年齢別に見る胚盤胞到達率とは?

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体外受精で採卵したあと、「受精はしたのに胚盤胞まで育たなかった」「採卵数のわりに胚盤胞が少なかった」と不安になる方は少なくありません。

胚盤胞到達率は、体外受精で得られた受精卵がどのくらい胚盤胞まで育ったかを見る指標です。胚盤胞まで育った胚は、凍結胚移植や着床の可能性を考えるうえで重要な情報になります。

ただし、胚盤胞まで育つかどうかは、年齢だけで決まるものではありません。卵子の状態、精子の状態、受精方法、培養環境、卵巣刺激法、その周期の体調など、複数の要因が関係します。

この記事では、胚盤胞到達率の基本、年齢別の考え方、胚盤胞まで育たないときに確認したいポイント、次周期で見直したいことを解説します。

胚盤胞到達率とは?

胚盤胞到達率とは、受精卵が胚盤胞まで育った割合を指します。

体外受精では、採卵した卵子に精子を受精させ、その後、培養室で数日間育てます。受精卵は分割を繰り返し、一定の段階まで発育すると胚盤胞と呼ばれる状態になります。

胚盤胞まで育った胚は、凍結保存や胚移植の候補になります。ただし、採卵したすべての卵子が胚盤胞まで育つわけではありません。

胚盤胞とは受精卵が培養5〜6日目ごろまで育った状態

胚盤胞とは、受精卵が培養5〜6日目ごろまで発育した状態を指します。

採卵後、卵子と精子が受精すると、受精卵は2分割、4分割、8分割と細胞分裂を繰り返します。その後、順調に発育すると、内細胞塊、栄養外胚葉、胞胚腔と呼ばれる構造を持つ胚盤胞になります。

胚盤胞まで育った胚は、子宮内に戻す胚移植や、凍結保存の対象になります。近年では、胚盤胞まで培養してから凍結し、別周期で凍結胚移植を行う方法も広く行われています。

一方で、胚盤胞まで培養する途中で発育が止まる胚もあります。これは珍しいことではなく、卵子や精子、受精後の発育、培養環境など複数の要因が関係します。

胚盤胞到達率はどの段階を分母にするかで変わる

胚盤胞到達率は、どの段階を分母にするかによって意味が変わります。

たとえば、「採卵数に対する胚盤胞数」なのか、「成熟卵数に対する胚盤胞数」なのか、「正常受精卵数に対する胚盤胞数」なのかで、見えてくる内容が異なります。

分母 見ている内容
採卵数 採れた卵子全体から胚盤胞まで育った割合
成熟卵数 受精可能な成熟卵から胚盤胞まで育った割合
正常受精卵数 受精した胚のうち胚盤胞まで育った割合
培養継続胚数 胚盤胞培養に進めた胚のうち育った割合

たとえば、採卵数が10個でも、成熟卵が6個、正常受精が4個、胚盤胞が2個であれば、どこを分母にするかで到達率の見え方が変わります。

そのため、クリニックの「胚盤胞到達率○%」という数字だけで単純に比較するのは注意が必要です。患者の年齢層、採卵数、受精方法、胚盤胞培養に進める基準などが異なるためです。

自分の結果を見るときは、採卵数、成熟卵数、受精数、胚盤胞数を分けて確認しましょう。

胚盤胞到達率だけで妊娠率は決まらない

胚盤胞まで育つことは、体外受精において重要なポイントです。

しかし、胚盤胞到達率だけで妊娠率が決まるわけではありません。胚盤胞のグレード、染色体の状態、子宮内膜の状態、移植方法、ホルモン環境なども妊娠に関係します。

胚盤胞が複数できても妊娠しないことがあります。一方で、胚盤胞の数が少なくても、その胚で妊娠につながることもあります。

胚盤胞到達率は、妊娠の可能性を考える材料のひとつです。到達率の数字だけで一喜一憂しすぎず、採卵から移植までの流れ全体を見て、次の治療方針を考えることが大切です。

胚盤胞到達率は年齢でどう変わる?

胚盤胞到達率は、年齢の影響を受けることがあります。

年齢が上がると、卵子の数だけでなく、卵子の質にも変化が起こりやすくなります。その結果、受精後の胚発育や胚盤胞到達率に影響が出ることがあります。

ただし、胚盤胞到達率は年齢だけで決まるものではありません。卵子の状態、精子の状態、受精方法、培養方針、卵巣刺激法なども関係します。

年齢が上がると胚発育に影響が出やすい

年齢が上がると、胚の発育に影響が出やすくなります。

加齢に伴って卵子の質が変化すると、受精しにくくなったり、受精後に分割が止まったり、胚盤胞まで育ちにくくなったりすることがあります。また、胚盤胞まで育った場合でも、染色体異常の割合が高くなりやすく、着床しない、妊娠しても流産するという結果につながることがあります。

ただし、年齢が若ければ必ず胚盤胞まで育つわけではありません。20代や30代前半でも、精子側の要因、受精方法、培養環境、卵巣刺激法、PCOSなどの背景によって、胚盤胞まで育ちにくいことがあります。

胚盤胞到達率を見るときは、年齢だけでなく、どの段階で発育が止まったのかを確認することが大切です。

20代〜30代前半:胚盤胞まで育つ可能性を比較的期待しやすい

20代から30代前半では、年齢による卵子の質への影響は比較的少ないと考えられます。

そのため、採卵後に胚盤胞まで育つ可能性は比較的期待しやすい年代です。ただし、採卵した卵子がすべて胚盤胞になるわけではありません。

若い年代で胚盤胞まで育たない場合は、卵子だけでなく、精子側の要因、受精方法、成熟卵の割合、培養方針、卵巣刺激法などを確認することが大切です。

たとえば、採卵数は多いものの未成熟卵が多い場合は、採卵のタイミングや卵巣刺激法を見直すことがあります。受精しにくい場合は、通常の体外受精ではなく顕微授精を検討することもあります。

若いから問題ない、若いのに胚盤胞まで育たないのはおかしい、と決めつける必要はありません。結果を分解して、どの段階に課題がありそうかを確認しましょう。

35歳以降:胚盤胞到達率と染色体異常を意識し始める

35歳以降では、胚盤胞到達率とともに、胚の染色体異常や流産率も意識する必要があります。

35歳を過ぎると、妊娠率の低下や流産率の上昇が意識されやすくなります。胚盤胞まで育ったとしても、すべての胚が妊娠につながるわけではありません。

そのため、35歳以降では、胚盤胞まで育った数だけでなく、胚のグレード、これまでの移植結果、流産歴なども合わせて治療方針を考えます。

また、タイミング法や人工授精から体外受精へ進むタイミングとも関係します。年齢を考えると、胚盤胞まで育つかどうかを早めに確認するために、体外受精へステップアップする選択が検討されることもあります。

採卵結果を見て、卵巣刺激法、受精方法、培養方針、移植方法を医師や胚培養士と相談しましょう。

38歳以降:採卵数・成熟卵数・胚盤胞到達数をセットで見る

38歳以降では、採卵数、成熟卵数、正常受精数、胚盤胞到達数をセットで見ることが大切です。

この年代では、採卵数が少なくなりやすい方もいます。採卵数が少なければ、胚盤胞まで育つ胚の数も少なくなりやすくなります。

ただし、胚盤胞数が少ない理由は、採卵数が少ないからなのか、成熟卵が少ないからなのか、受精しにくいからなのか、受精後に発育が止まるからなのかによって異なります。

たとえば、採卵数は十分でも成熟卵が少ない場合は、採卵タイミングや卵巣刺激法を見直すことがあります。受精数が少ない場合は、受精方法や精子側の検査を検討します。正常受精しても胚盤胞まで育たない場合は、卵子の質、精子の質、培養方針などを含めて相談します。

38歳以降では、1回の採卵結果だけで結論を出すのではなく、次周期に何を見直すかを具体的に確認することが大切です。

40代:胚盤胞到達率だけでなく移植後の流産率も考える

40代では、胚盤胞到達率だけでなく、移植後の妊娠率や流産率も含めて考える必要があります。

40代では、胚盤胞まで育つ胚が少なくなりやすい傾向があります。また、胚盤胞まで育ったとしても、染色体異常の影響で着床しない、妊娠しても流産する可能性が高くなりやすいとされています。

そのため、40代では「胚盤胞ができたか」だけでなく、「移植するか」「採卵を続けるか」「凍結胚を貯めるか」「PGT-Aを相談するか」「自費治療をどこまで続けるか」といった判断も必要になります。

41歳・42歳では、体外受精の保険適用の年齢条件や回数制限も確認しましょう。43歳以降では、体外受精や顕微授精が原則として保険適用外となるため、自費治療の負担も大きな判断材料になります。

結果が厳しい場合でも、すぐに諦めるかどうかを一人で決める必要はありません。医師、胚培養士、必要に応じてセカンドオピニオンやカウンセリングも活用しながら、治療方針を整理しましょう。

年齢別の考え方まとめ

胚盤胞到達率は、年齢と関係しますが、年齢だけで決まるものではありません。

以下は、年齢別に見た大まかな考え方です。

年齢 胚盤胞到達率の考え方 確認したいこと
20代 年齢影響は比較的少ない 精子・受精方法・培養条件
30代前半 比較的期待しやすいが個人差あり 採卵数・成熟卵数・受精数
35〜37歳 胚発育と染色体異常を意識 刺激法・培養方針・移植方針
38〜39歳 胚盤胞数が少なくなりやすい 採卵数不足か発育停止か
40〜42歳 胚盤胞到達後の妊娠継続も課題 流産率・PGT-A・自費負担
43歳以降 厳しい結果も想定し相談 採卵継続・移植優先・区切り

年齢が上がるほど、胚盤胞到達率だけでなく、その後の移植、妊娠継続、流産率、自費治療の負担まで含めて治療方針を考えることが大切です。

採卵後、胚盤胞まで育たない理由

採卵後に胚盤胞まで育たないと、「自分の卵子が悪いのでは」と感じてしまう方もいます。

しかし、胚盤胞まで育たない理由はひとつではありません。採卵数、成熟卵数、受精率、精子の状態、培養環境、卵巣刺激法など、複数の要因が関係します。

ここでは、よく確認されるポイントを整理します。

採卵数が少ない

胚盤胞まで育つ胚の数は、採卵数の影響を受けます。

採卵した卵子がすべて成熟し、すべて受精し、すべて胚盤胞まで育つわけではありません。そのため、採卵数が少ない場合は、胚盤胞まで育つ胚の数も少なくなりやすくなります。

採卵数が少ない背景には、年齢、AMHの低下、卵巣刺激への反応、卵胞数の少なさなどがあります。低刺激法を選んでいる場合は、もともと採卵数が少なくなることもあります。

ただし、採卵数が少ないからといって、妊娠の可能性がないわけではありません。1個の卵子から良好胚が得られ、妊娠につながることもあります。

採卵数が少ない場合は、次周期で刺激法を変更するか、採卵を複数回行って胚を貯めるか、移植を優先するかを医師と相談しましょう。

成熟卵が少ない

採卵数と成熟卵数は同じではありません。

採卵で卵子が複数個得られても、その中に未成熟卵が多い場合、受精に使える卵子は少なくなります。成熟卵が少ないと、受精数や胚盤胞数も少なくなりやすくなります。

未成熟卵が多い場合は、採卵のタイミング、卵巣刺激法、トリガーの種類やタイミングを見直すことがあります。PCOSなどで卵胞数が多い方でも、成熟卵の割合にばらつきが出ることがあります。

採卵結果を見るときは、採卵数だけでなく、成熟卵が何個あったかを確認しましょう。

受精しにくい・受精後に分割が止まる

胚盤胞まで育たない理由として、受精しにくい、または受精後に分割が止まるケースもあります。

通常の体外受精では、卵子と精子を同じ培養液の中で出会わせて受精を待ちます。一方、顕微授精では、精子を1つ選び、卵子の中に直接注入します。

通常の体外受精で受精率が低い場合は、次回から顕微授精を検討することがあります。精子の数や運動率に問題がある場合、精子の質に課題がある場合も、受精や胚発育に影響することがあります。

正常に受精しても、2分割、4分割、8分割の途中で発育が止まることもあります。どの段階で発育が止まったのかを確認することで、卵子側、精子側、培養方針など、次回見直すポイントが見えてくることがあります。

卵子の質・精子の質が影響している可能性

胚盤胞まで育たない場合、卵子の質や精子の質が影響している可能性もあります。

年齢が上がると、卵子の質の変化が胚発育に影響しやすくなります。ただし、胚盤胞まで育たない原因を卵子だけに決めつけることはできません。

精子側にも、数や運動率だけでなく、DNA断片化、酸化ストレス、生活習慣などが関係することがあります。禁欲期間、喫煙、飲酒、睡眠、ストレス、精索静脈瘤なども確認したいポイントです。

採卵後の結果が思わしくない場合は、女性側だけでなく男性側の検査や生活習慣も含めて見直すことが大切です。

培養環境や培養方針の違い

胚盤胞まで育つかどうかには、培養環境や培養方針も関係します。

クリニックによって、すべての胚を胚盤胞まで培養する方針なのか、途中で初期胚として凍結・移植する選択肢をとるのかが異なります。

胚数が少ない場合や、過去に胚盤胞まで育ちにくかった場合は、初期胚で凍結する、初期胚移植を検討するなどの方針が提案されることもあります。

また、タイムラプス培養などを導入している施設では、胚の発育過程を連続的に観察し、胚選択の参考にすることがあります。ただし、タイムラプスを使えば必ず胚盤胞到達率が上がるというわけではありません。

培養結果に不安がある場合は、胚培養士や医師に、どの段階で発育が止まったのか、次回の培養方針をどうするのかを確認しましょう。

1回の採卵結果だけでは判断できないこともある

胚盤胞まで育たなかった場合でも、1回の採卵結果だけで「もう無理」と判断する必要はありません。

採卵結果には周期差があります。卵胞の育ち方、卵巣刺激への反応、体調、ホルモン環境、採卵タイミングなどによって、結果が変わることがあります。

初回の採卵は、その人の卵巣反応や受精・培養の傾向を知るための情報にもなります。2回目以降で刺激法や受精方法、培養方針を調整することで、結果が変わることもあります。

ただし、38歳以降や40代では、時間や費用も重要な判断材料です。結果を受け止めつつ、次回に何を変えるのか、何回まで採卵を続けるのかを医師と具体的に相談しましょう。

胚盤胞到達率を見るときに確認したいポイント

胚盤胞到達率を見るときは、「何個胚盤胞になったか」だけではなく、採卵から胚盤胞までの各段階を分けて確認することが大切です。

どの段階に課題がありそうかによって、次周期で見直す内容が変わります。

採卵数・成熟卵数・受精数・胚盤胞数を分けて見る

採卵後の結果は、以下のように段階ごとに分けて確認しましょう。

結果 見るポイント
採卵数 卵巣刺激への反応
成熟卵数 採卵タイミング・卵子成熟
受精数 受精方法・精子要因
分割胚数 初期発育
胚盤胞数 培養後半の発育
凍結胚数 移植できる選択肢

たとえば、採卵数は多いのに成熟卵が少ない場合と、成熟卵は多いのに受精数が少ない場合では、見直すポイントが異なります。

採卵後の説明では、単に「胚盤胞が何個できたか」だけでなく、採卵数、成熟卵数、受精数、どの段階で止まったかを確認しましょう。

グレードと胚盤胞到達率を混同しない

胚盤胞到達率と胚盤胞のグレードは、別の指標です。

胚盤胞到達率は、受精卵がどのくらい胚盤胞まで育ったかを見るものです。一方、グレードは胚盤胞の見た目を評価する指標です。

グレードが良い胚は期待しやすい一方で、グレードが良いから必ず妊娠するわけではありません。見た目の評価では、染色体の状態を完全に判断することはできません。

反対に、グレードが低めの胚でも妊娠につながることがあります。クリニックごとにグレードの評価方法や移植方針が異なるため、グレードの見方も医師や胚培養士に確認しましょう。

初期胚移植と胚盤胞移植のどちらがよいか確認する

胚盤胞まで培養する方法には、発育力のある胚を選びやすいというメリットがあります。

一方で、胚盤胞まで培養する途中で発育が止まるリスクもあります。胚数が少ない場合や、過去に胚盤胞まで育ちにくかった場合は、初期胚で凍結したり、初期胚移植を検討したりすることもあります。

初期胚移植と胚盤胞移植のどちらがよいかは、年齢、胚の数、過去の培養結果、子宮内膜の状態、クリニックの方針によって変わります。

胚盤胞まで育たなかった場合は、「次回も胚盤胞培養を続けるのか」「初期胚凍結や初期胚移植も選択肢になるのか」を確認しておきましょう。

新鮮胚移植・凍結胚移植の方針も確認する

採卵後の胚移植には、採卵した周期に胚を戻す新鮮胚移植と、いったん胚を凍結し、別周期で戻す凍結胚移植があります。

凍結胚移植では、採卵によるホルモン環境の影響を避け、子宮内膜の状態を整えたうえで移植できる場合があります。一方で、新鮮胚移植が選択されるケースもあります。

OHSSのリスクがある場合や、子宮内膜の状態が整っていない場合は、全胚凍結を行うこともあります。

胚盤胞到達率だけでなく、どのタイミングで移植するのか、凍結するのかも、妊娠に向けた重要な方針です。

クリニックの到達率を比較するときは条件を確認する

クリニックごとの胚盤胞到達率を比較するときは、数字だけで判断しないことが大切です。

患者の年齢層、AMH、採卵数、受精方法、胚盤胞培養に進める基準、低刺激中心か高刺激中心かなどによって、成績は変わります。

たとえば、高年齢の患者が多いクリニックと、若い患者が多いクリニックでは、胚盤胞到達率の見え方が異なることがあります。また、胚盤胞まで育ちそうな胚だけを培養継続する方針なのか、すべての受精卵を胚盤胞まで培養する方針なのかでも、到達率は変わります。

クリニックを選ぶときは、到達率だけでなく、説明の分かりやすさ、胚培養士への相談体制、年齢別の治療方針、セカンドオピニオン対応なども確認しましょう。

年齢別に次周期で見直したいこと

採卵後の結果が思うようにいかなかった場合、次周期で何を見直すかが大切です。

年齢によって、見直すべきポイントや治療方針の優先順位は変わります。

20代・30代前半:原因を広く確認する

20代から30代前半で胚盤胞まで育たない場合は、卵子の質だけに原因を決めつけず、広く確認することが大切です。

精子側の要因、受精方法、培養方針、卵巣刺激法、採卵タイミングなどを確認しましょう。

採卵数が多いものの未成熟卵が多い場合は、刺激法やトリガーの見直しが必要になることがあります。受精数が少ない場合は、顕微授精の併用や男性側の追加検査を検討することがあります。

若い年代でも、結果が悪いと大きく落ち込みやすいものです。しかし、年齢以外の要因を整理することで、次周期の改善点が見えることがあります。

35〜37歳:刺激法・培養方針・移植方針を整理する

35〜37歳では、採卵結果をもとに、刺激法、培養方針、移植方針を整理することが大切です。

採卵数を増やすことを目指すのか、卵子の成熟度を重視するのか、胚盤胞まで培養するのか、初期胚凍結も選択肢にするのかを相談しましょう。

受精率が低い場合は、顕微授精を併用するかどうかも検討ポイントです。胚盤胞まで育つ胚が少ない場合は、培養方針や移植方針を見直すこともあります。

また、35歳以降は、治療に使える時間を意識する必要があります。体外受精を何回続けるか、採卵を優先するか移植を優先するか、夫婦で方針を共有しておきましょう。

38〜39歳:採卵を続けるか移植を優先するか考える

38〜39歳では、採卵を続けるか、得られた胚の移植を優先するかを考える場面があります。

胚盤胞が少ない場合、複数回採卵して胚を貯める方法が検討されることがあります。一方で、年齢や保険適用回数、費用、体への負担を考えると、得られた胚を移植することを優先する場合もあります。

AMHが低い場合や採卵数が少ない場合は、採卵を続けても胚盤胞が増えにくい可能性があります。その場合、どこまで採卵を続けるか、何回移植するかを早めに相談しておくことが大切です。

38〜39歳では、結果を見ながら治療方針を柔軟に見直す必要があります。

40代:自費治療・PGT-A・セカンドオピニオンも視野に入れる

40代では、胚盤胞到達率が低くなりやすいだけでなく、胚盤胞まで育っても妊娠・出産に至るまでのハードルが高くなります。

採卵数が少ない、胚盤胞まで育たない、胚盤胞になっても流産する、といった悩みが重なることもあります。

この場合、PGT-Aを相談する、採卵を続ける上限を決める、移植を優先する、転院やセカンドオピニオンを検討するなど、複数の選択肢があります。

ただし、PGT-Aはすべての方に必要な検査ではなく、対象や条件、メリット・限界があります。検討する場合は、医師に詳しく確認しましょう。

40代では、自費治療の費用負担も大きくなりやすいため、治療の医学的な見通しだけでなく、費用、仕事、心身の負担、夫婦の希望も含めて相談することが大切です。

結果が悪かった周期ほど、次回の質問を整理する

採卵結果が思うようにいかなかった周期ほど、次回の診察で聞きたいことを整理しておきましょう。

質問例としては、以下のようなものがあります。

  • 採卵数に対して成熟卵数はどうだったか
  • 受精率は年齢や状態を考えるとどう評価されるか
  • どの段階で胚の発育が止まったか
  • 精子側の追加検査は必要か
  • 次回は卵巣刺激法を変えるか
  • 採卵タイミングやトリガーを見直すか
  • 初期胚凍結も選択肢になるか
  • 顕微授精に変更した方がよいか
  • 胚盤胞培養を続けるべきか
  • セカンドオピニオンを検討すべきか

採卵結果が悪かったときほど、気持ちが落ち込み、診察で質問できないことがあります。事前にメモを作っておくと、次の治療方針を冷静に相談しやすくなります。

胚盤胞まで育たなかったときに避けたい考え方

胚盤胞まで育たなかったとき、強いショックを受ける方は少なくありません。

しかし、その結果だけで自分を責めたり、すぐに治療を諦めたりする必要はありません。避けたい考え方を整理しておきましょう。

「自分のせい」と決めつけない

胚盤胞まで育たなかったとき、「自分の卵子が悪いからだ」「年齢のせいだ」と自分を責めてしまう方がいます。

しかし、胚発育には、年齢、卵子、精子、受精方法、培養環境、刺激法、周期差など、さまざまな要因が関係します。結果だけを見て、原因を自分だけに結びつける必要はありません。

不妊治療は、医学的な結果と気持ちの負担が強く結びつきやすい治療です。落ち込むのは自然なことですが、結果を一人で抱え込まず、医師や胚培養士、不妊カウンセラーに相談しましょう。

1回の結果だけで「もう無理」と判断しない

1回の採卵で胚盤胞まで育たなかった場合でも、それだけで「もう妊娠できない」と判断する必要はありません。

採卵結果には周期差があります。初回採卵では、その人の卵巣反応、受精の傾向、胚発育の傾向を知る意味もあります。

次回の採卵で、刺激法、採卵タイミング、受精方法、培養方針を見直すことで、結果が変わることもあります。

ただし、高年齢の場合は、時間や費用も重要です。「もう一度採卵するか」「移植を優先するか」「別のクリニックで意見を聞くか」を、年齢や治療歴を踏まえて冷静に相談しましょう。

胚盤胞到達率だけでクリニックを比較しない

クリニック選びで胚盤胞到達率を見ることは参考になりますが、到達率だけで判断するのは注意が必要です。

患者の年齢層、AMH、採卵数、受精方法、胚盤胞培養に進める基準、卵巣刺激法、培養方針が異なれば、到達率も変わります。

また、数字が高いかどうかだけでなく、採卵後の説明が丁寧か、胚培養士に相談できるか、次周期の見直しを具体的に提案してくれるかも重要です。

治療成績を見るときは、数字だけでなく、自分の年齢や状態に近い人の治療方針をどう説明してくれるかを確認しましょう。

サプリや民間療法だけに頼りすぎない

胚盤胞まで育たないと、卵子の質を上げる方法を探したくなる方もいます。

睡眠、栄養、適正体重、禁煙、過度な飲酒を避けることなどは、妊娠しやすい身体づくりとして大切です。男性側も、禁煙や生活習慣の見直しが精子の状態に関係することがあります。

しかし、サプリや民間療法だけで胚盤胞到達率が必ず改善するとは限りません。「卵子が若返る」「必ず胚盤胞になる」といった情報には注意が必要です。

年齢が高い場合は、生活習慣の見直しだけで時間を使いすぎないようにしましょう。医療的に見直すべき点を確認しながら、身体づくりを並行することが大切です。

京都で胚盤胞到達率や培養結果を相談できるクリニック選び

京都で胚盤胞到達率や培養結果を相談する場合は、体外受精に対応しているかだけでなく、採卵後の説明や胚培養士への相談体制も確認しておくと安心です。

胚盤胞まで育たない理由は一つではないため、結果を詳しく説明してくれるクリニックを選ぶことが大切です。

胚培養士や医師に培養結果を詳しく聞けるか

採卵後は、採卵数、成熟卵数、受精数、胚の分割状況、胚盤胞数、凍結胚数などの結果を確認します。

このとき、単に「胚盤胞が何個できたか」だけでなく、どの段階で発育が止まったのか、次回どこを見直せるのかを聞けるかが重要です。

胚培養士に相談できる体制がある施設では、胚の発育やグレード、培養結果について詳しく説明を受けやすい場合があります。

体外受精では、医師の治療方針だけでなく、培養室の体制や説明の分かりやすさも、安心して治療を続けるうえで大切な要素です。

体外受精・顕微授精・胚盤胞培養に対応しているか

胚盤胞到達率を相談する場合は、体外受精、顕微授精、胚盤胞培養、凍結胚移植に対応しているかを確認しましょう。

受精しにくい場合は、顕微授精を検討することがあります。胚盤胞まで育たない場合は、初期胚凍結や胚盤胞培養の方針を相談することがあります。

また、タイムラプス培養やPICSIなどの先進医療に対応している施設もあります。ただし、先進医療はすべての人に必要なものではないため、適応や費用、期待できること、限界を確認することが大切です。

年齢別の治療方針を相談できるか

胚盤胞到達率は、年齢によって見方が変わります。

35歳以降、38歳以降、40代では、採卵を続けるのか、移植を優先するのか、PGT-Aを相談するのか、自費治療をどこまで続けるのかなど、年齢別の判断が必要になります。

クリニックを選ぶときは、自分の年齢や治療歴に合わせて、現実的な選択肢を提示してくれるかを確認しましょう。

過度に楽観的でも、過度に悲観的でもなく、採卵結果をもとに次の一手を説明してくれる医療機関が望ましいです。

セカンドオピニオンに対応しているか

何度採卵しても胚盤胞まで育たない、良好胚が得られない、説明に納得できない、次の方針が見えないという場合は、セカンドオピニオンを検討してもよいでしょう。

セカンドオピニオンを受ける場合は、これまでの採卵数、成熟卵数、受精数、胚盤胞数、胚のグレード、刺激法、受精方法、精液検査結果、移植歴、流産歴などを整理しておくと相談しやすくなります。

転院を前提にしなくても、別の医師の意見を聞くことで、今の治療方針を続けるか、変更するかを考えやすくなることがあります。

京都で相談しやすい候補

ここでは、京都で胚盤胞到達率や培養結果を相談しやすい候補を、目的別に紹介します。

どのクリニックが合うかは、年齢、採卵結果、治療歴、通いやすさ、希望する治療方針によって異なります。気になる施設がある場合は、公式サイトや初診時の説明で最新情報を確認しましょう。

体外受精の培養結果まで相談したいなら:足立病院 生殖医療センター

足立病院 生殖医療センターは、京都市中京区にある不妊治療施設です。タイミング法や人工授精などの一般不妊治療から、体外受精、顕微授精、先進医療まで幅広く対応しています。

体外受精や顕微授精を含めた治療に対応しており、胚培養士への相談や、採卵後の培養結果について相談しやすい候補です。

また、タイムラプス、SEET法、ERA・EMMA・ALICEなどの先進医療にも対応しているため、胚盤胞まで育つかどうかだけでなく、移植や着床の方針まで含めて相談したい方に向いています。

年齢や採卵結果を踏まえ、次の採卵をどうするか、移植をどう考えるかを相談したい方に候補となります。

体外受精専門院で方針を見直すなら:京都IVFクリニック

京都IVFクリニックは、京都市下京区にある不妊治療専門クリニックです。体外受精や顕微授精を中心に、高度生殖医療を相談できます。

胚盤胞まで育たない、採卵結果が思うようにいかない、転院やセカンドオピニオンを考えている方に候補となります。

着床前検査、タイムラプス、男性不妊検査などの情報も案内されており、体外受精の方針を見直したい方にとって相談しやすい施設です。

相談する際は、これまでの採卵数、成熟卵数、受精数、胚盤胞到達数、胚のグレード、移植歴などを整理しておくとよいでしょう。

西京区・桂周辺で培養士相談も視野に入れるなら:身原病院

身原病院は、京都市西京区の上桂駅前にある産婦人科病院です。一般不妊治療から体外受精・顕微授精まで対応しています。

不妊カウンセラーや培養士への相談、体外受精説明会なども案内されており、治療前後の不安を相談しやすい候補です。

西京区・桂周辺で、タイミング法や人工授精から体外受精へ進むか迷っている方、採卵後の培養結果を相談したい方に向いています。

自然に近い治療から高度治療まで段階的に相談するなら:田村秀子婦人科医院

田村秀子婦人科医院は、京都市中京区にある婦人科医院です。タイミング療法、薬物療法、人工授精、体外受精、顕微授精に対応しています。

できるだけ自然に近い治療から始めたい方、身体づくりや漢方相談も含めて考えたい方に候補となります。

また、体外受精や顕微授精にも対応しているため、タイミング法や人工授精から段階的に治療を進めたい方にも相談しやすい施設です。

ただし、年齢が高い場合や、採卵後に胚盤胞まで育たない結果が続いている場合は、治療のステップアップ時期やセカンドオピニオンの必要性も含めて早めに相談しましょう。

胚盤胞到達率と年齢についてよくある質問

Q:胚盤胞到達率は年齢で変わりますか?

A:胚盤胞到達率は年齢の影響を受けることがあります。年齢が上がると卵子の質の変化により、受精後の胚発育や胚盤胞到達に影響が出やすくなります。ただし、年齢だけで決まるものではなく、卵子、精子、受精方法、培養環境、刺激法なども関係します。

Q:採卵した卵子が胚盤胞まで育たないのはなぜですか?

A:採卵数が少ない、成熟卵が少ない、受精しにくい、受精後に分割が止まる、卵子や精子の質、培養方針など複数の要因が考えられます。1回の結果だけで原因を決めつけず、採卵数、成熟卵数、受精数、どの段階で止まったかを医師や胚培養士に確認しましょう。

Q:胚盤胞まで育たない場合、次回はどうすればよいですか?

A:次周期では、卵巣刺激法、採卵タイミング、受精方法、顕微授精の必要性、培養方針、初期胚凍結の選択肢、男性側の追加検査などを相談するとよいでしょう。年齢が高い場合は、採卵を続けるか移植を優先するかも含めて考える必要があります。

Q:胚盤胞のグレードが良ければ妊娠できますか?

A:胚盤胞のグレードは、胚の見た目を評価する指標のひとつです。グレードが良い胚は期待しやすい一方で、染色体の状態や子宮内膜、移植方法なども妊娠に関係します。グレードが良くても妊娠しないことがあり、逆にグレードが低めでも妊娠することがあります。

Q:胚盤胞にならない場合、転院やセカンドオピニオンは必要ですか?

A:何度採卵しても胚盤胞まで育たない、説明に納得できない、次の方針が見えない場合は、セカンドオピニオンを検討してもよいでしょう。これまでの採卵数、成熟卵数、受精数、培養結果、刺激法、精液検査結果を整理して相談すると、より具体的な意見を得やすくなります。

まとめ

胚盤胞到達率は、体外受精で受精卵がどのくらい胚盤胞まで育ったかを見る重要な指標です。

ただし、胚盤胞到達率だけで妊娠率や治療の成否が決まるわけではありません。胚盤胞のグレード、染色体の状態、子宮内膜、移植方法、流産率なども関係します。

年齢が上がると、卵子の質の変化により、受精率、胚の発育、着床率に影響が出やすくなります。特に35歳以降、38歳以降、40代では、胚盤胞到達率だけでなく、移植後の妊娠継続や自費治療の負担も含めて考えることが大切です。

採卵後の結果を見るときは、採卵数、成熟卵数、受精数、分割胚数、胚盤胞数、凍結胚数を分けて確認しましょう。どの段階で発育が止まったかによって、次周期で見直す内容は変わります。

胚盤胞まで育たない原因は、卵子だけではありません。精子の状態、受精方法、培養環境、卵巣刺激法、周期差なども関係します。結果を自分のせいと決めつけず、医師や胚培養士に相談しながら次の方針を考えましょう。

京都で相談する場合は、体外受精・顕微授精に対応しているか、胚培養士や医師に培養結果を詳しく聞けるか、年齢別の治療方針やセカンドオピニオンに対応しているかを確認しておくと安心です。

京都にある不妊治療の
クリニック・病院
おすすめ3選

不妊治療や生殖補助医療に関する高度な専門知識と技術を持つ「日本生殖医学会認定生殖医療専門医」が常勤で在籍しているクリニック・病院の中から、治療の目的別に優れた病院・クリニック3院をご紹介します(2025年3月調査時点)。

体外受精の
相談をするなら
足立病院 生殖医療センター
足立病院 生殖医療センター
引用元:足立病院 生殖医療センター公式HP
(https://www.adachi-hospital.com/infertility/)
おすすめの理由

2001年からの不妊治療による累計妊娠数は3万人以上(2025年4月調査時点)※1。チーム医療による総合力で、35歳未満の方の体外受精(融解胚移植)による妊娠率は53.4%※2(2024年度実績)と全国平均の48.6%※3よりも高い実績です。

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田村秀子婦人科医院
田村秀子婦人科医院
引用元:田村秀子婦人科医院公式HP
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男性不妊治療の
相談をするなら
いちおか泌尿器科クリニック
いちおか泌尿器科クリニック
引用元:いちおか泌尿器科クリニック公式HP
(https://ichioka-urological-clinic.com/)
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男性不妊に特化した日本生殖医学会認定生殖医療専門医が在籍する泌尿器科クリニック。男性不妊治療である精索静脈瘤に対する顕微鏡下手術、無精子症に対する顕微鏡下精巣精子回収術(micro-TESE)などの日帰り手術も可能で、忙しい方でもスケジュールの調整がしやすくなっています。

※1参照元:足立病院「数字でわかる足立病院」https://www.adachi-hospital.com/numbers/
※2参照元:足立病院「体外受精(凍結融解胚移植)による35歳未満の妊娠率(2024年度実績)」https://www.adachi-hospital.com/infertility/achievements/
※3参照元:日本産婦人科学会「ART臨床実施成績データ2022(PDF)」https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf