子宮内膜症による不妊

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子宮内膜症は、20代から40代の女性の約10%に認められる疾患ですが、不妊症を抱える女性においてはその割合が高まり、不妊症の方の約30〜50%に子宮内膜症が見つかると言われています。つまり、子宮内膜症は「不妊の最大の原因」の一つです。

しかし、子宮内膜症があっても自然妊娠する方は多く、一方で「軽症の内膜症」でもなかなか妊娠に至らない方もいます。この記事では、子宮内膜症がなぜ不妊を招くのか、その複雑なメカニズムと、最新のガイドラインに基づいた治療の優先順位について詳しく解説します。

子宮内膜症が不妊の原因となる:4つの主な要因

子宮内膜症による不妊の原因は多岐にわたりますが、主に「物理的な障害」と「腹腔内環境の変化」の2つの側面から考える必要があります。まずは、自分の体がどのような状態にある可能性が高いのかを知ることが第一歩です。

1. ピックアップ障害(癒着による物理的要因)

子宮内膜症の中で最も多く見られる原因です。内膜症組織が腹膜や卵巣で炎症を起こし、周囲の臓器と「癒着(くっついてしまうこと)」を引き起こします。

  • 卵管の癒着:卵管が癒着によって固定されたり、ねじれたりすると、卵巣から飛び出した卵子をうまく取り込めなくなる「ピックアップ障害」が起こります。
  • 卵管の閉塞:重症化すると卵管そのものが塞がってしまい、精子と卵子が出会えなくなります。

2. チョコレート嚢胞と卵巣機能への影響

卵巣の中に古い月経血が溜まる「チョコレート嚢胞」ができると、卵巣の健康な組織が圧迫されます。

チョコレート嚢胞による機能低下

嚢胞周囲の慢性的な炎症や酸化ストレスによって、卵子の質が低下しやすくなります。また、AMH(卵巣予備能)の値が低下するケースも多く、残された妊娠可能な期間に影響を与えるため、早期の治療介入が重要です。

3. 腹腔内の環境悪化(炎症性サイトカイン)

癒着がない「軽症」の内膜症でも不妊になる理由として、お腹の中(腹腔内)の環境変化が挙げられます。内膜症組織から分泌される炎症物質(サイトカインなど)が、以下のプロセスに悪影響を与えます。

  • 精子の運動率や受精能力の低下
  • 受精卵の分割や発育の阻害
  • 着床を妨げる免疫異常の誘発

4. 性機能への影響(性交痛)

子宮内膜症は、性交時に奥の方が痛む「性交痛」を伴うことが多くあります。これにより、妊娠のために最も重要なタイミング(性交渉)の回数が減少してしまうことも、不妊の間接的かつ無視できない原因となります。

「もしかして?」と思ったら…セルフチェック

子宮内膜症は進行性の病気です。見た目や一般的な体調だけでは判断しにくいため、以下のチェックリストに一つでも当てはまる場合は、早めの受診をお勧めします。

子宮内膜症セルフチェックリスト
  • 生理痛が非常に強く、市販の鎮痛剤が手放せない
  • 年々、生理痛の痛みが増してきていると感じる
  • 生理中以外にも下腹部痛や腰痛を感じることがある
  • 性交時、特にお腹の奥の方に突き上げるような痛みがある
  • 排便時に肛門の奥が痛む(排便痛)がある
  • 避妊せずに半年以上経過しているが、一度も妊娠反応がない

まずはここから!検査と診断の流れ

子宮内膜症の有無や程度を確認するための検査は、基本的には身体への負担が少ないものから行われます。

超音波検査(エコー)

経膣エコーにより、卵巣にチョコレート嚢胞があるか、子宮が肥大していないか(子宮腺筋症の併発)を確認します。もっとも一般的かつ重要な検査です。

血液検査(CA125)

腫瘍マーカーである「CA125」の値を調べます。子宮内膜症があるとこの値が高くなる傾向があり、診断の補助や治療効果の判定に用いられます。

AMH検査(卵巣予備能検査)

卵巣に残っている卵子の数の目安を調べます。子宮内膜症(特にチョコレート嚢胞)がある方は値が低い傾向にあるため、今後の治療のスピード感を決めるための必須の検査と言えます。

原因に合わせた治療と選択の基準

かつては「まず手術をしてから」が一般的でしたが、現在は「年齢」と「卵巣予備能」を考慮したスピード重視の治療が主流です。

生殖補助医療(体外受精)の優先

35歳以上の方やAMHが低い方の場合、手術を優先して時間をかけるよりも、早めに体外受精へステップアップすることが推奨されます。癒着や環境悪化という「障害」を高度な医療技術で飛び越えることが、最短の妊娠への近道となるためです。

手術療法(腹腔鏡手術)

チョコレート嚢胞が5〜6cm以上と大きい場合や、激しい痛みがある場合に行われます。病巣を除去することで、術後の自然妊娠率が一時的に向上することが期待できます。ただし、卵巣機能が低下するリスクも併せ持つため、専門医との慎重な相談が必要です。

まとめ:子宮内膜症に向き合い、後悔しない選択を

不妊治療は「時間との勝負」という側面があります。特に進行性である子宮内膜症を抱えている場合、その一歩一歩の判断が将来を左右します。大切なのは、病状を正しく知り、お二人のライフプランに合った最適な方法を選択することです。

「自分は大丈夫」と思い込まず、少しでも不安や痛みがあれば、不妊治療の専門クリニックで一度相談してみてください。その一歩が、お二人の未来を大きく変えるきっかけになるはずです。

病状とライフプランに寄り添う「後悔しない病院選び」を

子宮内膜症を合併した不妊治療は、非常にデリケートな判断が求められます。単に「家から近いから」という理由だけでなく、以下の視点でクリニックを検討することが重要です。

  • チョコレート嚢胞の温存か手術か、メリット・デメリットを丁寧に説明してくれるか
  • 内膜症の状態に合わせ、最適な排卵誘発法(刺激法)を提案してくれるか
  • 手術が必要な場合、提携病院へのスムーズな連携や術後のフォローアップがあるか

当サイトでは、「子宮内膜症を抱えながら、最短ルートでの妊娠を目指す方」へ向けて、際立った特徴を持つ3つの不妊治療クリニックを厳選して紹介しています。それぞれの専門性や強みを比較し、お二人の未来を託せるパートナーを見つけるためにお役立てください。

京都にある不妊治療の
クリニック・病院
おすすめ3選

不妊治療や生殖補助医療に関する高度な専門知識と技術を持つ「日本生殖医学会認定生殖医療専門医」が常勤で在籍しているクリニック・病院の中から、治療の目的別に優れた病院・クリニック3院をご紹介します(2025年3月調査時点)。

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足立病院 生殖医療センター
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引用元:足立病院 生殖医療センター公式HP
(https://www.adachi-hospital.com/infertility/)
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田村秀子婦人科医院
田村秀子婦人科医院
引用元:田村秀子婦人科医院公式HP
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いちおか泌尿器科クリニック
引用元:いちおか泌尿器科クリニック公式HP
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男性不妊に特化した日本生殖医学会認定生殖医療専門医が在籍する泌尿器科クリニック。男性不妊治療である精索静脈瘤に対する顕微鏡下手術、無精子症に対する顕微鏡下精巣精子回収術(micro-TESE)などの日帰り手術も可能で、忙しい方でもスケジュールの調整がしやすくなっています。

※1参照元:足立病院「数字でわかる足立病院」https://www.adachi-hospital.com/numbers/
※2参照元:足立病院「体外受精(凍結融解胚移植)による35歳未満の妊娠率(2024年度実績)」https://www.adachi-hospital.com/infertility/achievements/
※3参照元:日本産婦人科学会「ART臨床実施成績データ2022(PDF)」https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf