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精液検査を受けて「精子の数が少ない」「乏精子症の可能性がある」と言われ、不安を感じている方もいるでしょう。
乏精子症とは、精液1mLあたりに含まれる精子の数である「精子濃度」が低い状態を指します。
WHO(世界保健機関)の精液検査マニュアル第6版をもとにすると、精子濃度の下限参照値は1mLあたり1,600万です。ただし、1,600万/mLを下回ったから妊娠できない、上回っていれば妊娠できるという意味ではありません。
精液検査では精子濃度だけでなく、精液全体に含まれる総精子数、精子の運動率や形態などを確認します。また、精液所見は検査ごとに変動することもあるため、1回の結果だけで男性不妊の原因や妊娠の可能性を判断するものではありません。
乏精子症の背景には、精索静脈瘤、ホルモンの異常、精巣の病気や既往歴、遺伝的要因などが隠れていることがあります。一方、詳しく調べても明確な原因を特定できない場合もあります。
この記事では、乏精子症とはどのような状態なのか、WHOの基準値の見方、主な原因、検査方法、治療法、自然妊娠や人工授精・体外受精・顕微授精を考える際のポイントについて解説します。
本記事は2026年9月時点のWHO(世界保健機関)、日本泌尿器科学会、EAU(European Association of Urology)等の公開情報をもとに作成しています。精液所見や必要な検査・治療は個人によって異なります。検査結果だけで自己判断せず、泌尿器科や男性不妊を扱う医療機関へ相談してください。
乏精子症は、精液中の精子濃度が低い状態です。
男性不妊では、精子の「数」だけでなく、「動き」や「形」などにも異常がみられることがあります。
| 精液所見・指標 | 意味 |
|---|---|
| 精子濃度 | 精液1mLあたりに含まれる精子の数 |
| 総精子数 | 1回の射精で得られた精液全体に含まれる精子の数 |
| 乏精子症 | 精子濃度が低い状態 |
| 精子無力症 | 精子の運動性が低い状態 |
| 奇形精子症 | 正常な形態の精子の割合が低い状態 |
| 無精子症 | 精液中に精子が確認できない状態 |
乏精子症で確認する「精子濃度」と、射精された「精液の量」は別のものです。
例えば、精液量が十分あっても、その中に含まれる精子の濃度が低い場合があります。
反対に、精液量が少なくても精子濃度そのものは下限参照値を上回っていることがあります。
そのため、精液検査では精子濃度だけを見るのではなく、精液量と精子濃度から算出される総精子数なども含めて確認します。
精子濃度は男性側の妊娠に関わる状態を確認する重要な指標ですが、一つの数値だけで妊娠できる・できないを判断することはできません。
精液検査では、精子濃度に加えて、総精子数、運動率、正常形態率などを確認します。
さらに実際の妊娠の可能性には、女性側の年齢や排卵、卵管、子宮の状態、不妊期間などさまざまな要素が関係します。
乏精子症は「妊娠できないという診断」ではなく、精液検査で確認された一つの状態として捉えることが大切です。
WHOの「精液検査と処理のためのラボマニュアル第6版」をもとにした主な下限参照値は次の通りです。
| 項目 | 下限参照値 |
|---|---|
| 精液量 | 1.4mL |
| 精子濃度 | 1,600万/mL |
| 総精子数 | 3,900万/射精 |
| 総運動率 | 42% |
| 前進運動率 | 30% |
| 正常形態率 | 4% |
EAUの男性不妊ガイドラインでは、臨床上、精子濃度が1,600万/mL未満の状態を「乏精子症」とする分類を用いています。
ただし、WHO第6版では、この値を単純な「正常」「異常」の境界線として扱うことを目的としていません。
WHOの下限参照値は、妊娠した男性の精液所見をもとに算出された統計上の参照値です。
そのため、精子濃度が1,600万/mLを下回ったからといって、自然妊娠できないという意味ではありません。
反対に、1,600万/mLを上回っていれば必ず自然妊娠できるというものでもありません。
WHOの下限参照値を「妊娠できる最低ライン」と捉えないことが重要です。
同じ精子濃度でも、精液量によって射精1回あたりの総精子数は異なります。
また、精子が十分に存在していても、運動する精子が少なければ卵子まで到達しにくくなる可能性があります。
そのため、不妊治療では精子濃度だけでなく、総精子数や運動率、正常形態率などを総合的に確認します。
精液所見は一定ではなく、同じ人でも検査する時期や体調などによって変動することがあります。
そのため、初回の精液検査で基準値を下回った場合でも、すぐに「乏精子症が確定した」「自然妊娠できない」と判断するものではありません。
EAUのガイドラインでは、最初の精液検査で異常があった場合、少なくとも2回の精液検査を行うことが推奨されています。
精液所見には、さまざまな要因が影響する可能性があります。
精液検査で低い数値が出た場合は、結果を自己判断するのではなく、再検査の必要性を医師へ確認しましょう。
乏精子症は一つの病気だけによって起こるわけではありません。
精子をつくる精巣の機能、ホルモン、精索静脈瘤、遺伝的要因、過去の病気や治療など、さまざまな原因が関係します。
| 主な原因・関連要因 | 確認するポイント |
|---|---|
| 精索静脈瘤 | 精巣周囲の静脈が拡張し、精巣機能や精液所見に影響する場合がある |
| ホルモンの異常 | 精子形成に関係するFSH・LH・テストステロンなどを確認する |
| 遺伝的・染色体の要因 | 重度の乏精子症などで検査が検討される場合がある |
| 精巣の病気・既往歴 | 停留精巣、精巣炎、精巣の外傷・手術歴などを確認する |
| 感染・炎症 | 泌尿生殖器の感染や炎症が関係する場合がある |
| 薬剤・治療 | 抗がん剤、放射線治療、一部の薬剤などが精子形成に影響する場合がある |
| 生活習慣・環境 | 喫煙、肥満、過度な飲酒などが精子の質と関連する |
| 原因不明 | 詳しい検査をしても明確な原因を特定できない場合がある |
精索静脈瘤とは、精巣から心臓へ血液を戻す静脈が拡張し、陰嚢内にこぶのような状態ができる病気です。
精巣周囲の温度上昇や血流環境などを通じて精巣機能へ影響し、精子濃度や運動率などの精液所見が低下する場合があります。
すべての精索静脈瘤で治療が必要になるわけではありませんが、不妊があり、触診で確認できる精索静脈瘤と精液所見の異常がある場合などには、手術が検討されることがあります。
精子は、脳の視床下部や下垂体、精巣などが連携し、ホルモンの働きを通じてつくられます。
男性不妊の評価では、必要に応じてFSH、LH、テストステロンなどを血液検査で確認します。
ホルモンの分泌に問題があり精子形成が低下している場合には、その原因に応じた治療が検討されます。
ただし、ホルモン値が正常であれば必ず精子数が正常になるというわけではありません。
精子をつくる機能が著しく低下している男性では、染色体や遺伝子に関係する要因が見つかることがあります。
代表的なものとして、クラインフェルター症候群やY染色体微小欠失などがあります。
乏精子症の方全員が遺伝学的検査を受けるわけではありませんが、精子濃度が非常に低い場合などには、医師が染色体検査や遺伝学的検査を検討することがあります。
検査の必要性は精子濃度だけでなく、精巣の状態、ホルモン値、既往歴なども含めて判断されます。
過去の病気や治療が精子形成へ影響している場合もあります。
男性不妊の診察では、次のような既往歴について確認されることがあります。
幼少期の病気や手術も関係することがあるため、分かる範囲で医師へ伝えましょう。
泌尿生殖器の感染症や炎症が男性の生殖機能へ影響する場合があります。
ただし、感染症があれば必ず乏精子症になるという意味ではありません。
症状や診察結果などから感染が疑われる場合には、必要な検査や治療を行います。
抗がん剤や放射線治療などは、治療内容によって精子をつくる機能へ影響することがあります。
がん治療を受ける予定があり、将来的に子どもを希望している場合には、治療前に精子凍結など妊孕性温存について相談する場合があります。
男性ホルモンであるテストステロンは精子形成にも関係するため、「テストステロンを補充すれば精子が増える」と考える方もいるかもしれません。
しかし、外部からテストステロンを投与すると、脳から精巣へのホルモン刺激が抑えられ、かえって精子形成が低下することがあります。
妊娠を希望している男性が、自己判断でテストステロン製剤や筋肉増強目的のアナボリックステロイドを使用することは避けましょう。
現在薬剤を使用している場合は、自己判断で中止せず、処方医や男性不妊を診療する医師へ相談してください。
男性の生殖機能には生活習慣も関係します。
肥満、運動不足、喫煙、多量の飲酒などは、精子の質や男性ホルモンの状態との関連が報告されています。
ただし、生活習慣を変えれば必ず乏精子症が治るというものではありません。
生活習慣を見直しながら、精索静脈瘤やホルモン異常など治療可能な原因がないかを調べることが重要です。
問診、診察、精液検査、ホルモン検査などを行っても、精子濃度が低い明確な原因を特定できない場合があります。
このような場合でも、「原因が分からないから何もできない」というわけではありません。
現在の精液所見、不妊期間、女性側の年齢や検査結果などを踏まえ、自然妊娠を待つのか、人工授精・体外受精・顕微授精などを検討するのか判断します。
「1,500万/mLだった場合」と「100万/mLだった場合」では、同じ乏精子症であっても背景や必要な検査が異なることがあります。
EAUのガイドラインでは、精子濃度500万/mL未満を重度の乏精子症として扱い、このような場合には精路の閉塞や遺伝的異常がみられる割合が高くなるとしています。
そのため、精子濃度が著しく低い場合は、「精子を増やす方法」だけを探すのではなく、なぜ少なくなっているのかを男性不妊の専門的な診察で確認することが重要です。
重度の乏精子症や無精子症では、医師の判断によって染色体検査やY染色体微小欠失検査などを行う場合があります。
どの検査が必要になるかは精液検査の数値だけでは決まりません。
精巣の大きさ、ホルモン値、身体所見、家族歴などを含めて判断されます。
乏精子症を確認する基本となるのが精液検査です。
主に次のような項目を調べます。
一つの項目だけでなく、精液所見全体を確認することが重要です。
精液所見には変動があるため、初回検査で異常が認められた場合には、再度精液検査を行うことがあります。
「一度1,600万/mLを下回ったから乏精子症が確定」というように、1回の検査結果だけで判断しないことが大切です。
男性不妊の診察では、精液検査の数字だけではなく、これまでの病歴や身体の状態を確認します。
例えば次のような内容です。
また、精巣の大きさや硬さ、精索静脈瘤の有無などを診察する場合があります。
精子形成の状態を調べるため、血液検査でFSH、LH、テストステロンなどのホルモンを確認することがあります。
ホルモンの値から、精巣そのものの機能や、脳の下垂体から精巣へ送られる指令に問題がないかを評価します。
精索静脈瘤などが疑われる場合には、陰嚢超音波検査を行うことがあります。
触診だけでは判断しにくい場合や、精巣・精巣周囲の状態を確認する際にも利用されます。
精子濃度が非常に低い場合などには、染色体やY染色体の一部を調べる検査が検討されることがあります。
すべての乏精子症で必要になる検査ではないため、医師と相談して適応を判断します。
乏精子症だからといって、自然妊娠が不可能になるわけではありません。
自然妊娠には、精子濃度だけでなく、精子の運動性や総精子数なども関係します。
また、妊娠は男性側だけで成立するものではありません。
女性側の年齢、排卵の状態、卵管の通過性、子宮の状態などによっても妊娠の可能性は変わります。
そのため、「精子濃度が○万/mLなら自然妊娠率は○%」というように、一つの数値から個人の妊娠率を正確に算出することはできません。
例えば、男性側に軽度の精液所見異常があっても、女性側の年齢が比較的若く、ほかに大きな不妊原因が見つからない場合には、自然妊娠を目指す期間を設けることがあります。
一方、女性側の年齢が高い場合や、不妊期間が長い場合、女性側にも治療が必要な要因がある場合には、早い段階から人工授精や体外受精などを検討することがあります。
乏精子症の治療では、「男性の精子数を正常値まで増やしてから次へ進む」と考えるのではなく、夫婦全体の時間と妊娠の可能性を見ながら治療方針を決めることが重要です。
乏精子症には、全員に共通する一つの治療法があるわけではありません。
原因が分かる場合には原因に対する治療を行い、必要に応じて人工授精、体外受精、顕微授精などを組み合わせます。
不妊があり、診察で確認できる精索静脈瘤と精液所見の異常がある場合などには、精索静脈瘤に対する手術が検討されることがあります。
精索静脈瘤を治療した男性では、精子濃度などの精液所見が改善するケースが報告されています。
ただし、精索静脈瘤があれば全員が手術を受けた方がよいということではありません。
精液検査の結果、精索静脈瘤の状態、女性側の年齢や卵巣予備能、今後予定している不妊治療などを含めて判断します。
ホルモン検査で精子形成に影響する異常が確認された場合には、原因に応じたホルモン治療などが行われることがあります。
どの薬を使用するかはホルモン異常の種類によって異なります。
自己判断で男性ホルモンを補充するのではなく、男性不妊を診療する医師のもとで原因を確認する必要があります。
男性不妊がある方では、精子の状態に悪影響を与える可能性のある生活習慣を見直すことも大切です。
ただし、生活習慣の改善だけで乏精子症が必ず治るわけではありません。
生活習慣を整えながら、治療可能な原因がないかを調べましょう。
男性不妊向けとして、亜鉛や各種ビタミン、抗酸化成分などを含むサプリメントが販売されています。
しかし、特定のサプリメントを飲めば乏精子症が治り、妊娠率や出生率が上がると一律に言えるだけの根拠は確立されていません。
特に精子濃度が著しく低い場合に、サプリメントだけで長期間様子を見ると、原因疾患の診断や必要な不妊治療の開始が遅れる可能性があります。
「精子を増やすサプリ」を探す前に、まず精子が少ない原因を調べることが重要です。
原因に対する治療を行っても妊娠に至らない場合や、精液所見・夫婦の状況から自然妊娠を長期間待つことが適切でない場合には、生殖補助医療を検討します。
タイミング法は、女性の排卵時期を予測して性交のタイミングを合わせる方法です。
乏精子症があっても、その程度やほかの精液所見、女性側の状態などによってはタイミング法から開始する場合があります。
ただし、精子数が著しく少ない場合や不妊期間が長い場合などには、別の治療方法を検討することがあります。
人工授精では、採取した精液から運動性のある精子を洗浄・濃縮し、排卵時期に合わせて子宮内へ注入します。
自然な性交よりも多くの運動精子を子宮内へ届けることを目的とした治療です。
乏精子症でも人工授精を行える場合がありますが、精子数や運動性が著しく低い場合には十分な効果が期待しにくいことがあります。
人工授精を行うかどうかは、処理後に得られる運動精子数なども含めて医師が判断します。
体外受精では、女性の卵巣から採取した卵子と男性から採取した精子を体外で受精させ、育った胚を子宮へ戻します。
乏精子症の程度、これまでの人工授精の結果、女性側の年齢や不妊原因などから体外受精を検討する場合があります。
顕微授精では、顕微鏡で選んだ1個の精子を細い針を使って卵子の細胞質内へ直接注入します。
精子数が非常に少ない場合や運動性が低い場合、通常の体外受精では受精が難しいと考えられる場合などに検討されます。
ただし、「乏精子症なら必ず顕微授精」というわけではありません。
精液所見だけでなく、女性側の年齢、採卵できる卵子数、これまでの治療歴などを含めて治療方法を決めます。
精子が少ない原因を男性側から詳しく調べたい場合は、男性不妊を扱う泌尿器科が相談先の一つです。
精液検査だけではなく、精巣の診察、精索静脈瘤の有無、ホルモン検査、超音波検査、必要に応じた遺伝学的検査などを行い、男性側の原因を評価します。
夫婦で不妊治療を進めている場合には、生殖医療を扱う不妊治療クリニックでも精液検査を受けられることがあります。
女性側の検査結果と合わせて、タイミング法、人工授精、体外受精、顕微授精など今後の治療方針を考えやすい点が特徴です。
特に次のような場合には、男性不妊を専門的に診療する泌尿器科などへの相談を検討しましょう。
乏精子症と診断されると、「どうすれば1,600万/mL以上まで精子を増やせるか」と考えやすくなります。
しかし、不妊治療の最終的な目的は検査結果を正常値にすることではなく、夫婦が妊娠・出産へ進める可能性を高めることです。
精索静脈瘤など治療できる原因があれば治療を検討しつつ、必要であれば人工授精や体外受精などを並行して考えます。
男性側の治療による精液所見の改善を待つことが適切かどうかは、女性側の年齢や卵巣予備能などによっても変わります。
例えば、男性側の治療だけを長期間続けることで、女性側の年齢が上がる影響も考慮する必要があります。
男性側の原因治療と、夫婦として妊娠を目指す治療の時間軸を分けずに考えることが大切です。
男性に乏精子症が見つかったとしても、それだけが妊娠しない原因とは限りません。
女性側にも排卵因子、卵管因子、子宮因子などが存在する場合があります。
「男性側に原因が見つかったから女性側は検査しなくてよい」とせず、必要に応じて夫婦双方の検査を並行して進めましょう。
A.精液中に含まれる精子の濃度が低い状態です。
EAUの男性不妊ガイドラインでは、臨床上、精子濃度1,600万/mL未満を乏精子症とする分類を用いています。
A.WHO第6版をもとにした精子濃度の下限参照値は1mLあたり1,600万です。
ただし、この数字は「妊娠できる最低ライン」ではありません。
A.自然妊娠が不可能という意味ではありません。
精子濃度が下限参照値を下回っていても自然妊娠する方はいます。
精子濃度だけでなく、総精子数、運動率、女性側の年齢や不妊原因などを合わせて考えます。
A.1回の検査だけで判断するものではありません。
精液所見は変動するため、最初の検査で異常が確認された場合には再検査を行うことがあります。
A.精索静脈瘤、ホルモン異常、精巣の病気や既往歴、遺伝的要因、薬剤・治療の影響などがあります。
ただし、詳しく検査しても原因を特定できない場合もあります。
A.原因によって異なります。
精索静脈瘤や一部のホルモン異常など、原因に対する治療を行える場合があります。
一方で、明確な原因が分からない乏精子症もあります。
A.精液所見が異常な男性では、精索静脈瘤の治療後に精子濃度などが改善する場合があります。
ただし、精索静脈瘤がある方全員に手術が必要なわけではなく、精液所見や女性側の状態なども踏まえて適応を判断します。
A.乏精子症でも人工授精を行える場合があります。
ただし、精子数や運動率が著しく低い場合には人工授精の効果が期待しにくいこともあります。
精液処理後の運動精子数などを含めて医師が判断します。
A.乏精子症だけを理由に、すべての方が顕微授精を受けるわけではありません。
精子濃度や運動率、女性側の年齢、これまでの不妊治療歴などをもとに、タイミング法、人工授精、体外受精、顕微授精のどれを選ぶか考えます。
A.特定のサプリメントを飲めば、乏精子症が治ると一律に言えるだけの根拠は確立されていません。
精子が少ない場合は、サプリメントだけに頼らず、精索静脈瘤やホルモン異常などの原因がないか調べることが重要です。
A.自己判断でテストステロン製剤を使用することは避けましょう。
外部からテストステロンを補うことで精子形成が抑制される場合があり、男性不妊の治療目的では使用しません。
A.乏精子症そのものがすべて遺伝するわけではありません。
ただし、精子濃度が著しく低い方の一部では、染色体や遺伝子に関係する要因が見つかることがあります。
必要に応じて遺伝学的検査や遺伝カウンセリングを検討します。
A.男性側の原因を詳しく調べたい場合は、男性不妊を扱う泌尿器科や男性不妊専門外来が相談先となります。
夫婦で不妊治療を進めたい場合は、男性側の検査・治療にも対応している生殖医療クリニックへ相談する方法もあります。
乏精子症とは、精液中の精子濃度が低い状態です。
WHO第6版をもとにした精子濃度の下限参照値は1mLあたり1,600万ですが、この数値を下回ったから自然妊娠できないという意味ではありません。
精液検査では、精子濃度だけでなく、精液全体の総精子数、運動率、正常形態率などを確認します。
また、精液所見は同じ男性でも変動するため、初回検査で異常があった場合には再度検査を行い、その結果を踏まえて評価することが重要です。
乏精子症の原因には、精索静脈瘤、ホルモン異常、精巣の病気や既往歴、遺伝的要因、薬剤や治療の影響などがあります。一方で、検査をしても明確な原因が特定できない場合もあります。
原因が見つかった場合には、精索静脈瘤の手術やホルモン異常への治療などを検討します。
自然妊娠が難しい場合には、精液所見や女性側の年齢・不妊原因などを踏まえ、人工授精、体外受精、顕微授精へ進む場合があります。
大切なのは、「精子数を1,600万/mL以上にすること」だけを目標にしないことです。
男性側の原因を調べながら、女性側の年齢や検査結果、不妊期間も合わせて、夫婦として妊娠を目指すためにどの治療をどのタイミングで行うか考えましょう。
京都で男性不妊や乏精子症について相談したい方は、精液検査だけでなく、ホルモン検査や超音波検査、精索静脈瘤など男性側の原因まで調べられるかを確認して医療機関を選ぶことが大切です。
主な参考情報
不妊治療や生殖補助医療に関する高度な専門知識と技術を持つ「日本生殖医学会認定生殖医療専門医」が常勤で在籍しているクリニック・病院の中から、治療の目的別に優れた病院・クリニック3院をご紹介します(2025年3月調査時点)。
体外受精を含め、専門医の体制や具体的な治療実績を確認しながら、本格的に不妊治療を進めたい方に向いています。
不妊治療だけでなく、体調や生活習慣、漢方なども含めて妊娠に向けた身体づくりを相談したい方に向いています。
男性側の不妊原因を詳しく調べたい方や、検査だけでなく手術を含めた男性不妊治療まで相談したい方に向いています。
※1参照元:足立病院「数字でわかる足立病院」https://www.adachi-hospital.com/numbers/
※2参照元:足立病院「体外受精(凍結融解胚移植)による35歳未満の妊娠率(2024年度実績)」https://www.adachi-hospital.com/infertility/achievements/
※3参照元:日本産婦人科学会「ART臨床実施成績データ2022(PDF)」https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf