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不妊検査や超音波検査で「子宮内膜ポリープがあります」と言われ、「これが原因で妊娠できないの?」「手術で取った方がいい?」と不安になる方もいるでしょう。
子宮内膜ポリープとは、子宮の内側を覆っている子宮内膜の一部が、子宮腔へ向かって突出した病変です。
多くは良性で、不正出血や過多月経などの症状が出る場合もあれば、不妊検査を受けるまで気づかない場合もあります。
子宮内膜ポリープは、受精卵が子宮内膜へ着床する際の妨げとなり、不妊の一因になる可能性があります。
一方で、子宮内膜ポリープがあるから必ず妊娠できないわけでも、見つかったポリープをすべて手術で取らなければならないわけでもありません。
治療が必要かどうかは、不正出血などの症状、ポリープの大きさ・位置・個数、不妊期間、女性の年齢、ほかの不妊原因、自然妊娠・人工授精・体外受精のどの段階にいるのかなどを合わせて判断します。
この記事では、子宮内膜ポリープと不妊の関係、主な症状・検査方法、切除を検討するケース、経過観察できる場合、自然妊娠・人工授精・体外受精を行う場合の考え方について解説します。
本記事は2026年9月時点の専門学会等の公開情報をもとに作成しています。子宮内膜ポリープの治療方針は、年齢、症状、ポリープの大きさ・位置・数、悪性の可能性、不妊原因、予定している不妊治療などによって異なります。「○mmなら必ず手術」と自己判断せず、医師へ相談してください。
子宮内膜ポリープとは、子宮内膜の表面から子宮腔側へ突出する、単発または多発性の結節です。
子宮内膜の腺、血管、間質などから構成されています。
| 確認したいこと | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 子宮内膜ポリープとは? | 子宮内膜から子宮腔へ突出した病変 |
| 良性? | 多くは良性だが、状況によって病理検査が必要 |
| 不妊になる? | 着床へ影響し、不妊の一因になる場合がある |
| 主な症状 | 不正出血、過多月経など。無症状の場合もある |
| 主な検査 | 経腟超音波、ソノヒステログラフィー、子宮鏡など |
| 必ず切除する? | 症状、不妊との関連、悪性リスクなどによって判断する |
| 主な治療 | 子宮鏡下子宮内膜ポリープ切除術など |
子宮の内側には、受精卵が着床する「子宮内膜」があります。
この子宮内膜の一部が増殖し、子宮腔へ盛り上がるように突出したものが子宮内膜ポリープです。
1個だけできる場合もあれば、複数個できる場合もあり、大きさも数mm程度からそれ以上までさまざまです。
子宮内膜ポリープの多くは良性です。
そのため、不妊検査でポリープを指摘されたからといって、すぐに「がんではないか」と考える必要はありません。
一方で、年齢、閉経後、不正出血の有無などによっては、悪性・前がん病変を除外するために切除して病理検査を行う場合があります。
子宮内膜ポリープがあっても、痛みや出血などの症状がない場合があります。
妊娠しにくいことをきっかけに不妊検査を受け、経腟超音波検査や子宮鏡検査で初めて見つかることもあります。
子宮内膜ポリープは、不妊の原因となる「子宮因子」の一つになる場合があります。
自然妊娠でも体外受精でも、受精した胚が子宮内膜へ着床することで妊娠が成立します。
大まかな流れは次のとおりです。
排卵
↓
受精
↓
胚が子宮へ移動
↓
子宮内膜へ着床
↓
妊娠成立
子宮内膜ポリープは、この「胚が着床する子宮腔」に存在するため、位置や大きさなどによっては着床を妨げる可能性があります。
ASRM(米国生殖医学会)は、子宮内膜ポリープが子宮内膜の受容能や着床へ悪影響を与えることについて、中等度のエビデンスがあるとしています。
ポリープは、単に物理的に胚の着床場所をふさいでいるだけとは限りません。
ポリープ周辺では、着床に関係する遺伝子発現や局所的な炎症など、子宮内膜の環境が変化する可能性も研究されています。
ただし、不妊に影響する詳しい仕組みがすべて明らかになっているわけではありません。
日本産科婦人科学会のガイドラインでは、卵管口周囲のポリープを切除した場合、ほかの位置のポリープを切除した場合より妊娠率が高かったとする報告も紹介されています。
ただし、「卵管口付近にポリープがあれば必ず不妊になる」「この位置なら必ず切除する」と一律に判断することはできません。
ポリープの位置だけでなく、大きさ、個数、年齢、ほかの不妊原因などを合わせて考えます。
子宮内膜ポリープが見つかると、「妊娠できない原因はこれだ」と考えてしまうかもしれません。
しかし、不妊にはさまざまな原因があります。
ポリープを切除したとしても、ほかの不妊原因があれば妊娠しにくい状態が続く可能性があります。
子宮内膜ポリープでは、月経期間以外に出血する「不正出血」がみられる場合があります。
例えば、月経と月経の間に少量の出血がある、月経前後にだらだらと出血が続くといった症状です。
ただし、不正出血にはポリープ以外にもさまざまな原因があるため、出血だけから自己判断することはできません。
子宮内膜ポリープによって、月経量が多くなったり、月経期間が長くなったりする場合があります。
出血量が多い状態が続くと、貧血につながることもあります。
一方、子宮内膜ポリープがあっても不正出血や月経異常がまったくない方もいます。
不妊検査や体外受精・胚移植前の子宮腔評価で偶然見つかる場合もあります。
症状がないからといって、必ず妊娠への影響もないとは限りません。
子宮内膜ポリープを調べる基本的な検査が経腟超音波検査です。
腟から細い超音波プローブを入れ、子宮内膜の厚さや形、子宮腔内にポリープのような病変がないか確認します。
日本産婦人科医会では、子宮内膜が厚くない月経終了直後に経腟超音波検査を行うと、ポリープを確認しやすいとしています。
排卵後になると子宮内膜は妊娠に備えて厚くなるため、小さなポリープが子宮内膜に紛れて見えにくくなる場合があります。
そのため、必要に応じて月経終了後の子宮内膜が薄い時期に再度確認します。
ソノヒステログラフィー(SHG)は、子宮腔内へ生理食塩水などを注入しながら経腟超音波検査を行う方法です。
液体によって子宮腔が広がるため、ポリープ、粘膜下子宮筋腫、子宮内癒着などの形や位置を確認しやすくなります。
ASRMでは、SHGは子宮内膜ポリープなどの子宮腔内病変を確認するうえで高い診断精度があるとしています。
子宮鏡検査では、腟・子宮頸管から細いカメラを子宮内へ入れ、子宮腔を直接観察します。
ポリープの位置、個数、大きさ、形などを直接確認できるほか、設備や病変によっては検査と同時に切除できる場合もあります。
ASRMでは、子宮鏡は子宮腔内病変の確定診断と治療ができる方法としています。
不妊検査では、卵管の通過性を調べるために子宮卵管造影検査(HSG)を行うことがあります。
HSGでも子宮腔内の異常を疑う所見が見つかる場合がありますが、子宮内膜ポリープを正確に診断する目的では限界があります。
ASRMでは、不妊女性におけるポリープや粘膜下筋腫の診断について、HSGの感度は50%、陽性的中率は30%としています。
ポリープが疑われる場合には、必要に応じてSHGや子宮鏡などを追加します。
子宮内膜ポリープが見つかっても、すべての方が手術を受ける必要があるわけではありません。
日本産科婦人科学会では、症状、不妊、悪性の可能性などを総合的に判断して切除するか経過観察するかを決めています。
| ケース | 治療を検討する理由 |
|---|---|
| 不正出血・過多月経などの症状がある | 症状の改善や病理診断のため |
| 不妊の一因と考えられる | 着床への影響を取り除くため |
| 人工授精を予定している | 切除による妊娠率改善を示した研究がある |
| 反復着床不全などがある | 子宮腔内病変の関与を評価・治療するため |
| 悪性・前がん病変を否定できない | 切除して病理診断を行うため |
閉経前の女性で症状がなく、妊娠を希望していない場合などには、経過観察を選択することがあります。
日本産科婦人科学会では、無症状の閉経前女性の子宮内膜ポリープは自然に退縮する場合があるとしています。
ただし、不妊治療中では、「症状がないから治療しなくてよい」とは限りません。
妊娠への影響を考慮し、今後の治療方法と合わせて判断します。
子宮内膜ポリープについて、「5mmなら取らなくていい?」「1cmなら手術?」と大きさが気になる方もいるでしょう。
しかし、ポリープの大きさだけで手術の必要性を判断する一律の基準はありません。
大きさだけでなく、次のような要素を合わせて考えます。
日本産科婦人科学会では、無症状の閉経前女性の子宮内膜ポリープは自然退縮することがある一方、大きさが1cmを超えると自然退縮しにくいとしています。
ただし、これは「1cm未満なら放置してよい」「1cmを超えたら必ず手術」という意味ではありません。
不妊治療を行っている場合には、小さなポリープでも位置や治療歴などから切除を検討する場合があります。
日本産科婦人科学会では、不妊症があり、子宮内膜ポリープが不妊の一因と考えられる場合には切除を検討します。
特に、排卵、卵管、男性側の精液などに大きな問題がなく、子宮腔内にポリープが確認されている場合には、ポリープ切除について医師と相談します。
ポリープが不妊へ影響していた場合には、切除することで妊娠しやすい子宮環境につながる可能性があります。
一方、妊娠の可能性はポリープだけでは決まりません。
年齢、排卵、卵管、卵巣予備能、子宮内膜症、男性因子なども関係します。
子宮内膜ポリープが見つかった場合も、通常の不妊検査は必要です。
「ポリープを取れば妊娠できる」と決めつけず、夫婦双方の不妊原因を確認しましょう。
人工授精を予定している方では、ポリープ切除を積極的に検討する場合があります。
日本産科婦人科学会のガイドラインでは、人工授精を受ける不妊女性215人を対象とした研究で、子宮鏡下ポリープ切除を行った群では、切除しなかった群より妊娠率が有意に高かったことが紹介されています。
ASRMも、人工授精前に子宮内膜ポリープを切除した無作為化試験で妊娠率が改善したことを示しています。
そのため、人工授精を予定しており子宮内膜ポリープが確認された場合には、切除するメリットについて医師と相談する価値があります。
人工授精で妊娠しない場合には、排卵時期や精液所見だけでなく、卵管や子宮腔の状態も確認します。
以前の検査ではなかったポリープが新たにできている場合もあります。
体外受精・胚移植を予定している場合は、人工授精の場合より判断が複雑です。
ASRMは、子宮内膜ポリープが子宮内膜受容能や着床へ悪影響を与えることについて、中等度のエビデンスがあるとしています。
そのため、胚移植前に明らかなポリープが確認された場合には、位置・大きさ・個数などを踏まえて切除を検討することがあります。
一方で、ASRMは、体外受精の前にポリープを切除することで、着床率や出生率が改善することを示す十分なエビデンスはないとしています。
つまり、「体外受精をするなら、小さなポリープもすべて先に切除すれば成功率が上がる」とは現時点では言えません。
体外受精前に切除するかどうかは、例えば次のような点を考慮します。
特に女性の年齢が高い場合や卵巣予備能が低下している場合には、ポリープ切除のために採卵を長期間延期することが適切とは限りません。
先に採卵・胚凍結を行い、胚移植前にポリープを切除するなど、年齢や卵巣予備能を踏まえて治療順序を調整する場合があります。
「ポリープがあるから採卵もできない」と自己判断せず、担当医と治療スケジュールを相談しましょう。
良好な胚を移植しても妊娠に至らない状態が続く場合には、子宮腔を再評価することがあります。
ASRMは、反復着床不全と判断された女性では、SHG、子宮鏡、HSG、3D超音波などによって子宮内膜・卵管を再評価することは合理的としています。
子宮鏡であれば、ポリープなどの病変を確認し、その場で治療できる場合があります。
子宮内膜ポリープが着床へ影響する可能性があることから、流産との関係についても研究されています。
一方で、不妊との関連に比べると、ポリープ単独と流産の因果関係について明確になっていない部分があります。
ASRMの2026年の反復流産に関する委員会見解では、子宮内膜ポリープなどの後天性子宮腔病変を手術することで流産率が低下するかについて、十分な質の高い研究はないとされています。
「ポリープがあったから流産した」「ポリープを取れば流産を防げる」と単純に考えることはできません。
流産を繰り返している場合には、ポリープだけでなく、子宮形態、抗リン脂質抗体症候群、染色体異常などほかの要因についても評価します。
子宮内膜ポリープの代表的な治療方法が、子宮鏡下子宮内膜ポリープ切除術です。
腟・子宮頸管から子宮鏡を挿入し、子宮腔内のポリープを直接確認しながら切除します。
日本産婦人科医会では、ポリープの取り残しや症状の再燃などを防ぐ観点から、子宮鏡下で切除することが望ましいとしています。
切除した組織は、顕微鏡で細胞・組織の状態を調べる病理検査へ提出します。
本当に良性の子宮内膜ポリープなのか、異型細胞や悪性所見がないかなどを確認します。
子宮鏡下ポリープ切除術の方法は、ポリープの大きさ・位置・個数や医療機関の設備によって異なります。
外来や日帰りで行う場合もあれば、入院して行う場合もあります。
麻酔についても、無麻酔、局所麻酔、静脈麻酔など施設・治療内容によって異なります。
治療を受ける前に、手術方法、麻酔方法、入院期間、術後の注意事項などを確認しましょう。
子宮内を観察するだけの「子宮鏡検査」と、実際にポリープを切除する「子宮鏡下手術」は同じものではありません。
細い子宮鏡を用いた外来検査では大きな麻酔を行わない場合もありますが、切除するポリープが大きい場合などには麻酔を使用して手術を行うことがあります。
検査・手術時の痛みは、子宮頸管の状態、使用する器具、病変の位置・大きさ、麻酔方法などによって異なります。
「子宮鏡手術は必ず痛い」「まったく痛くない」と一律には言えません。
痛みに不安がある場合は、予約時や診察時にどのような麻酔・鎮痛方法が利用できるか確認しましょう。
「ポリープを取ったら何か月も妊活を休まなければならないのでは」と心配する方もいるでしょう。
日本産科婦人科学会のガイドラインでは、ポリープ切除から不妊治療開始までの期間は妊娠率と関係せず、切除直後から不妊治療を開始してもよいとしています。
一方、実際にいつから性交・人工授精・胚移植などを再開できるかは、手術範囲、術後出血、子宮内膜の状態、病理検査結果などによって異なります。
「すぐ治療を再開してもよい」という情報だけをもとに自己判断せず、手術を行った医師の指示に従いましょう。
子宮内膜ポリープは、一度切除すれば二度とできないというものではありません。
手術後、時間が経ってから新たなポリープが形成される場合があります。
手術後にポリープが確認された場合には、以前のポリープが残っていた場合と、新たなポリープが形成された場合があります。
子宮鏡下で直接病変を確認しながら切除することは、取り残しを減らす点でも有用です。
不妊治療が長期間続いている場合や、不正出血が再びみられる場合、胚移植を繰り返しても着床しない場合などには、必要に応じて子宮腔を再評価します。
子宮内膜ポリープの多くは良性です。
特に妊娠を希望する生殖年齢の女性でポリープが見つかったからといって、それだけで悪性を強く疑う必要はありません。
一方、子宮内膜ポリープの中に前がん病変や子宮内膜がんが含まれることがあります。
日本産科婦人科学会では、加齢、閉経後、高血圧などが悪性・前がん病変のリスクと関連する可能性があるとしています。
また、閉経後で不正出血がある場合などは、より注意して評価します。
画像検査だけでは良性・悪性を確実に判断できない場合があります。
悪性の可能性が否定できない場合には、子宮鏡下で切除し、病理検査を行います。
ポリープが見つかった場合も、通常の不妊検査と同様にほかの原因を確認します。
女性側では排卵や卵管、卵巣予備能などを確認し、男性側も精液検査を行うことが重要です。
| 今後の治療 | ポリープへの基本的な考え方 |
|---|---|
| 自然妊娠 | 不妊の一因と考えられる場合には切除を検討する |
| 人工授精(AIH) | 切除による妊娠率改善を示した無作為化試験がある |
| 体外受精・顕微授精 | 個別に判断。切除による着床率・出生率改善の十分な根拠は確立していない |
| 反復着床不全 | 子宮鏡などによる子宮腔再評価を検討する |
不妊治療では、女性の年齢も重要です。
年齢が高い場合や卵巣予備能が低下している場合には、ポリープ切除を優先するか、採卵を先に行って胚を凍結するかなどを個別に検討することがあります。
「ポリープを治療して完全に問題がなくなるまで採卵を始めてはいけない」と自己判断しないようにしましょう。
女性側に子宮内膜ポリープが見つかると、女性側だけが不妊の原因と考えてしまうことがあります。
しかし、男性因子が同時に存在する場合もあります。
ポリープの治療と並行して、夫婦双方の不妊原因を確認しましょう。
子宮内膜ポリープの治療は、全員同じではありません。
ポリープの大きさだけではなく、症状、位置、個数、不妊期間、年齢、今後の不妊治療などを踏まえて治療方針を説明してくれる医療機関を選びましょう。
超音波検査でポリープが疑われても、必要に応じて子宮鏡で直接確認することで、より詳しく状態を評価できます。
切除が必要な場合に自院で子宮鏡下手術ができるか、または対応施設へ紹介してもらえるか確認しましょう。
ポリープがある場合でも、自然妊娠、人工授精、体外受精では治療判断が異なります。
特に体外受精では、年齢や卵巣予備能によって「まずポリープを切除する」「採卵を先に行う」など治療順序が変わることがあります。
手術だけを見るのではなく、不妊治療全体のスケジュールを提案してもらえるか確認しましょう。
子宮内膜ポリープだけを不妊原因と決めつけず、排卵、卵管、卵巣予備能、男性因子なども確認してもらえることが重要です。
A.子宮内膜ポリープがあっても妊娠できる方はいます。
一方、ポリープは着床へ影響し、不妊の一因になる可能性があります。
ポリープだけで妊娠の可否を判断せず、大きさや位置、ほかの不妊原因などを合わせて評価します。
A.小さいから必ず経過観察でよいとは限りません。
不妊治療中では、大きさ以外にも位置、個数、症状、人工授精・体外受精のどの段階かなどを踏まえて切除を検討する場合があります。
A.「○mm以上なら必ず手術」という一律の基準はありません。
日本産科婦人科学会では、無症状の閉経前女性では1cmを超えるポリープは自然退縮しにくいとしていますが、1cmが手術適応の境界という意味ではありません。
A.閉経前で無症状の方では、自然に小さくなったり消失したりする場合があります。
一方、1cmを超えるポリープは自然退縮しにくいとされています。
妊娠を希望している場合には、自然に消えることを長期間待つかどうかも年齢や治療計画を踏まえて判断します。
A.人工授精前のポリープ切除によって妊娠率が改善した無作為化試験があります。
そのため、人工授精を予定している場合には、ポリープの状態に応じて切除を検討します。
A.必ず切除しなければならないとは言えません。
ASRMでは、子宮内膜ポリープが着床へ悪影響を与える可能性はある一方、体外受精前のポリープ切除によって着床率や出生率が改善する十分な根拠はないとしています。
大きさ、位置、症状、胚移植歴、年齢などから個別に判断します。
A.日本産科婦人科学会では、ポリープ切除から不妊治療開始までの期間は妊娠率に関係せず、切除直後から不妊治療を開始してもよいとしています。
ただし、実際の再開時期は術後出血や手術範囲などによって異なるため、手術を行った医師へ確認してください。
A.ポリープが不妊の一因だった場合には、切除によって妊娠につながる可能性があります。
ただし、不妊には年齢、排卵、卵管、男性因子などさまざまな要因があるため、切除すれば必ず妊娠できるわけではありません。
A.切除後に再びポリープが見つかる場合があります。
不妊治療が長期間続いている場合や不正出血が再びみられる場合には、必要に応じて子宮腔を再評価します。
A.子宮内膜ポリープと流産との関係は研究されていますが、ポリープが流産の独立した原因になることや、切除によって流産率が下がることは十分に確立していません。
流産を繰り返している場合には、ポリープだけでなくほかの原因も含めて評価します。
A.子宮内膜ポリープの多くは良性です。
ただし、年齢、閉経後、不正出血などの状況によっては悪性・前がん病変を除外する必要があり、切除した組織を病理検査します。
A.同じものではありません。
子宮内膜ポリープは主に子宮内膜からできる病変で、子宮筋腫は子宮の筋肉から発生する良性腫瘍です。
子宮腔へ突出する粘膜下筋腫はポリープと似て見える場合があり、超音波検査や子宮鏡検査などで区別します。
子宮内膜ポリープは、子宮内膜の表面から子宮腔へ突出する病変です。
多くは良性で、不正出血や過多月経などの症状が出る場合もあれば、不妊検査で初めて見つかる場合もあります。
子宮内膜ポリープは、受精卵の着床へ影響し、不妊の一因となる可能性があります。
一方で、「ポリープがある=妊娠できない」「ポリープが見つかった=必ず手術」というわけではありません。
日本産科婦人科学会では、不正出血などの症状がある場合、不妊症でポリープが一因と考えられる場合、悪性の可能性がある場合などに切除を検討し、それ以外では経過観察する場合があります。
無症状の閉経前女性ではポリープが自然退縮する場合もありますが、1cmを超えると自然退縮しにくいとされています。
ただし、1cmという数字だけで手術するかどうかを判断するものではありません。
不妊治療では、これから自然妊娠を目指すのか、人工授精を行うのか、体外受精・胚移植を行うのかによってポリープへの対応が異なります。
人工授精前のポリープ切除には妊娠率改善を示した研究があります。
一方、体外受精前にポリープを切除することで着床率・出生率が改善するかについては、十分な根拠が確立していません。
そのため、体外受精を予定している場合には、大きさ、位置、症状、胚移植歴、女性の年齢や卵巣予備能などから個別に判断します。
また、ポリープだけが不妊原因とは限りません。排卵、卵管、卵巣予備能、男性側の精液所見なども確認する必要があります。
京都で不妊治療を検討している方は、ポリープを見つけるだけでなく、子宮鏡などで必要な評価を行い、自然妊娠・人工授精・体外受精のどの段階にいるのかまで踏まえて治療方針を提案してくれる医療機関へ相談しましょう。
主な参考情報
不妊治療や生殖補助医療に関する高度な専門知識と技術を持つ「日本生殖医学会認定生殖医療専門医」が常勤で在籍しているクリニック・病院の中から、治療の目的別に優れた病院・クリニック3院をご紹介します(2025年3月調査時点)。
体外受精を含め、専門医の体制や具体的な治療実績を確認しながら、本格的に不妊治療を進めたい方に向いています。
不妊治療だけでなく、体調や生活習慣、漢方なども含めて妊娠に向けた身体づくりを相談したい方に向いています。
男性側の不妊原因を詳しく調べたい方や、検査だけでなく手術を含めた男性不妊治療まで相談したい方に向いています。
※1参照元:足立病院「数字でわかる足立病院」https://www.adachi-hospital.com/numbers/
※2参照元:足立病院「体外受精(凍結融解胚移植)による35歳未満の妊娠率(2024年度実績)」https://www.adachi-hospital.com/infertility/achievements/
※3参照元:日本産婦人科学会「ART臨床実施成績データ2022(PDF)」https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf