紹介します。
体外受精を行う場合、仕事の休みは必要です。
体外受精は、一般的に以下のステップで進められますが、いずれも通院しなければなりません。
特に採卵日と胚移植日は、処置そのものに加えて、前後の準備や安静期間を考慮すると、仕事を休むことが望ましいです。
しかし、厚生労働省が委託したアンケート調査によると、不妊治療経験者のうち、仕事と両立できずに不妊治療をやめたり雇用形態を変えたりした方が49.3%に上りました(※)。この結果から、不妊治療を行うには何度か休みを取らざるを得ないものの、仕事との両立がいかに難しいかが伺えます。
体外受精には、いくつかの治療方法があり、選ぶ方法によって、必要な通院回数や休暇の取り方が異なります。
自然周期法では、薬剤を用いずに自然に成熟した卵胞を採卵します。通院回数は月経開始後に2~3回程度で、採卵日前後には1~2日程度の休暇を取るのが望ましいです。それ以外の日程は半日休や時間休での調整が可能です。
低刺激法では、内服薬や少量の注射で卵巣を穏やかに刺激します。通院回数は月経開始後に5~7回程度で、採卵および胚移植時には2~3日程度の休暇を、その他の診察日は半日~1日程度の休暇をおすすめします。
高刺激法では、連日注射を行い多数の卵胞を育成します。通院回数は月経開始後に5~8回程度で、採卵および胚移植には2~3日程度の休暇を取りましょう。加えて、追加の検査日には1日程度の休暇を取ると安心です。
体外受精は、女性の月経周期(体のサイクル)に合わせて治療を進めるため、事前に正確なスケジュールを立てにくい側面があります。特に、卵胞の発育状況は個人差が大きく、またその時々の体調によっても左右されるため、予定していたよりも通院日が増えたり、急遽変更になったりすることも少なくありません。
体外受精の治療スケジュールは月経周期に合わせて進行するため、あらかじめ全体の流れを把握しておきましょう。
スケジュールは体調や医師の判断、クリニックの方針により前後する場合があります。
体外受精の治療を進める上で、仕事との両立は多くの人が直面する課題です。どうしても仕事が休めない、休みを取りづらいという状況もあるかもしれません。そのような場合の対処法をご紹介します。
職場に不妊治療について伝えるかどうか、いつ、誰に、どこまで伝えるかは非常にデリケートな問題です。すべての方に伝える必要はありませんが、少なくとも上司と人事担当者には伝えておくと良いでしょう。
業務に支障が出そうな場合は、事前に同僚にも相談し、業務調整の協力を得られる体制を作っておくと安心です。日頃からコミュニケーションを密にし、良好な関係を築いておくと相談しやすくなります。
近年、不妊治療と仕事の両立を支援する企業の取り組みも増えています。所属している企業に利用可能な福利厚生や勤務制度があれば、上司や人事担当者に相談の上で活用しましょう。
平日の日中に休みを取りにくい場合は、夜間診療や土日診療を行っているクリニックを選ぶと仕事との両立がしやすくなります。職場の近くや通勤経路上にあるクリニックは、通院時間を短縮できます。
不妊治療は夫婦で取り組むものです。パートナーにも治療への理解を深めてもらい、通院の付き添いや家事の分担など積極的に協力してもらうことは、精神的な支えにもなります。治療の進捗状況や体調の変化などを共有し、2人で協力して乗り越えましょう。
仕事の状況を医師に伝え、可能な範囲で治療スケジュールを調整してもらえないか相談してみましょう。注射のために頻繁に通院するのが難しい場合は、自己注射を選択することで通院回数を減らせる可能性があるため、医師に相談してみるのもおすすめです。
A:はい、体外受精では一定回数の通院や処置が必要になるため、仕事を休む場面は避けられません。特に採卵日や胚移植日は、処置前後の安静も考慮すると、1日または複数日の休暇を取ることが望ましいとされています。
A:一般的には自然周期法が最も通院回数が少ない傾向があります。低刺激法、高刺激法になるにつれて通院回数や休暇の必要日数は増えやすくなります。ただし、体質や治療目的によって適した方法は異なるため、必ずしも「休みが少ない方法=最適」とは限りません。
A:採卵や胚移植は医療処置を伴い、身体的な負担や処置後の安静が必要になるためです。採卵後は腹部の違和感や痛みが出ることがあり、胚移植後も無理を避けたほうが安心とされています。そのため、当日だけでなく前後に休みを確保できるとより安全です。
A:体外受精は月経周期や卵胞の発育状況に合わせて治療が進むため、採卵日などが直前まで確定しないことがあります。その結果、予定していたスケジュールが急に変更になり、通院日や休暇が増えるケースも少なくありません。
A:まずは職場に無理のない範囲で相談し、休暇制度やフレックス、テレワークなどを活用できないか確認しましょう。また、夜間・土日診療に対応しているクリニックを選ぶ、自己注射で通院回数を減らすなどの工夫も有効です。パートナーや医師と連携しながら、現実的な治療スケジュールを立てることが大切です。
体外受精は治療スケジュールが体の状態に左右されるため、仕事との両立には工夫が必要です。特に採卵日や胚移植日は休みを確保するのが望ましく、治療法によって通院頻度も異なります。
仕事が休めない場合でも、福利厚生や勤務制度の活用、通いやすいクリニックの選択、パートナーや職場との連携を工夫すると、治療と仕事を無理なく両立させることが可能です。
体外受精の相談や対応が可能なクリニックは、ぜひこちらからチェックしてみてください。
不妊治療や生殖補助医療に関する高度な専門知識と技術を持つ「日本生殖医学会認定生殖医療専門医」が常勤で在籍しているクリニック・病院の中から、治療の目的別に優れた病院・クリニック3院をご紹介します(2025年3月調査時点)。
2001年からの不妊治療による累計妊娠数は3万人以上(2025年4月調査時点)※1。チーム医療による総合力で、35歳未満の方の体外受精(融解胚移植)による妊娠率は53.4%※2(2024年度実績)と全国平均の48.6%※3よりも高い実績です。
不妊治療に取り組む患者の妊娠しやすい身体作りをサポートするため、専門薬剤師(ウィメンズ漢方)によるオンライン漢方相談を実施。医師によるタイミング療法の指導などと合わせることで、できるだけ自然に近い治療で子どもを授かることができるよう尽力しています。
男性不妊に特化した日本生殖医学会認定生殖医療専門医が在籍する泌尿器科クリニック。男性不妊治療である精索静脈瘤に対する顕微鏡下手術、無精子症に対する顕微鏡下精巣精子回収術(micro-TESE)などの日帰り手術も可能で、忙しい方でもスケジュールの調整がしやすくなっています。
※1参照元:足立病院「数字でわかる足立病院」https://www.adachi-hospital.com/numbers/
※2参照元:足立病院「体外受精(凍結融解胚移植)による35歳未満の妊娠率(2024年度実績)」https://www.adachi-hospital.com/infertility/achievements/
※3参照元:日本産婦人科学会「ART臨床実施成績データ2022(PDF)」https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf