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精液検査を受けて「精子の運動率が低い」「精子無力症の可能性がある」と言われると、「自然妊娠できないのでは」「精子が死んでいるのでは」と不安になる方もいるでしょう。
精子無力症とは、精子の運動性が低下している状態を指します。
WHO(世界保健機関)の精液検査マニュアル第6版をもとにした下限参照値では、総運動率42%、前進運動率30%が示されています。ただし、これらの数値を下回ったから自然妊娠できないという意味ではありません。
また、「動かない精子=死んでいる精子」でもありません。生きていても動いていない精子が存在するため、運動率が著しく低い場合には生存率を確認することがあります。
精子の運動性が低下する背景には、精索静脈瘤、感染・炎症、精巣機能の低下、生活習慣などが関係する場合があります。一方で、詳しく検査をしても明確な原因が特定できないこともあります。
この記事では、精子無力症とはどのような状態なのか、精子運動率の見方、運動率が低くなる原因、検査方法、治療法、自然妊娠や人工授精・体外受精・顕微授精を考える際のポイントについて解説します。
本記事は2026年9月時点のWHO(世界保健機関)、日本泌尿器科学会、EAU(European Association of Urology)等の公開情報をもとに作成しています。精液所見は個人差や検査ごとの変動があり、必要な検査・治療も異なります。精液検査の数値だけで自己判断せず、泌尿器科や男性不妊を扱う医療機関へ相談してください。
精子無力症とは、精子の運動性が低下している状態です。
男性不妊の精液検査では、単に「精子がいるか」だけではなく、精子の数、運動性、形態などを確認します。
| 精液所見 | 主に確認するもの |
|---|---|
| 乏精子症 | 精子の数・濃度が低い状態 |
| 精子無力症 | 精子の運動性が低い状態 |
| 奇形精子症 | 正常な形態の精子の割合が低い状態 |
| 無精子症 | 精液中に精子が確認できない状態 |
精子の数、運動性、形態の異常がそれぞれ単独でみられる場合もあれば、複数が同時にみられる場合もあります。
妊娠に関わる精子の運動性を評価するときは、単に精子が動いているかだけを見るわけではありません。
精子が卵子へ到達するためには、前方へ移動する運動も重要です。
WHO第6版では、精子の動きを主に次のように評価します。
| 運動の分類 | 状態 |
|---|---|
| 前進運動 | 前方へ移動している精子 |
| 非前進運動 | 動いているものの、前方への移動が十分でない精子 |
| 不動 | 動きが確認できない精子 |
さらに前進運動について、速い前進運動と遅い前進運動に分けて評価する方法も示されています。
そのため、検査結果を見るときは「運動率○%」という一つの数字だけではなく、総運動率なのか前進運動率なのかも確認することが大切です。
WHO第6版をもとにした主な精液所見の下限参照値は次の通りです。
| 項目 | 下限参照値 | 確認する内容 |
|---|---|---|
| 精子濃度 | 1,600万/mL | 精液1mLあたりの精子数 |
| 総精子数 | 3,900万/射精 | 精液全体に含まれる精子数 |
| 総運動率 | 42% | 前進運動と非前進運動を合わせた割合 |
| 前進運動率 | 30% | 前方へ進んでいる精子の割合 |
| 生存率 | 54% | 生存している精子の割合 |
| 正常形態率 | 4% | 正常な形態の精子の割合 |
WHOの下限参照値は、自然妊娠した男性の精液所見をもとに算出された統計的な参照値です。
総運動率42%、前進運動率30%という数字は、妊娠できる男性とできない男性を明確に分ける境界線ではありません。
前進運動率が30%を下回っていても自然妊娠する可能性はあり、反対に30%以上であれば必ず自然妊娠できるというわけでもありません。
妊娠の可能性を考える際には、運動率だけでなく、精子濃度、総精子数、正常形態率、不妊期間、女性側の年齢や排卵・卵管の状態などを合わせて確認します。
以前から、精子の運動性が低い状態を「精子無力症」と分類してきました。
一方、WHO第6版では、精子濃度・運動率・形態について、それぞれの下限参照値をそのまま「正常・異常」の境界として疾患分類する考え方を重視していません。
精子無力症という分類は現在も臨床上用いられていますが、WHOの参照値を一つ下回っただけで「男性不妊」と確定するものではないことを理解しておきましょう。
精子の運動率と生存率は異なる指標です。
精子には、次のような状態があります。
そのため、運動していない精子が多いからといって、すべての精子が死んでいるという意味ではありません。
WHO第6版およびEAUのガイドラインでは、動かない精子が多い場合に精子生存率を確認することがあります。
EAUでは、不動精子が60%を超える場合に生存率検査を行う考え方が示されています。
生存率を確認することで、「生きているけれど動けない精子」が多いのか、「死んでいる精子」が多いのかを判断する材料になります。
精子の運動性が低い状態と、生存している精子自体が少ない状態は区別して考える必要があります。
特に運動率が極端に低い場合や、動いている精子がほとんど確認できない場合には、生存率を含めた詳しい評価を行うことがあります。
「精子が動いていないから妊娠できない」と自己判断せず、検査結果の意味を医師へ確認しましょう。
精液所見は一定ではなく、同じ男性でも検査する時期や条件によって結果が変わることがあります。
最初の検査で運動率が低かったとしても、1回の結果だけで精子の状態を固定的に判断するものではありません。
精液検査で異常が確認された場合には、再度検査を行い、複数回の結果を踏まえて評価することがあります。
精子の運動性を正しく評価するためには、採精から検査までの条件も重要です。
例えば、次のような点を確認します。
自宅採精が認められている場合でも、提出方法や時間などは医療機関によって指定があります。
検査結果に不安がある場合は、再検査時の採精方法についても確認しましょう。
精子無力症には一つだけの原因があるわけではありません。
精索静脈瘤や感染・炎症、精巣機能、生活習慣など、さまざまな要因が関連する場合があります。
| 主な原因・関連要因 | 確認するポイント |
|---|---|
| 精索静脈瘤 | 精巣周囲の環境へ影響し、精子濃度や運動性などが低下する場合がある |
| 感染症・炎症 | 泌尿生殖器の感染や炎症が精液所見へ影響する場合がある |
| 精巣機能の低下 | 精子形成そのものに問題がある場合がある |
| ホルモン異常 | 精子形成に関係するホルモンに異常がある場合がある |
| 遺伝的・構造的要因 | まれに精子の鞭毛などの構造や機能に関係する異常がある |
| 薬剤・治療 | 一部の薬剤、抗がん剤、放射線治療などが精子形成へ影響する場合がある |
| 生活習慣 | 喫煙、肥満、過度な飲酒などが精子の質と関連する |
| 原因不明 | 検査をしても明確な原因を特定できない場合がある |
精索静脈瘤とは、精巣から心臓へ血液を戻す静脈が拡張し、陰嚢内にこぶのような状態ができる病気です。
精巣周囲の温度や血流環境などへ影響し、精子濃度や運動率などの精液所見が低下する場合があります。
男性不妊の原因として比較的よく確認されるため、身体診察や必要に応じた超音波検査などで評価します。
ただし、精索静脈瘤がある方全員に治療が必要なわけではありません。
不妊があり、診察で確認できる精索静脈瘤と精液所見の異常がある場合などに、手術を検討することがあります。
泌尿生殖器の感染や炎症が精子の状態へ影響する場合があります。
精巣炎、精巣上体炎、前立腺などの炎症、一部の性感染症などが関係するケースがあります。
ただし、感染症があれば必ず精子無力症になるわけではありません。
症状や診察結果から感染が疑われる場合には、必要な検査を行い、感染が確認されれば原因に応じた治療を行います。
精子は精巣でつくられるため、精巣の機能が低下すると、精子の数だけでなく運動性などにも異常がみられることがあります。
停留精巣、精巣炎、精巣捻転、外傷、精巣の手術歴などがある場合は、診察時に医師へ伝えましょう。
精子形成には、FSH、LH、テストステロンなどのホルモンが関係しています。
男性不妊の評価では、必要に応じて血液検査でこれらのホルモンを確認します。
ただし、精子の運動率が低い方全員にホルモン異常があるわけではありません。
精子濃度、精巣の大きさ、既往歴なども踏まえて検査の必要性を判断します。
精子は、鞭毛と呼ばれる部分を動かして前方へ移動します。
非常にまれですが、精子の鞭毛などの構造や運動機能に関係する遺伝的な異常によって、精子がほとんど動かないケースがあります。
例えば、繰り返し検査してもほぼすべての精子が動かず、生存しているにもかかわらず運動しない精子が多い場合などには、専門的な検査を検討することがあります。
一般的な精子無力症すべてに遺伝学的検査が必要なわけではありません。
抗がん剤や放射線治療などは、治療内容によって精子をつくる機能へ影響することがあります。
精子数だけでなく、運動性などの精液所見に影響する場合もあります。
がん治療を受ける予定があり、将来子どもを希望している場合には、治療前の精子凍結など妊孕性温存について相談することがあります。
男性の生殖機能には生活習慣も関連します。
肥満、運動不足、喫煙、多量の飲酒などは、精子の質の低下と関連することが報告されています。
ただし、生活習慣を変えれば必ず精子の運動率が正常になるという意味ではありません。
生活習慣の見直しと並行して、精索静脈瘤など治療できる原因がないかを確認することが重要です。
問診、身体診察、精液検査などを行っても、精子の運動性が低い明確な原因を特定できない場合があります。
原因が分からない場合でも、不妊期間や女性側の年齢・検査結果などを含めて、自然妊娠を目指すのか、人工授精・体外受精・顕微授精を検討するのか判断します。
精子無力症を評価する基本となるのが精液検査です。
主に次のような項目を確認します。
「運動率が低かった」という結果だけを見るのではなく、精子数や形態なども含めて精液所見全体を確認します。
精液所見には変動があるため、最初の検査で運動率が低かった場合には、再検査を行うことがあります。
複数回の結果でも異常が確認された場合には、男性側の原因を詳しく調べます。
動いていない精子が多い場合には、精子が生きているかを調べる生存率検査を行うことがあります。
精子が「生きているけれど動けない」のか、「死んでいるため動かない」のかを区別するための検査です。
精液検査の数字だけでは原因は分かりません。
男性不妊の診察では、例えば次のような内容を確認します。
身体診察では、精巣の状態や精索静脈瘤の有無などを確認します。
精子形成に問題が疑われる場合には、血液検査でFSH、LH、テストステロンなどを確認することがあります。
精子無力症だから全員が受ける検査というわけではなく、精子数や身体所見などを踏まえて判断します。
精索静脈瘤などが疑われる場合には、陰嚢超音波検査を行うことがあります。
精巣や精巣周囲の状態を詳しく確認するためにも利用されます。
精子無力症だからといって、自然妊娠が不可能になるわけではありません。
精子が卵子へ到達するためには運動性が重要ですが、自然妊娠の可能性は運動率だけで決まるものではありません。
例えば次のような要素も関係します。
そのため、「運動率が20%なら自然妊娠率は○%」というように、運動率だけから個人の自然妊娠率を正確に算出することはできません。
男性側に精子無力症が見つかったとしても、それだけが妊娠しない原因とは限りません。
女性側にも排卵因子、卵管因子、子宮因子などが存在する場合があります。
また、女性側の年齢によっては、男性側の精液所見が改善するまで長期間待つことよりも、不妊治療を早めに進めた方がよいケースもあります。
夫婦双方の検査結果を合わせて治療方針を考えることが重要です。
精液検査で運動率が低いと言われると、「運動率を上げる食べ物」「精子を元気にするサプリ」などを探したくなる方もいるでしょう。
しかし、精子無力症では、まず運動率が低くなっている原因を確認することが大切です。
精索静脈瘤や感染症など、治療を検討できる原因が隠れている場合があります。
単に運動率の数字を上げることを目標にするのではなく、治療できる原因がないか確認しましょう。
男性不妊がある方では、精子の状態へ悪影響を与える可能性がある生活習慣を見直すことも大切です。
ただし、生活習慣改善だけで精子無力症が必ず治るわけではありません。
男性不妊向けとして、亜鉛、ビタミン類、コエンザイムQ10など、さまざまな成分を含むサプリメントが販売されています。
抗酸化成分などによる精液所見への影響は研究されていますが、特定のサプリメントを飲めば精子無力症が治り、妊娠・出産につながると一律に言えるだけの根拠は確立されていません。
精子の運動率が著しく低い場合にサプリメントだけで長期間様子を見ると、原因の診断や必要な不妊治療の開始が遅れる可能性があります。
サプリメントを使用する場合も、原因検索や治療の代わりにはしないようにしましょう。
精子無力症に全員共通の治療法があるわけではありません。
治療できる原因が確認された場合には原因に対する治療を行い、夫婦の状況に応じて人工授精、体外受精、顕微授精などを検討します。
不妊があり、診察で確認できる精索静脈瘤と精液所見異常がある場合などには、精索静脈瘤の手術を検討することがあります。
精索静脈瘤の治療後に精液所見が改善するケースはありますが、すべての方で精子運動率が改善するとは限りません。
精索静脈瘤の状態、精液所見、女性側の年齢や卵巣予備能、今後予定している不妊治療などを含めて治療の必要性を判断します。
検査によって泌尿生殖器の感染症が確認された場合には、その原因に応じた治療を行います。
感染や炎症を治療することで精液所見が改善するケースがありますが、それによって必ず自然妊娠率が上がるというわけではありません。
ホルモン検査などによって治療可能な異常が確認された場合には、原因に応じた治療を行うことがあります。
精子無力症という検査結果だけを理由に、すべての方へ同じ薬を使用するものではありません。
原因不明の精子無力症では、生活習慣などを見直しながら精液所見を経過観察する場合があります。
ただし、運動率が正常値になるまで何年も待つことが最適とは限りません。
女性側の年齢、不妊期間、ほかの不妊原因などを踏まえて、人工授精や体外受精などへ進む時期も検討します。
精子の運動率が低くても、その程度が軽く、精子数や女性側の状態などに大きな問題がなければ、タイミング法を行うことがあります。
一方、運動する精子が著しく少ない場合や、不妊期間が長い場合には、ほかの治療方法を検討することがあります。
人工授精では、採取した精液を処理し、運動性のある精子を集めて女性の子宮内へ注入します。
精子無力症でも人工授精を行える場合があります。
ただし、治療を選ぶ際には、検査票に記載された運動率だけではなく、精液処理後にどの程度の運動精子を確保できるかなども参考にします。
精子数や運動性が著しく低い場合には、人工授精で十分な効果が期待しにくいことがあります。
体外受精では、女性の卵巣から採取した卵子と男性から採取した精子を体外で受精させます。
人工授精を行っても妊娠に至らない場合や、女性側にも不妊原因がある場合などに検討します。
顕微授精では、顕微鏡で確認した精子を1個選び、細い針を使って卵子の細胞質内へ直接注入します。
運動する精子が非常に少ない場合や、通常の体外受精では受精が難しいと考えられる場合などに検討されます。
ただし、「精子無力症なら必ず顕微授精」というわけではありません。
精子濃度や運動性だけでなく、女性側の年齢、採卵できた卵子数、これまでの治療歴などを含めて治療方法を選びます。
精子の運動率が低い原因を男性側から詳しく調べたい場合には、男性不妊を扱う泌尿器科が相談先の一つです。
精液検査だけでなく、精巣の診察、精索静脈瘤の確認、必要に応じたホルモン検査や超音波検査などを行います。
夫婦として妊娠を目指す治療を進めたい場合には、生殖医療を扱う不妊治療クリニックへ相談する方法もあります。
女性側の検査と男性側の精液所見を合わせて、タイミング法、人工授精、体外受精、顕微授精などから治療方針を考えます。
特に次のような場合には、男性不妊を専門的に診療する泌尿器科などへの相談を検討しましょう。
精子の運動率が低いと言われると、「どうすれば前進運動率を30%以上にできるか」と考えやすくなります。
しかし、不妊治療の目的は検査表の数字を基準値まで上げることではなく、夫婦が妊娠・出産へ進む可能性を高めることです。
原因治療によって精液所見の改善を目指しながら、必要であれば人工授精・体外受精・顕微授精などを検討します。
男性側の治療によって精子の運動性が改善するまで待つかどうかは、女性側の年齢や卵巣予備能などによっても変わります。
特に女性側の年齢が高い場合には、男性側の精液所見の改善だけを長期間待つことで、不妊治療開始が遅れる影響も考える必要があります。
男性側の原因治療と、夫婦として妊娠を目指す不妊治療を別々に考えず、同じ時間軸で治療計画を立てることが重要です。
男性側に精子無力症が見つかった場合でも、それが唯一の不妊原因とは限りません。
女性側の排卵、卵管、子宮、年齢なども合わせて確認し、夫婦双方の状態から治療方針を決めましょう。
A.精子の運動性が低下している状態です。
精液検査では、総運動率や前進運動率などを確認します。
A.WHO第6版をもとにした下限参照値では、総運動率42%、前進運動率30%が示されています。
ただし、これらは「妊娠できる・できない」を分ける絶対的な基準ではありません。
A.自然妊娠が不可能という意味ではありません。
精子の運動率だけでなく、精子数、前進運動する精子の数、女性側の年齢や卵管・排卵の状態なども妊娠の可能性に関係します。
A.そうとは限りません。
生きているものの動いていない精子も存在します。
動かない精子が多い場合には、必要に応じて精子生存率を調べることがあります。
A.動いている精子が確認できなくても、生存している精子が存在する可能性があります。
運動率が極端に低い場合には、生存率などを確認し、状態に応じて詳しい評価を行います。
A.変動することがあります。
そのため、一度の精液検査で運動率が低かった場合でも、必要に応じて再検査を行います。
A.精索静脈瘤、感染・炎症、精巣機能の低下、ホルモン異常、薬剤や治療の影響、生活習慣などが関係する場合があります。
ただし、詳しく調べても明確な原因を特定できないこともあります。
A.精索静脈瘤の治療後に精液所見が改善するケースがあります。
ただし、すべての方で運動率が改善するとは限らず、精索静脈瘤の状態や夫婦双方の状況から治療の必要性を判断します。
A.特定のサプリメントを飲めば精子無力症が治り、妊娠・出産につながると一律に言えるだけの根拠は確立されていません。
サプリメントだけに頼らず、精索静脈瘤など治療できる原因がないか確認しましょう。
A.精子無力症でも人工授精を行える場合があります。
精子濃度や運動率、精液処理後に得られる運動精子数などを踏まえて判断します。
A.すべての方に顕微授精が必要なわけではありません。
精子の数や運動性、女性側の年齢、これまでの治療結果などを踏まえて、人工授精、体外受精、顕微授精などから選択します。
A.原因によって異なります。
精索静脈瘤や感染症など、原因に対する治療を検討できる場合があります。一方、明確な原因が分からない精子無力症もあります。
A.男性側の原因を詳しく調べたい場合は、男性不妊を扱う泌尿器科が相談先になります。
夫婦で不妊治療を進める場合は、男性側の検査・治療にも対応している生殖医療クリニックへ相談する方法もあります。
精子無力症とは、精子の運動性が低下している状態です。
WHO第6版をもとにした下限参照値では、総運動率42%、前進運動率30%が示されています。
ただし、前進運動率30%を下回ったから自然妊娠できないという意味ではありません。
また、動いていない精子がすべて死んでいるわけでもありません。運動する精子が著しく少ない場合には、必要に応じて生存率を確認します。
精液所見は検査ごとに変動することがあるため、最初の検査で運動率が低かった場合には、再検査を行って状態を確認することがあります。
精子の運動率が低下する原因には、精索静脈瘤、感染や炎症、精巣機能の低下、ホルモン異常、薬剤や治療の影響、生活習慣などがあります。一方で、検査をしても明確な原因が見つからない場合もあります。
原因が確認された場合には原因に対する治療を検討し、自然妊娠が難しい場合には人工授精、体外受精、顕微授精などを選択します。
大切なのは、「運動率を30%以上にすること」だけを目標にしないことです。
男性側の原因を調べるとともに、女性側の年齢や不妊原因、不妊期間などを合わせて、夫婦としてどの治療をどのタイミングで行うか考えましょう。
京都で精子無力症や男性不妊について相談したい方は、精液検査だけでなく、精索静脈瘤や精巣の状態など男性側の原因まで調べられるかを確認して医療機関を選ぶことが大切です。
主な参考情報
不妊治療や生殖補助医療に関する高度な専門知識と技術を持つ「日本生殖医学会認定生殖医療専門医」が常勤で在籍しているクリニック・病院の中から、治療の目的別に優れた病院・クリニック3院をご紹介します(2025年3月調査時点)。
体外受精を含め、専門医の体制や具体的な治療実績を確認しながら、本格的に不妊治療を進めたい方に向いています。
不妊治療だけでなく、体調や生活習慣、漢方なども含めて妊娠に向けた身体づくりを相談したい方に向いています。
男性側の不妊原因を詳しく調べたい方や、検査だけでなく手術を含めた男性不妊治療まで相談したい方に向いています。
※1参照元:足立病院「数字でわかる足立病院」https://www.adachi-hospital.com/numbers/
※2参照元:足立病院「体外受精(凍結融解胚移植)による35歳未満の妊娠率(2024年度実績)」https://www.adachi-hospital.com/infertility/achievements/
※3参照元:日本産婦人科学会「ART臨床実施成績データ2022(PDF)」https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf