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20代といえば、一般的には妊娠しやすい適齢期。「体外受精ならすぐに授かるはず」と信じて始めたのに、期待した結果が出ない…。そんな時、「自分だけがおかしいのではないか」と深い孤独や焦りを感じてしまうかもしれません。
しかし、20代であっても体外受精で妊娠に至らないケースは、決して珍しいことではありません。
このコラムでは、なぜうまくいかないのかの医学的な背景や、今ある不安を解消して次の一歩を踏み出すための具体的な視点を整理してお伝えします。
「若いから大丈夫」という周囲の声や一般的なイメージが、かえってプレッシャーになっていませんか。体外受精は、年齢が重要な要素であることは間違いありませんが、年齢だけで全ての結果が決まるわけではありません。
20代であっても、数回の移植を経てようやく妊娠に至るケースは一定数存在します。一度や二度の失敗で「自分はダメだ」と決めつける必要はありません。まずは「うまくいかないこともある」という現実を知り、自分だけが取り残されているわけではないと心を落ち着けることから始めましょう。
受精卵(胚)のグレードが良いと期待が高まりますが、見た目が良好でも、染色体や遺伝子レベルでの課題を抱えている場合があります。「20代=必ず質の良い胚ができる」とは限らず、その周期の体調や刺激法との相性によっても胚の質は変動します。
良好な胚を戻しても着床しない場合、子宮内環境に原因がある可能性があります。子宮内膜ポリープや粘膜下筋腫、あるいは自覚症状のない「慢性子宮内膜炎」などが着床を妨げているケースです。これらは専門的な検査を行わないと発見できないことが多いです。
「新鮮胚移植」か「凍結胚移植」か、あるいは移植する時期(着床の窓)が合っているかどうかも重要です。また、ホルモン補充周期か自然周期かといった薬剤の使い方が、体に合っていない可能性もあります。
意外と見落とされがちなのが男性側の要因です。精液検査の数値(数や運動率)が基準内であっても、精子のDNAに損傷がある場合などは、受精後の発育や着床に影響を与えることがあります。不妊治療はカップルの治療であり、女性側だけの問題ではないという視点が大切です。
回数を重ねても結果が出ない時、ただ漫然と同じ治療を繰り返していないか確認が必要です。重要なのは回数そのものよりも、「前回と違うアプローチができているか」です。以下のポイントをチェックしてみてください。
なかなか結果が出ないと焦る気持ちは痛いほど分かりますが、20代には「時間」という最大の味方がいます。年齢的な猶予があることは、治療において大きなアドバンテージです。
焦ってやみくもに回数を重ねるよりも、一度立ち止まって原因を調べたり、心身を休めたりする余裕を持てるのは20代ならではの特権とも言えます。仕事や生活、そして何よりご自身のメンタルを守りながら進めることも、長い目で見れば立派な治療の一部です。
今の刺激法や移植方法がベストなのか、医師と相談しましょう。例えば、新鮮胚移植を繰り返しているなら凍結胚移植へ切り替える、ホルモン補充の方法を変えるなど、条件を変えることで結果が変わることがあります。
まだ行っていない検査があれば検討しましょう。子宮内の詳細な検査(CD138検査など)や、ご主人の詳細な検査を追加することで、隠れていた原因が見つかり、突破口が開けることがあります。
転院を考えることも一つの選択肢です。転院は「逃げ」や「失敗」ではありません。クリニックによって得意とする治療法や培養技術、医師の方針は異なります。別の視点で診てもらうことで、今まで気づかなかった課題が見えてくることも少なくありません。
20代で難航している場合、病院選びの視点を変えてみるのも手です。
A:異常ではありません。20代でも複数回の治療が必要なケースは一般的です。個人差が大きいので、焦らず原因を探ることが大切です。
A:2〜3回同じ条件で移植しても結果が出ない場合は、詳細な検査や治療方針の大幅な見直し、あるいはセカンドオピニオンを検討する良いタイミングと言えます。
A:もちろんです。治療疲れを感じたら、一度リセット期間を設けることで、心身ともに良い状態で次の治療に臨めるようになります。
A:不妊の原因は複雑で、女性側だけにあるとは限りません。また、原因不明のケースもあります。自分を責めるのではなく、「ふたりの課題」として捉え直しましょう。
思うような結果が出ないと、どうしても「失敗した」と感じてしまうかもしれません。しかし、今はまだゴールに向かう途中経過に過ぎません。うまくいかなかった経験も、次の成功率を高めるための大切なデータになります。
一人で抱え込まず、パートナーや信頼できる医療機関と相談しながら、あなたたちが納得できる治療の形を見つけていってください。
不妊治療や生殖補助医療に関する高度な専門知識と技術を持つ「日本生殖医学会認定生殖医療専門医」が常勤で在籍しているクリニック・病院の中から、治療の目的別に優れた病院・クリニック3院をご紹介します(2025年3月調査時点)。
2001年からの不妊治療による累計妊娠数は3万人以上(2025年4月調査時点)※1。チーム医療による総合力で、35歳未満の方の体外受精(融解胚移植)による妊娠率は53.4%※2(2024年度実績)と全国平均の48.6%※3よりも高い実績です。
不妊治療に取り組む患者の妊娠しやすい身体作りをサポートするため、専門薬剤師(ウィメンズ漢方)によるオンライン漢方相談を実施。医師によるタイミング療法の指導などと合わせることで、できるだけ自然に近い治療で子どもを授かることができるよう尽力しています。
男性不妊に特化した日本生殖医学会認定生殖医療専門医が在籍する泌尿器科クリニック。男性不妊治療である精索静脈瘤に対する顕微鏡下手術、無精子症に対する顕微鏡下精巣精子回収術(micro-TESE)などの日帰り手術も可能で、忙しい方でもスケジュールの調整がしやすくなっています。
※1参照元:足立病院「数字でわかる足立病院」https://www.adachi-hospital.com/numbers/
※2参照元:足立病院「体外受精(凍結融解胚移植)による35歳未満の妊娠率(2024年度実績)」https://www.adachi-hospital.com/infertility/achievements/
※3参照元:日本産婦人科学会「ART臨床実施成績データ2022(PDF)」https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf