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不妊治療では、検査結果を待つ時間、毎月の妊娠判定、採卵や胚移植、治療費、仕事との両立など、さまざまな場面で心に負担がかかります。
治療が思うように進まないと、「自分のせいではないか」「いつまで続ければよいのか」と考え続けたり、妊娠・出産に関する話題を避けたくなったりすることもあるでしょう。
夫婦・パートナーの間で、治療に対する考え方やつらさの表し方が異なり、「分かってもらえない」「自分だけが治療を背負っている」と感じる場合もあります。
このような悩みは、症状が重くなってからでなければ相談できないものではありません。京都府では、妊活、不妊治療、不育、グリーフケア、仕事との両立、パートナーとの関係などを、助産師、保健師、公認心理師、社会福祉士等へLINEで相談できる窓口を設けています。
また、京都市・京都府には、こころの健康全般に関する公的な電話相談があり、不妊治療施設の中にも心理カウンセリングを行っているところがあります。
このページでは、京都で不妊治療中に利用できる公的相談窓口、心理カウンセリング、心療内科・精神科の違いと、つらさに応じた相談先の選び方を解説します。
不妊治療では、検査や治療を受けても、結果を事前に確実に予測することはできません。
体外受精では、採卵できた卵子の数、受精、胚の発育、胚移植、妊娠判定など、複数の段階で結果を待つことになります。
一つの段階を越えても、その先に新たな結果待ちがあるため、期待と不安を何度も繰り返すことがあります。
不妊治療では、月経周期や卵胞の発育に合わせて診察日が決まることがあります。
仕事の予定を変更したり、急に休暇を取ったりする必要が生じると、治療そのものに加えて職場への説明も負担になります。
不妊治療中は、家族や友人の妊娠・出産報告を心から喜べないことがあります。
喜ばしい出来事だと理解していても、同時に悲しさや焦りが生まれることは不自然ではありません。
つらい時期に人や情報から一時的に距離を取ることも、自分を守る方法の一つです。
不妊治療に対する気持ちや、つらさの表し方は人によって異なります。
一方が詳しく調べ、もう一方があまり話さない場合でも、必ずしも治療への関心がないとは限りません。しかし、負担を受け止めてもらえていないと感じると、夫婦関係にも影響することがあります。
妊娠判定が陰性だったときや、妊娠後に流産したときには、周囲から見えにくい大きな喪失感が生じることがあります。
「まだ妊娠していなかったから」「初期だったから」と、悲しさを小さく扱う必要はありません。本人がつらいと感じている時点で、相談してよい悩みです。
カウンセリングは、精神的な症状が重くなってから受けるものとは限りません。
次のように感じた時点で相談できます。
次のような状態が続いている場合は、公的相談や心理カウンセリングだけでなく、心療内科・精神科への相談も検討します。
不安や落ち込みが強いと、医師の説明を理解したり、複数の選択肢を比較したりすることが難しくなる場合があります。
カウンセラーが治療方針を決めるわけではありませんが、選択肢を考えられる状態へ気持ちを整理する手助けになる場合があります。
| 相談先 | 向いている相談 | 主な担当者 | 診断・処方 |
|---|---|---|---|
| 不妊・不育の公的相談窓口 | 治療の不安、夫婦関係、仕事との両立、相談先探し | 助産師、保健師、公認心理師等 | 行わない |
| 不妊治療施設の心理カウンセリング | 治療中の感情整理、陰性判定、治療継続の迷い | 公認心理師、臨床心理士、生殖心理カウンセラー等 | 原則行わない |
| 一般の心理カウンセリング | 夫婦関係、家族、仕事、感情の整理 | 公認心理師、臨床心理士等 | 原則行わない |
| 心療内科・精神科 | 強い不眠、不安、落ち込み、生活への影響 | 医師 | 診断・処方を行う |
| 緊急相談・救急医療 | 死にたい、自傷のおそれ、一人で安全を保てない | 相談員、医療従事者等 | 窓口・医療機関による |
京都府では、妊娠、出産、子育て等に関する悩みをLINEで相談できる「きょうと妊娠から子育てSNS相談」を設けています。
妊活、不妊治療、不妊治療と仕事の両立、不育、グリーフケア、パートナーとの関係などが相談例として挙げられています。相談には、助産師、保健師、公認心理師、社会福祉士等が対応します。
| 対象 | 京都府民 |
|---|---|
| 相談方法 | LINEによるテキスト相談、事前予約制のオンライン対面相談 |
| 受付 | 24時間365日 |
| 返信 | 原則24時間以内。日曜・祝日・年末年始を除く |
| 相談料 | 無料。通信費は利用者負担 |
2025年6月まで実施されていた「妊娠出産・不妊ほっとコール」は終了し、2025年7月からSNS相談へ移行しています。古いWEBページや記事に電話相談の案内が残っている場合があるため、現在の窓口を確認して利用してください。
公的相談窓口では、不妊治療中の不安や生活上の悩みを相談できますが、精神疾患の診断や薬の処方は行いません。
次のような対応が必要な場合は、心療内科・精神科などの医療機関へ相談します。
不妊治療施設内のカウンセリングでは、治療内容を踏まえながら、治療中の不安、夫婦関係、仕事との両立、治療の休止・終了に関する迷いなどを相談できます。
ただし、利用できる対象者、料金、曜日、予約方法は施設ごとに異なります。受診前に最新の公式情報を確認してください。
足立病院生殖医療センターでは、臨床心理士・公認心理師による心理カウンセリングを行っています。
公式サイトでは、治療、夫婦・親族との関係、仕事や家事との両立、気持ちのコントロール、治療のやめどきなどを相談内容として案内しています。
| 担当者 | 臨床心理士・公認心理師 |
|---|---|
| 相談時間 | 1回50分 |
| 対象 | 同院で治療中の方、他院で治療中の方 |
| 相談方法 | 完全予約制の対面カウンセリング、オンライン相談 |
| 費用 | 同院で治療中の方は管理料に含まれる場合あり。他院通院中の方は自費 |
心療内科・精神科へ通院中の場合は、同院のカウンセリング利用に主治医の許可が必要と案内されています。医療的な治療内容については、医師や看護師への相談が必要です。
醍醐渡辺クリニックでは、生殖心理カウンセラーによる心理カウンセリングを案内しています。
治療に関する心配・不安、治療に伴うストレス、家族や職場との関係、リラックス方法などを相談でき、夫婦でのカウンセリングにも対応しています。
| 担当者 | 生殖心理カウンセラー |
|---|---|
| 相談時間 | 1回50分 |
| 相談方法 | 予約制 |
| 夫婦相談 | 対応あり |
| 費用 | 受付へ確認。不妊治療中の方は保険診療となる場合あり |
田村秀子婦人科医院では、専任カウンセラーによる不妊カウンセリングや、性交障害に関するカウンセリングを診療内容として案内しています。
相談できる対象者、予約方法、費用、担当者の資格・相談日時は、予約前に同院へ確認しましょう。
心理カウンセリングでは、気持ちや悩みを整理する支援を受けられますが、不妊治療の医学的な方針や薬の変更を決めることはできません。
| 相談内容 | 主な相談先 |
|---|---|
| 治療結果を待つ不安 | 心理カウンセラー |
| 夫婦関係や家族との関係 | 心理カウンセラー |
| 治療を休むか迷う気持ち | 心理カウンセラーと主治医 |
| 採卵方法や薬の変更 | 不妊治療の主治医 |
| 強い不眠や抑うつ状態 | 心療内科・精神科 |
| 死にたい気持ち・自傷のおそれ | 緊急相談窓口・救急医療 |
不妊治療施設以外の心理カウンセリングでは、不妊治療に限らず、仕事、夫婦関係、親との関係、過去の喪失体験などをまとめて相談できます。
相談先を選ぶときは、次の点を確認しましょう。
カウンセラーが、不妊治療を続ける・やめるという特定の方向へ一方的に誘導することは適切ではありません。
次のような対応がある場合は、相談先の変更も検討しましょう。
診断が必要か分からない段階でも、日常生活への影響が続いている場合は、心療内科・精神科へ相談できます。
心療内科と精神科では診療範囲が重なることもあり、医療機関によって対応する症状が異なります。
「どちらへ行くべきか」を自分だけで正確に判断する必要はありません。予約時に、不眠、不安、動悸、気分の落ち込みなどの症状と、不妊治療中であることを伝え、診療対象になるか確認しましょう。
心療内科・精神科の薬を服用している場合、妊娠を希望していることを処方医へ伝えます。
また、不妊治療の主治医にも、薬の名前、服用量、服用を始めた時期を伝えましょう。
京都市内に住んでいる方は、京都市こころの健康増進センターの相談専用電話を利用できます。
こころの悩み全般について相談を受け、必要に応じて関係機関を案内しています。
| 対象 | 京都市内に住んでいる方 |
|---|---|
| 電話番号 | 075-314-0874 |
| 受付時間 | 月曜日~金曜日 9時~12時、13時~16時 |
| 休み | 祝日・年末年始 |
京都市を除く京都府内に住んでいる方は、京都府精神保健福祉総合センターのこころの健康相談を利用できます。
電話相談は無料で、相談内容に応じて来所相談や関係機関の紹介につながる場合があります。
| 対象 | 京都市を除く京都府内に住んでいる方 |
|---|---|
| 電話番号 | 075-645-5155 |
| 受付時間 | 月曜日~金曜日 9時~12時、13時~16時 |
| 休み | 祝日・年末年始 |
受付時間や対象地域は変更される可能性があります。利用時には公式サイトで最新情報を確認してください。
次のような状態にある場合は、通常予約のカウンセリングを待たず、緊急相談窓口や救急医療へ連絡してください。
京都市は、「死にたい」と感じるほどつらい方の相談先として、「きょう・こころ・ほっとでんわ」、京都府自殺ストップセンター、京都いのちの電話などを案内しています。受付時間は窓口によって異なります。
| 相談先 | 電話番号 | 受付時間 |
|---|---|---|
| きょう・こころ・ほっとでんわ | 075-321-5560 | 月曜日~金曜日 9時~16時 |
| 京都府自殺ストップセンター | 0570-783-797 | 月曜日~金曜日 9時~20時 |
| 京都いのちの電話 | 075-864-4343 | 24時間365日 |
全国から利用できる「#いのちSOS」では、電話やチャットによる相談を受け付けています。
電話:0120-061-338
今すぐ自分を傷つける可能性がある場合は、一人にならず、119番へ連絡するか、身近な方と一緒に救急医療機関を受診してください。
不妊治療の診察では、検査や薬だけでなく、治療による心の負担についても伝えて構いません。
診察時間内にうまく説明できない場合は、次のような一言から伝えてみましょう。
話すことが難しい場合は、症状や困っていることをメモに書き、診察時に見せる方法もあります。
夫婦・パートナーでも、治療の受け止め方や感情の表し方は異なります。
二人がまったく同じ気持ちになることよりも、相手が何を負担に感じ、どこまで治療を希望しているかを共有することが大切です。
次のような状態では、夫婦・カップルでのカウンセリングが選択肢になります。
京都府のSNS相談は、夫婦での相談や男性からの相談にも対応しています。醍醐渡辺クリニックも、夫婦での心理カウンセリングを案内しています。
不妊治療について職場へどこまで伝えるかに、決まった正解はありません。
カウンセリングでは、職場へ何を伝えるか、どのような言葉で説明するかを一緒に整理することもできます。
心身の負担が強い時期に、SNS、家族の集まり、友人との会食などから一時的に距離を取ることも選択肢です。
| 確認項目 | チェック |
|---|---|
| 不妊治療中の相談に対応している | |
| 担当者の資格・職種が分かる | |
| 個人・夫婦のどちらに対応するか分かる | |
| 対面・電話・オンラインの方法を確認した | |
| 料金が明記されている | |
| 1回の相談時間が分かる | |
| 予約変更・キャンセル条件が分かる | |
| 医療機関との連携方針を確認した | |
| 緊急相談への対応範囲が明確 | |
| 治療継続・中止を一方的に勧めない |
相談を始めても、うまく言葉が出ないことがあります。
最初からすべてを整理して話す必要はありません。「どこから話せばよいか分からない」と伝えるところから始められます。
カウンセラーとの相性や相談方針が合わない場合は、相談先を変更できます。
カウンセリングを受けていても、症状が強くなった場合は心療内科・精神科を受診します。
心身の負担が大きい場合は、治療を一周期休む、治療内容を見直す、転院するなどの選択肢を主治医へ相談できます。
治療を休む・続ける・終了する判断を、カウンセラーが決めるわけではありません。本人とパートナー、不妊治療の主治医が相談しながら決めます。
相談できます。
症状が重いかどうかではなく、「誰かに話を聞いてほしい」「一人では整理できない」と感じた時点で相談して構いません。
窓口や施設によって異なります。
京都府の「きょうと妊娠から子育てSNS相談」は、夫婦での相談や男性からの相談にも対応しています。醍醐渡辺クリニックも、夫婦での心理カウンセリングを案内しています。
他院で治療中の方を受け入れているカウンセリングもあります。
足立病院生殖医療センターでは、同院以外で治療を受けている方についても、自費で心理カウンセリングを利用できると案内しています。
心理カウンセリングでは、原則として薬の処方は行いません。
薬による治療が必要な場合は、心療内科・精神科などの医師へ相談します。
影響の有無は、薬の種類、服用量、症状、妊娠の可能性などによって異なります。
不妊治療の主治医と、心療内科・精神科の処方医の双方へ薬の情報を伝え、自己判断で中止しないようにしてください。
休むか迷っている段階でも相談できます。
身体的な治療計画は不妊治療の主治医へ、治療に対する気持ちや夫婦間の迷いはカウンセラーへ相談しながら整理しましょう。
男性本人の不安、パートナーへの接し方、治療への迷いなども相談できます。
男性が利用できるか、個人相談・夫婦相談のどちらになるかは窓口ごとに確認してください。
今すぐ自分を傷つける可能性がある場合は、通常予約のカウンセリングを待たず、緊急相談窓口や救急医療へ連絡してください。
一人にならず、家族・パートナー・身近な方へ現在の状態を伝えましょう。
不妊治療中の心の負担は、治療結果だけでなく、仕事、費用、夫婦関係、家族との関係など、複数の要因が重なって生じます。
相談先は、今抱えている悩みと、日常生活への影響によって選びましょう。
相談するときに大切なのは、「まだ我慢できるか」ではなく、今の自分にどのような支援が必要かを考えることです。
不妊治療中のつらさを一人で抱え込まず、公的相談、心理カウンセリング、医療機関を、状態に応じて使い分けることが大切です。
不妊治療や生殖補助医療に関する高度な専門知識と技術を持つ「日本生殖医学会認定生殖医療専門医」が常勤で在籍しているクリニック・病院の中から、治療の目的別に優れた病院・クリニック3院をご紹介します(2025年3月調査時点)。
2001年からの不妊治療による累計妊娠数は3万人以上(2025年4月調査時点)※1。チーム医療による総合力で、35歳未満の方の体外受精(融解胚移植)による妊娠率は53.4%※2(2024年度実績)と全国平均の48.6%※3よりも高い実績です。
不妊治療に取り組む患者の妊娠しやすい身体作りをサポートするため、専門薬剤師(ウィメンズ漢方)によるオンライン漢方相談を実施。医師によるタイミング療法の指導などと合わせることで、できるだけ自然に近い治療で子どもを授かることができるよう尽力しています。
男性不妊に特化した日本生殖医学会認定生殖医療専門医が在籍する泌尿器科クリニック。男性不妊治療である精索静脈瘤に対する顕微鏡下手術、無精子症に対する顕微鏡下精巣精子回収術(micro-TESE)などの日帰り手術も可能で、忙しい方でもスケジュールの調整がしやすくなっています。
※1参照元:足立病院「数字でわかる足立病院」https://www.adachi-hospital.com/numbers/
※2参照元:足立病院「体外受精(凍結融解胚移植)による35歳未満の妊娠率(2024年度実績)」https://www.adachi-hospital.com/infertility/achievements/
※3参照元:日本産婦人科学会「ART臨床実施成績データ2022(PDF)」https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf