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京都で不妊治療と鍼灸・漢方を併用するときの注意点

公開日: |最終更新日時:

京都で不妊治療と鍼灸・漢方の
併用を検討している方へ

不妊治療を続ける中で、「鍼灸を受けると着床しやすくなる」「漢方薬で妊娠しやすい身体に整えられる」といった情報を目にすることがあります。

肩こり、腰痛、月経に伴う症状、不眠、胃腸の不調などを和らげることや、治療中の気分転換を目的として、鍼灸や漢方を利用したいと考える方もいるでしょう。

一方で、鍼灸や漢方は、タイミング法、人工授精、体外受精、顕微授精などの医学的な不妊治療に代わるものではありません。

不妊症には、排卵、卵管、子宮、精子などに関係するさまざまな原因があり、原因に応じて検査や治療を組み合わせます。年齢や検査結果によっては、早めに治療を進めたほうがよい場合もあります。

鍼灸と体外受精を併用した研究もありますが、妊娠率や出生率を高める効果は、現時点で明確に確立しているとはいえません。また、漢方薬も医薬品であり、不妊治療の薬、市販薬、サプリメントとの成分重複や副作用に注意する必要があります。

このページでは、京都で不妊治療を受けながら、鍼灸・漢方を併用するときの考え方、主治医へ伝えたいこと、採卵・胚移植前後の注意点、相談先の選び方を解説します。

鍼灸・漢方は
不妊治療の代わりになる?

まずは医療機関での
検査・治療を優先する

妊娠に至らない原因は、一人ひとり異なります。

女性側では排卵障害、卵管の閉塞や癒着、子宮内膜症、子宮の病変など、男性側では精子の数や運動率、精子の通り道などに原因が見つかる場合があります。男女双方に原因がある場合や、検査をしても原因が特定できない場合もあります。

これらを確認するには、産婦人科や泌尿器科などの医療機関で検査を受ける必要があります。

たとえば、卵管が閉塞しているか、精液中に精子がいるか、子宮内に病変があるかといったことは、鍼灸の施術や漢方相談だけでは診断できません。

鍼灸や漢方を利用する場合も、次のような医療機関での検査・治療を中断しないようにしましょう。

  • ホルモン検査
  • 超音波検査
  • AMH検査
  • 子宮卵管造影検査
  • 精液検査
  • タイミング法
  • 人工授精
  • 体外受精・顕微授精

特に年齢が上がると、妊娠しにくくなる傾向があるため、鍼灸や漢方を試してから医療機関を受診するのではなく、必要な検査と並行して相談することが大切です。

補完的な利用として考える

鍼灸・漢方を取り入れる場合は、「妊娠するため」という大きな目的だけでなく、何に困っていて、何を相談したいのかを具体的にします。

たとえば、次のような症状や負担を相談する選択肢になる場合があります。

  • 肩こり・腰痛
  • 月経に伴う痛み
  • 冷えを感じる
  • 不眠
  • 胃腸の不調
  • 頭痛
  • 治療中の緊張やストレス
  • 通院中の体調管理

症状が軽くなり、治療期間を過ごしやすくなることと、妊娠率や出生率が高くなることは別です。

鍼灸・漢方は、不妊治療の成功を保証する方法ではなく、症状や体調に応じて補完的に利用するものとして考えましょう。

妊娠率を高める効果は
明確ではない

体外受精と鍼灸を併用した研究は複数行われていますが、施術方法、施術する時期、対象患者などが研究によって異なります。

米国国立補完統合衛生センターは、体外受精を受ける女性を対象とした研究レビューについて、鍼灸と偽鍼との間で妊娠率や出生率に差が確認されなかったと紹介しています。

また、男性不妊に関する鍼灸についても、精子の状態を改善するかどうかを結論付けるには、十分な研究結果がそろっていないとしています。

そのため、次のような説明をそのまま信用しないようにしましょう。

  • 鍼灸を受けると着床率が上がる
  • 移植当日に鍼を受ければ成功しやすい
  • 鍼灸によって卵子の質が改善する
  • 漢方薬で卵子が若返る
  • 漢方を飲めばAMHが上がる
  • 体質改善によって不妊が治る

個人の体験談で妊娠したと紹介されていても、鍼灸や漢方が妊娠の原因だったとは判断できません。不妊治療の内容、年齢、胚の状態など、ほかの要因も影響します。

鍼灸と漢方の違い

比較項目 鍼灸 漢方
主な方法 鍼や灸を使って身体へ刺激を与える 複数の生薬を組み合わせた漢方薬を服用する
主な提供者 はり師・きゅう師、医師 医師、薬剤師、登録販売者など
不妊治療との位置づけ 症状や体調管理を目的に補完的に利用されることがある 症状に応じ、医療機関で不妊治療と併用される場合がある
主な注意点 出血、内出血、感染、灸によるやけどなど 副作用、処方薬との相互作用、生薬の重複など
保険適用 対象となる疾患や条件が限られる 医療用漢方製剤が保険診療で処方される場合がある
主治医への共有 施術内容、施術日、施術部位などを伝える 薬名、成分、服用量、購入先を伝える

鍼灸と漢方は、方法も安全上の注意点も異なります。どちらも「自然なものだから安全」と決めつけず、不妊治療の主治医へ利用内容を伝えましょう。

不妊治療と鍼灸を
併用するときの注意点

主治医へ鍼灸を
受けていることを伝える

鍼灸を利用している場合は、不妊治療の主治医にも伝えておきましょう。

主治医へ伝えたい内容は、次のとおりです。

  • 鍼灸を受けている目的
  • 施術を受けている部位
  • 施術を受ける頻度
  • 電気鍼や灸などの施術内容
  • 採卵・胚移植前後の施術予定
  • 施術後の出血・内出血・痛み
  • 施術を受けている鍼灸院

鍼灸の効果について主治医の評価を受けることだけが目的ではありません。

採卵や胚移植、麻酔、服薬などを含めた治療全体の安全性を確認するために共有します。

採卵・胚移植前後は
施術日を確認する

採卵や胚移植の前後に鍼灸を受けたい場合は、施術日や施術部位について、主治医と鍼灸師の双方へ確認しましょう。

特に確認したいのは、次のような状況です。

  • 採卵当日に麻酔を使用する
  • 採卵後に腹痛や出血がある
  • 卵巣が腫れている
  • 胚移植当日に施術を予定している
  • 腹部や骨盤周辺へ施術する
  • 血液を固まりにくくする薬を使用している
  • 発熱や体調不良がある

「移植前後に鍼灸を受ければ着床率が上がる」という前提で施術日を決めるのではなく、体調や不妊治療の予定を優先してください。

出血・内出血・感染などに注意する

鍼灸では、施術部位の痛み、出血、内出血などが起こる場合があります。

考えられる主なリスクは次のとおりです。

  • 鍼を刺した部位の出血
  • 内出血
  • 痛み
  • 気分不良
  • 感染
  • 灸によるやけど
  • 金属による皮膚トラブル

現在服用している薬や持病によっては、出血しやすくなる場合もあります。

不妊治療以外の薬も含め、使用している薬を鍼灸師へ伝えましょう。

はり師・きゅう師の
国家資格を確認する

医師以外の方が、はり・きゅうを業として行うには、それぞれ、はり師・きゅう師の免許が必要です。

鍼灸院を選ぶときは、次の点を確認しましょう。

  • はり師・きゅう師の資格があるか
  • 施術者の氏名が示されているか
  • 使い捨て鍼を使用しているか
  • 手指や施術部位を消毒しているか
  • 出血時の対応を説明しているか
  • 不妊治療中であることを確認しているか
  • 医療機関への受診を妨げないか

法律では、はり師が施術する際に、鍼、手指、施術部位を消毒することも定められています。

不妊治療と漢方を
併用するときの注意点

漢方薬も医薬品であることを
理解する

漢方薬は、植物などを由来とする複数の生薬からつくられていますが、「天然由来だから副作用がない」というものではありません。

服用時には、次の点に注意しましょう。

  • 医療用漢方薬と市販漢方薬で成分が重複する
  • 複数の漢方薬に同じ生薬が含まれる
  • サプリメントや健康食品と成分が重複する
  • 持病によって注意が必要な成分がある
  • 妊娠後に処方の見直しが必要になる
  • 自己判断で服用量を増やすと副作用のリスクが高まる

一般用漢方製剤の使用上の注意では、医師の治療を受けている方や、妊娠中または妊娠している可能性がある方は、服用前に医師、薬剤師または登録販売者へ相談するよう示されています。

不妊治療の薬との
併用を確認する

漢方薬を服用するときは、不妊治療で使用している薬を、処方する医師や薬剤師へ伝えます。

共有したい薬の例は、次のとおりです。

  • 排卵誘発剤
  • 卵巣刺激に使う注射薬
  • 黄体ホルモン製剤
  • エストロゲン製剤
  • 低用量ピル
  • 抗凝固薬・抗血小板薬
  • 甲状腺の薬
  • 糖尿病の薬
  • ステロイド
  • 睡眠薬・抗不安薬
  • 市販薬
  • サプリメント

漢方薬と不妊治療薬を併用できるかどうかは、薬の種類や服用量、持病によって異なります。

インターネット上の情報だけで判断せず、薬名が分かる状態で医師・薬剤師へ相談しましょう。

処方内容を一か所で
確認できるようにする

複数の医療機関や薬局から薬を受け取る場合は、すべての薬の情報を共有することが大切です。

次のような方法で管理しましょう。

  • お薬手帳を一冊にまとめる
  • 市販漢方薬の商品名を記録する
  • パッケージや成分表示を撮影する
  • 処方された服用量を記録する
  • サプリメントもお薬手帳に記載する
  • 採卵・胚移植日を処方者へ伝える

不妊治療を受けているクリニックで漢方薬を処方してもらえる場合もあります。まずは、主治医へ漢方を希望していることを相談してみましょう。

副作用が疑われる場合は
服用を中止して相談する

漢方薬の服用後に、体調の変化が現れることがあります。

次のような症状がある場合は、服用を中止し、処方した医師や薬剤師へ相談してください。

  • 発疹・赤み・かゆみ
  • 息苦しさ
  • むくみ
  • 血圧の上昇
  • 動悸
  • 手足のだるさ・しびれ
  • 筋力低下
  • 筋肉痛
  • 強い倦怠感
  • 黄疸
  • 発熱・せき
  • 強い胃痛・下痢

甘草を含む漢方薬などでは、偽アルドステロン症や低カリウム血症などが報告されています。PMDAは、気になる症状が現れた場合、医師や薬剤師へ相談するよう案内しています。

複数の漢方薬に甘草が含まれていると、意図せず摂取量が増える可能性もあります。漢方薬の商品名や処方名を、必ず共有しましょう。

採卵・胚移植・妊娠後に
確認したいこと

採卵周期

採卵周期では、卵巣刺激のために複数の薬や注射を使用することがあります。

鍼灸や漢方を併用する場合は、次の項目を確認しましょう。

  • 使用中の注射・内服薬を共有する
  • 採卵日と鍼灸の施術日を共有する
  • 麻酔当日に鍼灸を受けてよいか確認する
  • 腹部への鍼灸施術について確認する
  • 採卵後の腹痛や出血がある場合は施術を受けない
  • 漢方薬を採卵当日に服用してよいか確認する

採卵後に、強い腹痛、お腹の張り、急な体重増加、息苦しさ、尿量の減少などがある場合は、鍼灸院や薬局ではなく、不妊治療を受けている医療機関へ連絡してください。

胚移植周期

胚移植周期では、自然周期で移植する場合と、ホルモン補充を行う場合があります。

次の内容を主治医や施術者へ伝えましょう。

  • 胚移植日
  • ホルモン補充薬の種類
  • 服用・投与する時間
  • 移植当日の鍼灸予定
  • 腹部への施術の有無
  • 出血や腹痛の有無

胚移植前後の鍼灸によって、着床率や妊娠率が上がると決めつけることはできません。

施術を受ける場合も、不妊治療の予定や薬の使用を優先し、身体的・時間的な負担が増えないようにしましょう。

妊娠判定後

妊娠判定で陽性となった後は、これまで使用していた漢方薬や施術内容を見直す必要があります。

  • 妊娠した可能性を鍼灸師へ伝える
  • 妊娠した可能性を漢方薬の処方者へ伝える
  • 妊娠中も服用できる漢方薬か確認する
  • 鍼灸の施術部位や刺激方法を確認する
  • 不妊治療の薬を自己判断で中止しない
  • 出血・腹痛がある場合は産婦人科へ連絡する

妊娠前に使用していた薬が、妊娠後もそのまま継続できるとは限りません。一方で、急に中止することが適切でない薬もあります。

自己判断で継続・中止せず、医師や薬剤師へ確認しましょう。

主治医へ伝える内容
チェックリスト

確認・共有する内容 チェック
鍼灸を受けていること
鍼灸を受ける目的・施術部位
施術を受ける頻度
採卵・胚移植前後の施術予定
漢方薬の商品名・処方名
漢方薬の1日の服用量
漢方薬を処方・販売した医療機関や薬局
使用している市販薬・サプリメント
併用を始めた後の体調変化
妊娠判定後の継続可否

鍼灸院を選ぶときの
チェックポイント

国家資格と施術者を確認する

鍼灸院のWEBサイトや院内表示で、施術者の氏名や資格を確認しましょう。

  • はり師の免許がある
  • きゅう師の免許がある
  • 実際に担当する施術者が分かる
  • 担当者が変更になる可能性を説明している
  • 女性施術者を希望できるか確認できる

「不妊専門」「妊活専門」という名称だけで、国家資格や不妊治療に関する医学的な診断能力が保証されるわけではありません。

衛生管理を確認する

鍼を皮膚へ刺す施術では、衛生管理が重要です。

  • 使い捨て鍼を使用しているか
  • 施術前に手指を消毒しているか
  • 施術部位を消毒しているか
  • 施術台や器具を清掃しているか
  • 出血時の対応を行っているか
  • 感染症対策について説明があるか

医療機関での治療中止を
求めないか

次のような対応がある場合は、利用を慎重に判断しましょう。

  • 不妊治療の薬をやめるよう勧める
  • 採卵や体外受精を受けないよう勧める
  • 医師の診断結果を根拠なく否定する
  • 鍼灸だけで妊娠できると説明する
  • 年齢による影響を無視して長期施術を勧める
  • 腹痛や出血があっても施術を優先する

鍼灸師は、薬を投与したり、医師が処方した薬の変更を指示したりすることはできません。

妊娠効果を断定する広告に注意する

厚生労働省は、はり・きゅう等の施術所に関する広告の適正化を目的としたガイドラインを公表しています。

次のような表現がある場合は、根拠や表示方法を慎重に確認しましょう。

  • 妊娠率が上がる
  • 着床率を改善する
  • 卵子の質がよくなる
  • 不妊症が治る
  • 体外受精の成功率が上がる
  • ○回受ければ妊娠する
  • 妊娠実績地域No.1

施術を受けた方の妊娠数が示されていても、年齢、不妊原因、併用していた治療、対象者数が分からなければ、施術の効果を判断することはできません。

漢方の相談先を選ぶときの
チェックポイント

現在使用している薬を
確認してくれるか

漢方相談を受ける際は、不妊治療の内容だけでなく、すべての薬やサプリメントを確認してくれるかを見ましょう。

  • お薬手帳を確認する
  • 採卵・胚移植の予定を確認する
  • 使用中の注射薬を確認する
  • 持病やアレルギーを確認する
  • 市販薬・サプリメントを確認する
  • 妊娠の可能性を確認する

症状や治療段階に応じて
処方を見直すか

漢方薬は、一度選んだものを妊娠まで同じ内容で飲み続ければよいとは限りません。

次のような確認が行われるかを見ましょう。

  • 服用後の症状を確認する
  • 副作用について説明する
  • 定期的に処方を見直す
  • 採卵・胚移植周期を確認する
  • 妊娠後に処方を見直す
  • 必要時に医療機関の受診を勧める

妊娠や卵子への効果を
保証していないか

次のような説明がある場合は注意が必要です。

  • この漢方薬を飲めば妊娠できる
  • 卵子が若返る
  • AMHが必ず上がる
  • 着床しやすい身体になる
  • 体外受精を受けなくてもよくなる

漢方薬によって、加齢に伴う卵子の変化を元に戻せると断定することはできません。

不妊治療の代替ではなく、症状に対する薬として、服用する目的と安全性を確認しましょう。

京都で相談先を探すときの
比較ポイント

比較項目 鍼灸院 医療機関の漢方外来 漢方相談を行う薬局
主な相談内容 こり、痛み、体調管理など 診察に基づく漢方薬の処方 症状・服薬状況を踏まえた漢方相談
主な資格 はり師・きゅう師 医師 薬剤師・登録販売者など
不妊症の診断 できない 診療科によって可能 できない
不妊治療薬との調整 主治医への確認が必要 医師が診療情報を踏まえて判断 主治医・薬剤師との情報共有が必要
保険適用 対象疾患・条件が限られる 医療用漢方製剤が保険処方される場合がある 購入する商品・相談形態によって異なる
確認したいこと 資格、衛生管理、広告表現 不妊治療との連携、診療内容 成分重複、副作用、服薬確認

通いやすさだけでなく、現在の不妊治療について理解し、必要に応じて主治医への確認を勧めてくれるかを比較しましょう。

鍼灸・漢方にかかる
費用と期間

不妊治療とは別に
費用がかかる

鍼灸や漢方は、不妊治療の費用とは別に支払いが必要になる場合があります。

想定される費用には、次のようなものがあります。

  • 初回相談料
  • 鍼灸の施術料
  • 回数券
  • 漢方薬代
  • カウンセリング料
  • 商品の配送料
  • キャンセル料

1回の金額だけでなく、月に何回利用するのかを含めて、月額と総額を確認しましょう。

高額な回数券・長期契約は
慎重に検討する

妊娠を希望していると、「できることはすべて試したい」と感じることがあります。

しかし、不妊治療にも検査、薬、採卵、胚移植などの費用がかかります。鍼灸や漢方への支出によって、必要な不妊治療を受けにくくならないようにしましょう。

契約前には次の点を確認します。

  • 1回ごとの費用
  • 月額の目安
  • 推奨される通院頻度
  • 何か月続ける前提か
  • 回数券の有効期限
  • 途中解約・返金の条件
  • 妊娠・治療中断時の扱い
  • 予約変更・キャンセル料

利用目的と見直す時期を決める

鍼灸や漢方を始めるときは、何を目的として、いつ継続を見直すかを決めておきましょう。

見直すポイントは次のとおりです。

  • 相談していた症状が軽くなったか
  • 副作用や体調悪化がないか
  • 通院負担が増えていないか
  • 不妊治療の日程に影響していないか
  • 費用を無理なく負担できるか
  • 主治医との情報共有ができているか

妊娠しなかったから鍼灸・漢方が失敗だったとも、妊娠したから鍼灸・漢方が効いたとも、一人の経過だけでは判断できません。

鍼灸・漢方よりも
医療機関への相談を優先する症状

不妊治療中に次のような症状がある場合は、鍼灸院や漢方相談先ではなく、不妊治療を受けている医療機関へ連絡してください。

  • 強い腹痛
  • 急激なお腹の張り
  • 息苦しさ
  • 尿量の減少
  • 急な体重増加
  • 多量の出血
  • 高熱
  • 激しい吐き気・嘔吐
  • 意識が遠のく
  • 胚移植後の強い腹痛・出血

我慢できない痛み、呼吸困難、意識障害、大量出血、強いアレルギー症状などがある場合は、救急受診も検討してください。

症状が不妊治療薬によるものか、漢方薬や鍼灸によるものかを自己判断せず、使用している薬や受けた施術の内容を医療機関へ伝えましょう。

鍼灸・漢方を併用するときの流れ

STEP1:利用する目的を決める

まず、何を目的に鍼灸・漢方を利用するのかを整理します。

  • 肩こりを軽くしたい
  • 不眠について相談したい
  • 月経に伴う症状を相談したい
  • 胃腸の不調を相談したい
  • 不妊治療中のストレスに対処したい

「妊娠率を上げる」だけを目的とせず、具体的な症状や困りごとを整理しましょう。

STEP2:不妊治療の主治医へ相談する

鍼灸・漢方を始める前に、不妊治療の主治医へ次の内容を伝えます。

  • 相談したい症状
  • 現在の治療周期
  • 使用している薬
  • 予定している施術
  • 検討している漢方薬
  • 採卵・胚移植の予定
  • 持病・アレルギー

STEP3:資格と安全性を確認する

  • 鍼灸師の国家資格
  • 衛生管理
  • 現在の薬を確認する姿勢
  • 副作用やリスクの説明
  • 妊娠効果を誇張していないか
  • 医療機関への受診を妨げないか

STEP4:不妊治療の日程と調整する

採卵日、胚移植日、麻酔を受ける日などを共有し、不妊治療のスケジュールを優先します。

鍼灸や漢方の予約を理由に、不妊治療の診察や薬の使用を変更しないようにしましょう。

STEP5:一定期間ごとに見直す

利用を続けるかどうかは、症状、費用、通院負担、不妊治療への影響を確認して判断します。

副作用や体調の悪化がある場合は、予定していた期間を待たずに中止し、医師・薬剤師へ相談してください。

不妊治療と鍼灸・漢方の
併用に関するよくある質問

鍼灸を受けると体外受精の
成功率が上がりますか?

現時点では、体外受精と鍼灸を併用することで、妊娠率や出生率が高くなると明確に結論付けられていません。

鍼灸と偽鍼を比較し、妊娠率・出生率に差が確認されなかったとする研究レビューもあります。

鍼灸を利用する場合は、成功率向上を前提とせず、肩こりや不眠などの具体的な症状について相談しましょう。

胚移植当日に鍼灸を
受けてもよいですか?

体調、施術部位、不妊治療の内容によって異なります。

胚移植日が決まった時点で、主治医と鍼灸師の双方へ確認してください。

移植当日の鍼灸によって着床率が上がると断定することはできません。

漢方薬を飲むと
卵子の質がよくなりますか?

特定の漢方薬によって卵子の質が改善し、妊娠率が上がると断定することはできません。

加齢に伴う卵子の変化を、漢方薬によって元に戻せるという根拠も確立していません。

不妊治療の薬と漢方薬を
一緒に飲めますか?

併用できる場合もありますが、薬の種類、漢方薬に含まれる生薬、服用量、持病によって異なります。

漢方薬の商品名や処方名を、不妊治療の主治医と薬剤師へ伝えて確認してください。

鍼灸や漢方を利用していることを
主治医に伝える必要がありますか?

安全に治療を進めるため、伝えることが大切です。

特に、採卵・胚移植前後、複数の薬を使用している場合、妊娠の可能性がある場合は、必ず共有しましょう。

「不妊専門鍼灸院」は
医療機関ですか?

鍼灸院は、不妊症の検査や診断、人工授精、体外受精などを行う医療機関ではありません。

はり・きゅうを業として行うには国家資格が必要ですが、不妊の原因を調べ、治療方針を決めるためには、産婦人科や泌尿器科などの医療機関を受診する必要があります。

鍼灸・漢方をいつまで
続ければよいですか?

一律の期間はありません。

相談している症状、体調の変化、費用、通院負担、不妊治療への影響を確認し、一定期間ごとに継続するか見直しましょう。

妊娠したら漢方薬や鍼灸を
やめるべきですか?

自己判断で継続・中止せず、妊娠の可能性を主治医、薬剤師、鍼灸師へ伝えてください。

妊娠後は漢方薬の処方や鍼灸の施術内容を変更する場合があります。不妊治療で使用している薬も、自己判断では中止しないようにしましょう。

鍼灸・漢方は主治医と
情報共有しながら利用しよう

鍼灸や漢方は、肩こり、不眠、月経に伴う症状などを相談する選択肢になる場合があります。

一方で、タイミング法、人工授精、体外受精などの医学的な不妊治療に代わるものではなく、妊娠率や出生率を高める効果を一律に期待できるものでもありません。

併用を検討するときは、次の点を確認しましょう。

  • 医療機関での不妊検査・治療を先延ばしにしない
  • 利用する目的を具体的にする
  • 鍼灸の施術内容を主治医へ伝える
  • 漢方薬の商品名・服用量を共有する
  • 不妊治療薬との併用を確認する
  • 採卵・胚移植前後の利用を相談する
  • 鍼灸師の国家資格と衛生管理を確認する
  • 妊娠効果を断定する広告を信用しすぎない
  • 高額な回数券・長期契約を慎重に検討する
  • 腹痛や出血などがある場合は医療機関を優先する

鍼灸・漢方を取り入れるかどうかだけでなく、不妊治療の安全性と継続性を優先し、主治医と情報を共有しながら利用することが大切です。

京都にある不妊治療の
クリニック・病院
おすすめ3選

不妊治療や生殖補助医療に関する高度な専門知識と技術を持つ「日本生殖医学会認定生殖医療専門医」が常勤で在籍しているクリニック・病院の中から、治療の目的別に優れた病院・クリニック3院をご紹介します(2025年3月調査時点)。

体外受精の
相談をするなら
足立病院 生殖医療センター
足立病院 生殖医療センター
引用元:足立病院 生殖医療センター公式HP
(https://www.adachi-hospital.com/infertility/)
おすすめの理由

2001年からの不妊治療による累計妊娠数は3万人以上(2025年4月調査時点)※1。チーム医療による総合力で、35歳未満の方の体外受精(融解胚移植)による妊娠率は53.4%※2(2024年度実績)と全国平均の48.6%※3よりも高い実績です。

妊娠しやすい身体づくりの
相談をするなら
田村秀子婦人科医院
田村秀子婦人科医院
引用元:田村秀子婦人科医院公式HP
(https://tamura-hideko.com/)
おすすめの理由

不妊治療に取り組む患者の妊娠しやすい身体作りをサポートするため、専門薬剤師(ウィメンズ漢方)によるオンライン漢方相談を実施。医師によるタイミング療法の指導などと合わせることで、できるだけ自然に近い治療で子どもを授かることができるよう尽力しています。

男性不妊治療の
相談をするなら
いちおか泌尿器科クリニック
いちおか泌尿器科クリニック
引用元:いちおか泌尿器科クリニック公式HP
(https://ichioka-urological-clinic.com/)
おすすめの理由

男性不妊に特化した日本生殖医学会認定生殖医療専門医が在籍する泌尿器科クリニック。男性不妊治療である精索静脈瘤に対する顕微鏡下手術、無精子症に対する顕微鏡下精巣精子回収術(micro-TESE)などの日帰り手術も可能で、忙しい方でもスケジュールの調整がしやすくなっています。

※1参照元:足立病院「数字でわかる足立病院」https://www.adachi-hospital.com/numbers/
※2参照元:足立病院「体外受精(凍結融解胚移植)による35歳未満の妊娠率(2024年度実績)」https://www.adachi-hospital.com/infertility/achievements/
※3参照元:日本産婦人科学会「ART臨床実施成績データ2022(PDF)」https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf