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「そろそろ子どもがほしいね」と話してから、しばらく経っても妊娠しない。そんな状況が続くと、「私の身体に問題があるのかな」「仕事やストレスのせい?」「パートナーに言いにくい…」と、自分ひとりの中で不安を抱え込んでしまう方も少なくありません。
けれど、不妊の原因は「女性だけ」「男性だけ」と決めつけられるものではなく、夫婦おふたり、そして生活全体でとらえるべきものだと考えられています。
実際に不妊の原因は、大きく分けると次のように分類されます。
さらに、その背景には次のような要因が複雑に関わっていることもあります。
「どちらが悪い」という話ではなく、「一緒に原因を探していく」もの。このページでは、男女それぞれに考えられる不妊の原因の「全体像」をやさしく整理しながら、後半でご紹介する不妊原因チェックリストや、京都で不妊治療に対応しているクリニックへの情報にも自然につながるようにご説明していきます。
「不妊治療=女性が受けるもの」というイメージを持たれがちですが、実際には男性側に原因があるケースも珍しくありません。世界的にも、日本国内でも、男性要因が関わる割合は決して少なくないとされています。
男性側の不妊原因には、主に次のようなものがあります。
ここでは、それぞれの概要をやさしく整理していきます。
造精機能障害とは、精巣(睾丸)で精子が作られる過程に何らかのトラブルがあり、精子の数が少ない・動きが弱い・形の異常が多いなどの状態になっていることを指します。
代表的な例としては、次のようなものがあります。
原因としては、先天的な体質だけでなく、
など、生活習慣と関係する部分もあります。
「男性不妊」と聞くと重く感じてしまいますが、原因によっては生活習慣の見直しや薬物治療で改善を目指せる場合もあります。
精子は、精巣でつくられたあと、
精巣上体 → 精管 → 精嚢 → 尿道
という「通り道(精路)」を通って外に出ていきます。このどこかが狭くなっていたり、塞がっていたりする状態が精路通過障害です。
などが原因として挙げられます。
適切な検査を行うことで、「精子が作られていないのか」「作られているのに出てこられないのか」を見極め、必要に応じて手術で通り道を確保したり、精巣から直接精子を回収して体外受精・顕微授精に用いたりする選択肢もあります。
性交そのものがうまく行えない場合も、不妊の一因となることがあります。
「心の問題だから…」と片づけてしまいがちですが、治療やカウンセリングの対象になる立派な“症状”です。
パートナーには言いづらい内容かもしれませんが、医師は日常的にこうした相談を受けています。「自分だけの問題」だと抱え込まず、専門家の力を借りることで、ふたりで妊娠を目指す一歩がぐっと踏み出しやすくなります。
男性側の原因が疑われる場合、最初の大きなステップは「精液検査」です。これは、採取した精液を顕微鏡で観察し、
などを調べるものです。加えて、必要に応じて、
が行われることもあります。
検査の結果に応じて、
といった治療方針が検討されます。
女性側の不妊原因は、
など、体のさまざまな部位・しくみと関わっています。
ここでは、よく見られる代表的な原因を取り上げ、名前だけ聞いたことがある方にもイメージしやすいように整理していきます。
妊娠の大前提は、「排卵が起きていること」です。月経があっても、必ずしも毎周期きちんと排卵しているとは限りません。排卵がうまく起きない・周期が乱れている状態を、総称して「排卵障害」と呼びます。
代表的な例として、次のようなものがあります。
こんなサインはありませんか?
こうした症状に心あたりがある場合は、排卵の状態を調べる検査を受けることが、原因を知る一歩になります。
卵管は、卵子と精子が出会い、受精卵となって子宮に運ばれていく場所です。この卵管が癒着していたり、狭くなっていたり、完全に塞がっている状態を「卵管因子」と呼びます。
などがきっかけになることもあります。
卵管因子は、卵管造影検査などの画像検査によって、通りや形を調べることができます。片側だけ狭くなっている場合と、両側とも塞がっている場合とでは、その後に選ぶ治療の方針(タイミング法・人工授精・体外受精など)が変わってきます。
受精卵がたどり着き、成長していく「住まい」が子宮です。子宮の状態によって、受精卵が着床しにくかったり、妊娠の継続が難しくなったりすることがあります。
子宮の筋肉の一部がふくらんで「こぶ」のようになった良性の腫瘍です。筋腫の大きさや場所によっては、子宮内のスペースを狭くしたり、血流に影響したりして、着床に影響することがあります。
次のような症状がヒントになることもあります。
小さな筋腫では症状がほとんど出ない場合もあります。
本来は子宮の内側にだけあるはずの「子宮内膜」に似た組織が、卵巣や腹膜など、子宮の外側で増えてしまう病気です。強い生理痛や性交痛、不正出血などの原因となり、卵巣のう腫(チョコレート嚢胞)を作ったり、卵管や卵巣の周囲に癒着を起こしたりすることで、妊娠しにくさにつながることがあります。
生まれつきの子宮の形の違いを「子宮奇形」と呼ぶことがあります。子宮が二つに分かれている「双角子宮」や、子宮内が仕切られている「中隔子宮」など、いくつかのタイプがあります。
タイプによっては、
とされているものもあり、画像検査で子宮の形を確認することが大切になります。
体を守ってくれているはずの「免疫」の働きが、妊娠のプロセスに影響する場合もあります。これを総称して「免疫性不妊」と呼ぶことがあります。
代表的なものに、次のようなものがあります。
必ずしも「免疫の検査をすればすぐに原因が分かる」というわけではありませんが、流産をくり返す場合や、他の検査で原因が見つからない場合に検討されることがある分野です。
首の前側にある小さな臓器「甲状腺」は、全身の代謝をコントロールするホルモンを分泌しています。甲状腺ホルモンが多すぎる・少なすぎる状態が続くと、月経周期や排卵、妊娠の継続に影響することがあります。
こんな症状はありませんか?
甲状腺の不調は、血液検査や超音波検査で確認することができます。不妊治療の一環として、甲状腺ホルモンの状態をチェックすることは珍しくありません。
通常、卵巣機能は40代半ば〜後半にかけて徐々に低下し、やがて閉経を迎えます。しかし、40歳未満で卵巣の機能が大きく低下してしまう状態を「早発閉経(早発卵巣不全)」と呼びます。
次のようなサインがきっかけになることもあります。
原因には、
などが挙げられますが、どこまで妊娠の可能性を探るかは、年齢や卵巣の状態、治療への希望によって大きく変わるデリケートなテーマです。
不妊の原因は、必ずしも男性・女性のどちらか一方だけにあるわけではありません。年齢や生活習慣、ストレス、感染症など、ふたりに共通する要因が妊娠のしやすさに影響することも多くあります。
「妊娠しやすさ」は年齢とともに少しずつ変化していきます。多くの方が「女性は年齢が上がると妊娠しにくくなる」と聞いたことがあるかもしれませんが、男性の精子も年齢によって変化することが分かっています。
もちろん、年齢だけで妊娠の可否が決まるわけではありません。大切なのは、ふたりの状況を知り、必要に応じて早めに相談することです。
日常の習慣やメンタルの状態は、妊娠の成立に意外と大きな影響を与えます。
「完璧な生活に変えよう」と思うと苦しくなってしまうので、まずは「できるところから整える」意識でOKです。
性感染症は、男女問わず妊娠しにくさの原因となることがあります。とくにクラミジア感染症は、女性では卵管の炎症・癒着、男性では精路の炎症を起こし、妊娠のプロセスに影響を与えることがあります。
次のような場合は、一度検査を受けてみると安心です。
「妊娠はするけれど、流産が続いてしまう…」そんなケースでは、不育症(習慣性流産)が疑われることがあります。
不育症にはさまざまな原因が考えられます。
流産は決して“誰のせい”でもなく、医学的な検査と治療によって改善が期待できる場合もあります。妊娠が成立しても継続しない、という悩みは非常にセンシティブですが、一人で抱え込まないことが何より大切です。
「病院に行くほどなのか分からない…」「パートナーにどう話せばいいか迷う…」そんな方が、最初の一歩として使えるのが不妊原因チェックリストです。
チェックできる主なポイントは、次の通りです。
おふたり別々にチェックして、重なる項目や気になる項目があれば、「じゃあ一度、一緒に検査に行ってみようか」という話のきっかけにもなります。
「いつ病院へ行くべきか?」は、妊活中に多くの方が迷うポイントです。一般的な目安とされるのは、次の通りです。
検査は、女性だけでなく男女の双方に必要です。最初は婦人科や不妊専門クリニックに相談し、必要に応じて男性不妊に詳しい泌尿器科を紹介されるケースもあります。
京都で不妊の検査・相談ができるクリニックを探したい方へ
京都にある不妊治療のここまで、男性・女性それぞれの原因や、日常生活の中にある要因についてご紹介してきました。「検査をして原因を知りたい」「専門医に相談したい」と感じた方は、京都市内にも不妊治療に特化したクリニックがあります。
以下の3院は、日本生殖医学会認定生殖医療専門医が常勤で在籍しており、確かな専門性のもとで検査・治療を受けられるのが特徴です。
足立病院 生殖医療センターは、高い妊娠実績、オンライン診療、チーム医療など、体外受精・顕微授精を視野に入れている方に心強い選択肢です。
田村秀子婦人科医院は、漢方相談や自然に近い治療法にも注力し、心と身体の両面からサポートする体制が整っています。
いちおか泌尿器科クリニックは、精索静脈瘤手術やmicro-TESEなど、男性不妊に特化した日帰り手術にも対応。男性側の検査・治療を本格的に進めたい方におすすめです。
不妊の原因はひとつではなく、身体の状態、年齢、生活習慣、男女双方の要因など、多くの要素が組み合わさっていることがほとんどです。
そして、不妊治療は「誰かのせい」ではなく、ふたりが一緒に取り組むもの。
少しでも不安や疑問があれば、自分たちの状況を知るための検査を受けることが、安心への第一歩になります。京都で不妊治療を考え始めた方は、ぜひ専門医が在籍するクリニックで、気軽に相談してみてください。
不妊治療や生殖補助医療に関する高度な専門知識と技術を持つ「日本生殖医学会認定生殖医療専門医」が常勤で在籍しているクリニック・病院の中から、治療の目的別に優れた病院・クリニック3院をご紹介します(2025年3月調査時点)。
2001年からの不妊治療による累計妊娠数は3万人以上(2025年4月調査時点)※1。チーム医療による総合力で、35歳未満の方の体外受精(融解胚移植)による妊娠率は53.4%※2(2024年度実績)と全国平均の48.6%※3よりも高い実績です。
不妊治療に取り組む患者の妊娠しやすい身体作りをサポートするため、専門薬剤師(ウィメンズ漢方)によるオンライン漢方相談を実施。医師によるタイミング療法の指導などと合わせることで、できるだけ自然に近い治療で子どもを授かることができるよう尽力しています。
男性不妊に特化した日本生殖医学会認定生殖医療専門医が在籍する泌尿器科クリニック。男性不妊治療である精索静脈瘤に対する顕微鏡下手術、無精子症に対する顕微鏡下精巣精子回収術(micro-TESE)などの日帰り手術も可能で、忙しい方でもスケジュールの調整がしやすくなっています。
※1参照元:足立病院「数字でわかる足立病院」https://www.adachi-hospital.com/numbers/
※2参照元:足立病院「体外受精(凍結融解胚移植)による35歳未満の妊娠率(2024年度実績)」https://www.adachi-hospital.com/infertility/achievements/
※3参照元:日本産婦人科学会「ART臨床実施成績データ2022(PDF)」https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf