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不妊の原因について

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「そろそろ子どもがほしいね」と話してから、しばらく経っても妊娠しない。そんな状況が続くと、「私の身体に問題があるのかな」「仕事やストレスのせい?」「パートナーに言いにくい…」と、自分ひとりの中で不安を抱え込んでしまう方も少なくありません。

けれど、不妊の原因は「女性だけ」「男性だけ」と決めつけられるものではなく、夫婦おふたり、そして生活全体でとらえるべきものだと考えられています。

実際に不妊の原因は、大きく分けると次のように分類されます。

  • 男性側の要因
  • 女性側の要因
  • 男性・女性双方にある要因
  • 検査をしてもはっきりした原因が見つからない「原因不明不妊」

さらに、その背景には次のような要因が複雑に関わっていることもあります。

  • 年齢(加齢による卵子・精子の質の低下)
  • 生活習慣やストレス(喫煙・飲酒・睡眠不足など)
  • 性感染症
  • 免疫のはたらきやホルモンバランスの乱れ

「どちらが悪い」という話ではなく、「一緒に原因を探していく」もの。このページでは、男女それぞれに考えられる不妊の原因の「全体像」をやさしく整理しながら、後半でご紹介する不妊原因チェックリストや、京都で不妊治療に対応しているクリニックへの情報にも自然につながるようにご説明していきます。

男性側にみられる不妊の主な原因

「不妊治療=女性が受けるもの」というイメージを持たれがちですが、実際には男性側に原因があるケースも珍しくありません。世界的にも、日本国内でも、男性要因が関わる割合は決して少なくないとされています。

男性側の不妊原因には、主に次のようなものがあります。

  • 精子の数や質に関わる「造精機能障害」
  • 精子の通り道に問題がある「精路通過障害(閉塞性無精子症など)」
  • 勃起障害・射精障害など、性機能の問題
  • ホルモンバランスや全身疾患、生活習慣に関わるもの など

ここでは、それぞれの概要をやさしく整理していきます。

精子の状態に関わる「造精機能障害」

造精機能障害とは、精巣(睾丸)で精子が作られる過程に何らかのトラブルがあり、精子の数が少ない・動きが弱い・形の異常が多いなどの状態になっていることを指します。

代表的な例としては、次のようなものがあります。

  • 精子の数が極端に少ない「乏精子症」
  • 精子がほとんど動かない「精子無力症」
  • 精子の形に異常が多い「奇形精子症」

原因としては、先天的な体質だけでなく、

  • 喫煙や過度の飲酒
  • 肥満や極端なやせ
  • 高温環境での仕事やサウナの多用
  • ストレスや睡眠不足
  • 一部の薬の影響

など、生活習慣と関係する部分もあります。

「男性不妊」と聞くと重く感じてしまいますが、原因によっては生活習慣の見直しや薬物治療で改善を目指せる場合もあります。

精子の通り道のトラブル「精路通過障害(閉塞性無精子症など)」

精子は、精巣でつくられたあと、

精巣上体 → 精管 → 精嚢 → 尿道

という「通り道(精路)」を通って外に出ていきます。このどこかが狭くなっていたり、塞がっていたりする状態が精路通過障害です。

  • 精巣では精子が作られているのに、通り道がふさがっているために精液中に精子が出てこない「閉塞性無精子症」
  • 先天的な構造の問題
  • 性感染症や炎症、手術の影響などによる癒着・狭窄

などが原因として挙げられます。

適切な検査を行うことで、「精子が作られていないのか」「作られているのに出てこられないのか」を見極め、必要に応じて手術で通り道を確保したり、精巣から直接精子を回収して体外受精・顕微授精に用いたりする選択肢もあります。

勃起障害・射精障害も「不妊の原因」になり得ます

性交そのものがうまく行えない場合も、不妊の一因となることがあります。

  • 勃起しにくい・維持できない 勃起障害(ED)
  • 射精ができない、膣内での射精が難しい 射精障害・膣内射精障害
  • 糖尿病や脊髄損傷など、背景に病気があるもの
  • プレッシャーやストレスからくる心因性のもの など

「心の問題だから…」と片づけてしまいがちですが、治療やカウンセリングの対象になる立派な“症状”です。

パートナーには言いづらい内容かもしれませんが、医師は日常的にこうした相談を受けています。「自分だけの問題」だと抱え込まず、専門家の力を借りることで、ふたりで妊娠を目指す一歩がぐっと踏み出しやすくなります。

男性不妊の検査・治療方法

男性側の原因が疑われる場合、最初の大きなステップは「精液検査」です。これは、採取した精液を顕微鏡で観察し、

  • 精子の数(精子濃度)
  • 精子の動き(運動率)
  • 精子の形(正常形態率)

などを調べるものです。加えて、必要に応じて、

  • ホルモン検査
  • 超音波検査(精巣や前立腺などの状態を確認)
  • 遺伝学的検査 など

が行われることもあります。

検査の結果に応じて、

  • 生活習慣の見直しやサプリメント・薬物療法
  • 精索静脈瘤などがある場合の手術
  • 体外受精や顕微授精(ICSI)など、生殖補助医療へのステップアップ

といった治療方針が検討されます。

女性側にみられる不妊の主な原因

女性側の不妊原因は、

  • 排卵の問題
  • 卵管の問題
  • 子宮の問題
  • ホルモンや免疫の問題
  • 卵巣機能の低下(年齢・早発閉経など)

など、体のさまざまな部位・しくみと関わっています。

ここでは、よく見られる代表的な原因を取り上げ、名前だけ聞いたことがある方にもイメージしやすいように整理していきます。

排卵障害(PCOS、黄体機能不全など)

妊娠の大前提は、「排卵が起きていること」です。月経があっても、必ずしも毎周期きちんと排卵しているとは限りません。排卵がうまく起きない・周期が乱れている状態を、総称して「排卵障害」と呼びます。

代表的な例として、次のようなものがあります。

  • 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
    卵巣の中にたくさんの卵胞が並び、排卵まで育ちにくくなる状態。月経不順や無排卵月経の原因となることがあります。
  • 黄体機能不全
    排卵後の「黄体」から分泌されるホルモン(黄体ホルモン/プロゲステロン)が十分に出ず、子宮内膜の厚さや質が妊娠に適さない状態になることがあります。

こんなサインはありませんか?

  • 月経周期が不規則(24日未満、39日以上などが多い)
  • しばらく月経が来ないことがある
  • 基礎体温が二相になりにくい
  • お肌のトラブルや体重増加、多毛などが気になる

こうした症状に心あたりがある場合は、排卵の状態を調べる検査を受けることが、原因を知る一歩になります。

卵管因子(卵管閉塞・狭窄)

卵管は、卵子と精子が出会い、受精卵となって子宮に運ばれていく場所です。この卵管が癒着していたり、狭くなっていたり、完全に塞がっている状態を「卵管因子」と呼びます。

  • 過去の骨盤内の炎症や腹膜炎
  • 性感染症(とくにクラミジア感染症など)
  • 開腹手術や帝王切開後の癒着

などがきっかけになることもあります。

卵管因子は、卵管造影検査などの画像検査によって、通りや形を調べることができます。片側だけ狭くなっている場合と、両側とも塞がっている場合とでは、その後に選ぶ治療の方針(タイミング法・人工授精・体外受精など)が変わってきます。

子宮の病気が原因となる場合(子宮筋腫・子宮内膜症・子宮奇形)

受精卵がたどり着き、成長していく「住まい」が子宮です。子宮の状態によって、受精卵が着床しにくかったり、妊娠の継続が難しくなったりすることがあります。

子宮筋腫

子宮の筋肉の一部がふくらんで「こぶ」のようになった良性の腫瘍です。筋腫の大きさや場所によっては、子宮内のスペースを狭くしたり、血流に影響したりして、着床に影響することがあります。

次のような症状がヒントになることもあります。

  • 月経量が多い
  • 生理痛が強い
  • 貧血気味

小さな筋腫では症状がほとんど出ない場合もあります。

子宮内膜症

本来は子宮の内側にだけあるはずの「子宮内膜」に似た組織が、卵巣や腹膜など、子宮の外側で増えてしまう病気です。強い生理痛や性交痛、不正出血などの原因となり、卵巣のう腫(チョコレート嚢胞)を作ったり、卵管や卵巣の周囲に癒着を起こしたりすることで、妊娠しにくさにつながることがあります。

子宮奇形(形態異常)

生まれつきの子宮の形の違いを「子宮奇形」と呼ぶことがあります。子宮が二つに分かれている「双角子宮」や、子宮内が仕切られている「中隔子宮」など、いくつかのタイプがあります。

タイプによっては、

  • 受精卵が着床しづらい
  • 流産や早産のリスクが高まる

とされているものもあり、画像検査で子宮の形を確認することが大切になります。

免疫性不妊(抗リン脂質抗体・抗精子抗体など)

体を守ってくれているはずの「免疫」の働きが、妊娠のプロセスに影響する場合もあります。これを総称して「免疫性不妊」と呼ぶことがあります。

代表的なものに、次のようなものがあります。

  • 抗リン脂質抗体
    血液が固まりやすくなることで、着床や胎盤の形成に影響すると考えられているもの
  • 抗精子抗体
    女性の体が精子を異物とみなし、攻撃してしまうことで受精がうまくいかなくなる可能性のあるもの

必ずしも「免疫の検査をすればすぐに原因が分かる」というわけではありませんが、流産をくり返す場合や、他の検査で原因が見つからない場合に検討されることがある分野です。

甲状腺機能異常

首の前側にある小さな臓器「甲状腺」は、全身の代謝をコントロールするホルモンを分泌しています。甲状腺ホルモンが多すぎる・少なすぎる状態が続くと、月経周期や排卵、妊娠の継続に影響することがあります。

こんな症状はありませんか?

  • 動悸がする・汗をかきやすい・手が震える
  • 体重が急に増えた/減った
  • 強い冷えやむくみ、だるさが続く
  • 月経が不規則になった

甲状腺の不調は、血液検査や超音波検査で確認することができます。不妊治療の一環として、甲状腺ホルモンの状態をチェックすることは珍しくありません。

早発閉経(早発卵巣不全)

通常、卵巣機能は40代半ば〜後半にかけて徐々に低下し、やがて閉経を迎えます。しかし、40歳未満で卵巣の機能が大きく低下してしまう状態を「早発閉経(早発卵巣不全)」と呼びます。

次のようなサインがきっかけになることもあります。

  • 月経の間隔が長くなる・飛ぶようになる
  • 月経が数か月〜半年以上来なくなる
  • のぼせやほてり、汗など更年期に似た症状が出る

原因には、

  • 遺伝的な要因
  • 自己免疫疾患
  • 化学療法・放射線治療の影響
  • 原因不明

などが挙げられますが、どこまで妊娠の可能性を探るかは、年齢や卵巣の状態、治療への希望によって大きく変わるデリケートなテーマです。

年齢・生活習慣・ストレス・性感染症など、男女共通の要因

不妊の原因は、必ずしも男性・女性のどちらか一方だけにあるわけではありません。年齢や生活習慣、ストレス、感染症など、ふたりに共通する要因が妊娠のしやすさに影響することも多くあります。

年齢(加齢による卵子・精子の質の低下)

「妊娠しやすさ」は年齢とともに少しずつ変化していきます。多くの方が「女性は年齢が上がると妊娠しにくくなる」と聞いたことがあるかもしれませんが、男性の精子も年齢によって変化することが分かっています。

  • 女性:生まれたときから持っている卵子の数・質が年々減少し、35歳頃から妊娠率が下がっていく傾向があるとされます。
  • 男性:精子は一生作られ続けますが、加齢によって精子のDNAの損傷率が上がるなど、「質の低下」が見られることがあります。

もちろん、年齢だけで妊娠の可否が決まるわけではありません。大切なのは、ふたりの状況を知り、必要に応じて早めに相談することです。

生活習慣・ストレス(喫煙・飲酒・睡眠不足など)

日常の習慣やメンタルの状態は、妊娠の成立に意外と大きな影響を与えます。

  • 喫煙:男性の精子の質を下げたり、女性の卵巣機能に影響したりする可能性が指摘されています。
  • 過度の飲酒:ホルモンバランスに影響し、排卵や精子の質を乱すことがあります。
  • 睡眠不足・過度なストレス:自律神経やホルモン分泌を乱し、月経周期の乱れ・性機能の低下につながることも。
  • 肥満・極端なやせ:排卵障害やホルモン異常の原因になる場合があります。

「完璧な生活に変えよう」と思うと苦しくなってしまうので、まずは「できるところから整える」意識でOKです。

性感染症

性感染症は、男女問わず妊娠しにくさの原因となることがあります。とくにクラミジア感染症は、女性では卵管の炎症・癒着、男性では精路の炎症を起こし、妊娠のプロセスに影響を与えることがあります。

次のような場合は、一度検査を受けてみると安心です。

  • 過去に骨盤腹膜炎になったことがある
  • デリケートゾーンの痛みや違和感が続く
  • 原因不明の下腹部痛がある

流産をくり返す場合に考えられること(不育症)

「妊娠はするけれど、流産が続いてしまう…」そんなケースでは、不育症(習慣性流産)が疑われることがあります。

不育症にはさまざまな原因が考えられます。

  • 染色体の異常
  • 子宮の形の問題(中隔子宮など)
  • 甲状腺機能の異常
  • 血液が固まりやすい体質(抗リン脂質抗体症候群など)
  • ホルモンバランスの問題
  • 免疫の異常 など

流産は決して“誰のせい”でもなく、医学的な検査と治療によって改善が期待できる場合もあります。妊娠が成立しても継続しない、という悩みは非常にセンシティブですが、一人で抱え込まないことが何より大切です。

まずはここから 不妊原因チェックリスト

「病院に行くほどなのか分からない…」「パートナーにどう話せばいいか迷う…」そんな方が、最初の一歩として使えるのが不妊原因チェックリストです。

チェックできる主なポイントは、次の通りです。

  • 月経・排卵の状態
  • 性交の頻度・性機能
  • 生活習慣・体調
  • 病歴や既往歴
  • 男性側の自覚症状
  • 女性側の違和感 など

おふたり別々にチェックして、重なる項目や気になる項目があれば、「じゃあ一度、一緒に検査に行ってみようか」という話のきっかけにもなります。

どのタイミングで病院を受診する?

「いつ病院へ行くべきか?」は、妊活中に多くの方が迷うポイントです。一般的な目安とされるのは、次の通りです。

  • 1年間、避妊せずに妊娠しない場合
  • 35歳以上の場合は、半年〜1年を目安に早めの相談が推奨されることも
  • 生理不順・無月経・強い痛みなど、気になる症状がある場合は年齢に関係なく早めに受診
  • 男性側で、精液の異常・性機能のトラブルがあると感じたときも受診を検討

検査は、女性だけでなく男女の双方に必要です。最初は婦人科や不妊専門クリニックに相談し、必要に応じて男性不妊に詳しい泌尿器科を紹介されるケースもあります。

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まとめ

不妊の原因はひとつではなく、身体の状態、年齢、生活習慣、男女双方の要因など、多くの要素が組み合わさっていることがほとんどです。

そして、不妊治療は「誰かのせい」ではなく、ふたりが一緒に取り組むもの。

少しでも不安や疑問があれば、自分たちの状況を知るための検査を受けることが、安心への第一歩になります。京都で不妊治療を考え始めた方は、ぜひ専門医が在籍するクリニックで、気軽に相談してみてください。

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※1参照元:足立病院「数字でわかる足立病院」https://www.adachi-hospital.com/numbers/
※2参照元:足立病院「体外受精(凍結融解胚移植)による35歳未満の妊娠率(2024年度実績)」https://www.adachi-hospital.com/infertility/achievements/
※3参照元:日本産婦人科学会「ART臨床実施成績データ2022(PDF)」https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf

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