公開日: |最終更新日時:
妊活を始めてから、「自慰では射精できるのに性交では射精できない」「射精までに時間がかかり、排卵日に性交することが負担になっている」「オーガズムはあるのに精液が出ない」と悩む男性もいます。
射精障害とは、射精のタイミングや精液の排出、オーガズムなどに問題がある状態の総称です。
射精障害には、自慰では射精できても膣内で射精できない「膣内射精障害」、射精まで非常に時間がかかる遅漏、射精そのものができない射精不能、精液が膀胱へ流れる逆行性射精、早漏など、さまざまなタイプがあります。
不妊との関係で特に問題になるのは、精子を含む精液を膣内へ届けられないタイプの射精障害です。
ただし、射精障害があることと、精子をつくる機能が低下していることは同じではありません。性交では射精できなくても、自慰で正常な精子を採取できる場合もあります。
その場合は射精障害の治療だけでなく、採取した精液を用いた人工授精(AIH)や体外受精(IVF)、顕微授精(ICSI)によって妊娠を目指せることがあります。
また、射精できない場合でも、原因によっては陰茎振動刺激や電気射精によって精子を採取したり、TESEなどで精巣から直接精子を採取したりする方法があります。
この記事では、射精障害の種類、不妊との関係、主な原因、検査・治療方法、射精障害がある場合に妊娠を目指す方法について解説します。
本記事は2026年9月時点の専門学会等の公開情報をもとに作成しています。射精障害の原因や治療方法は、症状、服用薬、糖尿病・神経疾患などの有無、妊娠希望、精液所見によって異なります。服用中の薬を自己判断で中止したり、射精方法を無理に変更したりせず、男性不妊や性機能を扱う泌尿器科などへ相談してください。
射精障害とは、射精までの時間、射精そのものの有無、精液が排出される方向、オーガズムなどに関するさまざまな問題を含む言葉です。
射精障害の種類によって、不妊への影響や必要な治療は異なります。
| 確認したいこと | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 射精障害とは? | 射精のタイミング、射出、オーガズムなどに問題がある状態の総称 |
| 射精障害は不妊になる? | 精液を膣内へ届けられないタイプでは自然妊娠が難しくなる場合がある |
| 自慰なら射精できる場合 | 性交時だけ射精できない「膣内射精障害」の可能性がある |
| 主な種類 | 膣内射精障害、遅漏・射精不能、逆行性射精、早漏など |
| 主な原因 | 性的刺激への慣れ、心理的要因、薬剤、糖尿病、神経疾患、手術など |
| 主な検査 | 問診、精液検査、身体診察、必要に応じてホルモン検査や射精後尿検査など |
| 妊娠を目指す方法 | 射精障害の治療、AIH・IVF・ICSI、射精誘発、精子採取など |
射精は、精子や精嚢液、前立腺液などが尿道へ集まり、それを筋肉の収縮によって体外へ排出する一連の働きによって起こります。
この過程には、自律神経や体性神経、骨盤周辺の筋肉などが関わっています。
そのため、射精障害には性交時の心理的な緊張だけでなく、神経障害、手術、薬剤など身体的な原因が関係する場合もあります。
ED(勃起障害)と射精障害は、どちらも男性の性機能に関する問題ですが、同じものではありません。
| 比較 | ED | 射精障害 |
|---|---|---|
| 主な問題 | 性交に必要な勃起を得る・維持することが難しい | 射精できない、遅れる、精液が正しく排出されないなど |
| 勃起 | 十分な勃起を得られない場合がある | 勃起自体には問題がない場合もある |
| 射精 | 勃起できれば射精可能な場合もある | 勃起して性交できても射精できない場合がある |
EDと射精障害が同時にみられる場合もあります。
射精障害には複数のタイプがあります。
不妊治療では、単に「射精できない」とまとめるのではなく、どの場面でどのような問題が起きているのかを確認することが重要です。
| 種類 | 主な状態 | 不妊への影響 |
|---|---|---|
| 膣内射精障害 | 自慰では射精できるが、膣内では射精できない | 精液を膣内へ届けられず、自然妊娠に影響する |
| 遅漏 | 射精まで非常に長い時間がかかる | 膣内射精まで至らない場合は妊娠機会へ影響する |
| 射精不能 | 十分な性的刺激があっても射精できない | 自然妊娠が難しくなる |
| 逆行性射精 | 精液が尿道から外へ出ず膀胱へ流れる | 膣内へ精液を届けられず、不妊につながる場合がある |
| 早漏 | 本人が望むより早く射精してしまう | 膣内へ射精できていれば、それだけで不妊とは限らない |
| 疼痛性射精 | 射精時に痛みがある | 性交を避けるようになることで妊娠機会へ影響する場合がある |
男性不妊における射精障害の中で、特に確認しておきたいのが膣内射精障害です。
日本泌尿器科学会の「男性不妊症診療ガイドライン2024年版」では、膣内射精障害を、自慰では射精可能であるものの膣内で射精できない状態として説明しています。
勃起や自慰での射精には問題がないため、妊娠を希望するまで本人が困りごととして認識していない場合もあります。
しかし、自然妊娠では精液を膣内へ射出する必要があるため、膣内射精できない状態が続けば妊娠の機会へ影響します。
普段は自慰によって問題なく射精できていても、「排卵日に性交しなければならない」と意識することで射精できなくなることがあります。
また、もともと膣内射精が難しかったものの、妊娠を希望するまで医療機関へ相談する必要性を感じていなかった方もいます。
自慰で射精できるからといって、「射精障害ではない」とは限りません。
膣内射精障害では、自慰時の刺激方法と性交時の刺激に大きな違いがあることが関係する場合があります。
例えば、強い握り方や、性交時には再現しにくい刺激方法、特定の姿勢などでなければ射精しにくい状態になっているケースがあります。
日本泌尿器科学会のガイドラインでも、膣内射精障害では自慰方法について確認し、必要に応じてより性交に近い刺激方法へ調整する指導が行われることがあります。
ただし、「自慰の仕方が悪いから射精障害になった」と単純に本人を責めるものではありません。
薬剤や身体疾患、心理的要因などが同時に関係している場合もあるため、原因を総合的に確認します。
遅漏では、十分な性的刺激があり本人も射精を希望しているにもかかわらず、射精まで非常に長い時間がかかります。
性交中に射精できる場合もあれば、疲労などによって途中で性交を続けられず、膣内射精まで至らない場合もあります。
射精できるまでの時間には個人差があるため、単純に「○分以上なら遅漏」と自己判断するのではなく、本人やパートナーが困っているか、妊娠へ影響しているかなどを含めて考えます。
射精不能では、十分な性的刺激があっても射精できません。
原因には、神経疾患や脊髄損傷、手術、薬剤などが関係する場合があります。
性交だけでなく自慰でも射精できない場合には、膣内射精障害とは治療の考え方が異なります。
オーガズムとは性的な快感が高まったときに感じる感覚であり、射精は精液が排出される身体的な現象です。
両者は通常同時に起こることが多いものの、必ずしも同じではありません。
オーガズムを感じても精液が出ない場合には、逆行性射精や射精不能などを確認します。
逆行性射精とは、射精時に精液が尿道から体外へ排出されず、膀胱側へ逆流する状態です。
通常の射精では、精液が尿道へ送られるときに膀胱の出口が閉まり、精液が尿道口から体外へ排出されます。
ところが、膀胱の出口を閉じる機能に問題があると、精液が膀胱へ逆流する場合があります。
逆行性射精では、オーガズムを感じていても精液が少量しか出ない、またはまったく出ないことがあります。
射精後に尿が白く濁ることに気づく方もいます。
逆行性射精で薬物療法などによって順行性射精が得られない場合には、射精後の尿から精子を回収し、不妊治療に使用する方法があります。
精子の数や運動性などに応じて、人工授精、体外受精、顕微授精などを検討します。
早漏は、本人が望むより早いタイミングで射精してしまう状態です。
射精のタイミングに関する問題であり、精子をつくる機能そのものの問題とは異なります。
性交時に精液を膣内へ射出できていれば、早漏だけを理由として精子が卵子へ到達できなくなるわけではありません。
一方、挿入する前に射精してしまい、精液を膣内へ届けられない状態が繰り返している場合には、自然妊娠の機会へ影響することがあります。
妊娠を希望していて性交がうまくいかない場合は、早漏の治療だけでなく、カップルとして妊娠を目指す方法についても相談しましょう。
「今日が排卵日だから必ず性交しなければならない」といったプレッシャーが、男性の性機能へ影響することがあります。
ASRM(米国生殖医学会)も、不妊や妊活に伴うストレスが男性の性機能を悪化させる場合があるとしています。
一方で、すべてを心理的な問題と決めつけず、必要に応じて身体的な原因も確認することが重要です。
自然妊娠では、性交によって膣内へ射出された精子が子宮頸管、子宮を通り、卵管へ進んで卵子と出会う必要があります。
そのため、精子形成が正常であっても、射精障害によって精液を膣内へ届けられなければ自然妊娠が難しくなる場合があります。
大まかな流れは次のとおりです。
精巣で精子をつくる
↓
精子が精管などを通る
↓
性交時に膣内へ射精する
↓
精子が子宮・卵管へ進む
↓
卵子と受精
射精障害は、このうち「精子を女性生殖路へ届ける段階」に問題が起きる男性不妊原因の一つです。
射精障害があるからといって、精子数や運動率が必ず低いわけではありません。
自慰で採取した精液を検査すると、精子数や運動率に問題がない場合もあります。
一方で、射精障害と造精機能障害が同時に存在する場合もあります。
日本泌尿器科学会のガイドラインでも、射精障害では造精機能障害を併存する可能性があるため、ARTを行う場合にも精子形成を評価する必要があるとしています。
射精障害の原因は一つではありません。
性行動・心理面だけでなく、薬剤、糖尿病、神経疾患、手術、内分泌異常などが関係する場合があります。
特に膣内射精障害では、普段の自慰と性交時の刺激に大きな差があることが関係する場合があります。
非常に強い刺激や特定の姿勢・方法に慣れていると、性交時の刺激では十分な射精刺激を得にくいケースがあります。
必要に応じて、刺激方法を徐々に性交時に近いものへ調整する方法を検討します。
妊活では排卵時期に合わせて性交する必要があるため、性行為が「妊娠するために行わなければならないもの」になりやすいことがあります。
「今日は必ず射精しなければならない」と考えることで緊張が強まり、以前は問題なく射精できていた方でも難しくなる場合があります。
過去に性交で射精できなかった経験がプレッシャーとなり、同じ状態を繰り返すこともあります。
ただし、射精障害をすべて「精神的な問題」と判断することは適切ではありません。
一部の薬剤では、射精までの時間が長くなったり、射精しにくくなったりする場合があります。
EAU(欧州泌尿器科学会)は、射精障害に関係する可能性がある薬剤として、抗うつ薬、抗精神病薬、一部の降圧薬、α遮断薬などを挙げています。
薬が原因と思われても、妊娠を希望しているからという理由で自己判断で服用を中止してはいけません。
原疾患の治療が必要な場合があるため、処方した医師と減量や薬剤変更が可能か相談します。
糖尿病が長期間続くと、自律神経が障害されることがあります。
射精には自律神経が関係しているため、糖尿病性神経障害によって遅漏、射精不能、逆行性射精などが起こる場合があります。
糖尿病がある方では、射精障害だけでなく血糖管理なども含めて治療を行います。
脊髄損傷や多発性硬化症など、射精に関わる神経が障害される病気では射精不能が起こる場合があります。
このような神経原性の射精障害では、陰茎振動刺激や電気射精などによって射精を誘発し、精子を採取する方法が検討されることがあります。
射精に関わる神経は、骨盤内や後腹膜にも走行しています。
そのため、病気の治療で行った手術によって神経が影響を受け、射精障害が起こる場合があります。
例えば、前立腺や膀胱周辺の手術、後腹膜リンパ節郭清などの後に射精障害が生じることがあります。
将来的に子どもを希望しており、生殖機能へ影響する可能性のある手術を受ける場合には、治療前の精子凍結について相談することも重要です。
性腺機能低下症、甲状腺機能異常、プロラクチン異常などが射精機能に影響する場合があります。
射精障害以外にも性欲低下、月経ではなく男性における二次性徴や全身症状などがある場合には、必要に応じてホルモン検査を行います。
射精障害の診断では、詳しい問診が重要です。
例えば、次のような点を確認します。
医師へ相談しにくい内容かもしれませんが、どのタイプの射精障害なのかを判断するために重要な情報です。
性生活を始めた頃から射精障害があるのか、以前は問題なく射精できていたのに途中から症状が出たのかによって、考えられる原因が異なる場合があります。
例えば、薬を飲み始めてから症状が出た、糖尿病を発症してから悪化した、手術後から精液が出なくなったなどの経過は、原因を考える重要な手がかりになります。
射精障害には薬剤が関係する場合があります。
受診時には、精神科・心療内科、内科、泌尿器科など、ほかの医療機関で処方されている薬も伝えましょう。
お薬手帳を持参すると確認しやすくなります。
糖尿病、脊髄損傷、神経疾患、骨盤内・後腹膜手術などの既往がないか確認します。
必要に応じて身体診察や神経学的な評価を行います。
自慰によって精液を採取できる場合は、精液検査を行います。
精液検査では、主に次のような項目を確認します。
射精障害と精子形成の問題は別であるため、妊娠を希望している場合には精子そのものの状態も確認することが重要です。
性欲低下、精巣の異常、造精機能障害などが疑われる場合には、必要に応じて血液検査を行います。
例えば、テストステロン、LH、FSH、プロラクチン、甲状腺機能などを確認する場合があります。
オーガズムはあるものの精液がほとんど出ない場合には、逆行性射精の可能性を確認します。
射精後の尿を採取し、その中に精子が含まれているかを調べることがあります。
射精障害の治療は、症状の種類と原因によって異なります。
| 主な状態 | 治療・対応の考え方 |
|---|---|
| 膣内射精障害 | 自慰・性的刺激方法の調整、必要に応じて心理・性機能面への支援 |
| 薬剤性 | 処方医と薬剤の減量・変更が可能か相談する |
| 糖尿病・内分泌異常 | 原因となる病気を治療する |
| 逆行性射精 | 原因薬の調整、薬物療法、尿中精子回収など |
| 神経原性射精不能 | 陰茎振動刺激、電気射精などを検討する |
| 射精による採精が難しい | 必要に応じてTESEなどによる精子採取を検討する |
性交では再現しにくい強い刺激や特定の方法で自慰をしている場合には、より性交時に近い刺激へ徐々に調整することがあります。
日本泌尿器科学会のガイドラインでは、強すぎる握り方などがみられる場合に、より弱い刺激による自慰方法を指導する考え方が紹介されています。
一度で変えようとせず、本人が無理なく取り組める方法を医師などと相談します。
自慰では射精できる場合、その刺激方法から性交時の刺激へ段階的に近づけていくことがあります。
「排卵日までに必ず膣内射精できるようにならなければならない」と考えるとプレッシャーが強くなることもあるため、妊娠を目指す方法と射精障害の改善を分けて考えることも重要です。
妊活によるプレッシャーや性交への不安が強い場合には、性機能に詳しい医師や専門家へ相談することがあります。
パートナーとのコミュニケーションを含めて支援を受けることで、性交時の負担が軽減する場合があります。
膣内射精障害の治療で膣内射精できるようにならなくても、自慰で精液を採取できる場合があります。
日本泌尿器科学会のガイドラインでは、膣内射精障害への治療が奏功しない場合に、自慰で採取した精液を用いたARTを行うことが示されています。
精液所見や女性側の状態に応じて、人工授精、体外受精、顕微授精などを検討できます。
自慰でも性交でも射精できない場合には、原因に応じて射精を誘発したり、精巣から精子を採取したりする方法を検討します。
陰茎振動刺激(PVS:Penile Vibratory Stimulation)は、陰茎へ振動刺激を与えて射精反射を誘発する方法です。
特に脊髄損傷などによる神経原性の射精障害で利用されることがあります。
射精によって精子を採取できれば、精液所見などに応じて人工授精や体外受精などに使用できる場合があります。
陰茎振動刺激で射精を得られない場合などには、電気刺激によって射精を誘発する電気射精を検討することがあります。
適応や実施できる医療機関は限られるため、男性不妊を専門的に診療する泌尿器科へ相談します。
射精誘発などでも利用可能な精子を採取できない場合には、精巣から直接精子を採取するTESEを検討することがあります。
採取した精子は、一般的に顕微授精などに使用します。
射精障害があっても、原因や精子を採取できるかどうかによって妊娠を目指す方法があります。
治療などによって膣内射精できるようになり、精液所見や女性側の状態にも大きな問題がなければ、自然妊娠を目指せる場合があります。
射精障害があったからといって、必ず生殖補助医療が必要になるわけではありません。
性交時に膣内射精できなくても、自慰によって精液を採取できる場合には人工授精を検討できることがあります。
人工授精では、採取した精液から運動性のある精子を調整し、排卵時期に合わせて子宮内へ注入します。
したがって、「性交で射精できない=必ず体外受精」というわけではありません。
精子数や運動率、女性側の年齢・卵管の状態などによって適した治療は変わります。
射精障害だけでなく精子数の減少や運動率低下などがみられる場合には、体外受精や顕微授精を検討することがあります。
また、射精障害の治療に長期間をかけることが夫婦全体の治療計画として適切ではない場合にも、生殖補助医療へ進むことがあります。
逆行性射精では、膀胱へ流れた精子を射精後の尿から回収できる場合があります。
回収した精子の数や状態などに応じて、人工授精、体外受精、顕微授精に使用します。
自慰でも射精できない場合でも、陰茎振動刺激、電気射精、TESEなどによって精子を採取できる可能性があります。
射精障害だからといって、すぐに「自分の精子では妊娠できない」と考える必要はありません。
妊娠を希望している場合、射精障害が完全に改善するまで夫婦の不妊検査を待つ必要があるとは限りません。
男性側では射精障害の原因を調べながら、採精できれば精液検査を行えます。
女性側でも、年齢や月経周期などに応じて排卵、卵管、卵巣予備能などの検査を進めることができます。
不妊治療では、女性の年齢も治療方針を決める重要な要素です。
膣内射精できるようになることだけを目標として長期間治療を続けている間にも、パートナーの年齢は上がります。
日本泌尿器科学会のガイドラインでも、射精障害に対する治療では、パートナーの年齢やカップルの挙児希望など、個々の状況に応じて考える必要があるとしています。
射精障害の治療には「性交で射精できるようにする」という目的がありますが、不妊治療における最終的な目的は妊娠・出産を目指すことです。
膣内射精障害が改善しなくても自慰によって精子を採取できるのであれば、夫婦の状況によって人工授精や体外受精などへ進むことも選択肢になります。
射精障害の改善と妊娠を目指す治療のどちらを、どの程度の期間優先するのかをカップルで医師と相談しましょう。
射精障害があり妊娠を希望している場合には、男性不妊や性機能を扱う泌尿器科へ相談することを検討しましょう。
特に次のような場合は、原因を評価してもらうことが重要です。
射精障害がある場合でも、精子を採取できれば人工授精・体外受精・顕微授精によって妊娠を目指せる場合があります。
そのため、性機能だけを診療するのではなく、生殖医療を行う産婦人科と連携して治療できるかも確認しましょう。
射精障害には心理的な要因が関係することがありますが、それだけではありません。
薬剤、糖尿病、神経疾患、手術歴、ホルモン異常など身体的な原因も考えられます。
詳しい問診を行い、必要な検査を提案してくれる医療機関か確認しましょう。
自慰では射精できるため、「病気ではない」と考えて誰にも相談できない方もいます。
しかし、膣内射精障害は男性不妊診療で対応する射精障害の一つです。
性交時の射精について相談できる男性不妊・性機能の専門性があるか確認しましょう。
射精障害があっても精子形成が正常とは限らず、逆に射精障害だけで精子には問題がない場合もあります。
妊娠を希望している場合には、射精機能だけでなく精液検査で精子数・運動率なども確認できることが重要です。
自慰でも射精できない場合は、陰茎振動刺激、電気射精、TESEなどを検討する場合があります。
自院で対応できない場合でも、必要な治療ができる施設へ紹介してもらえる体制があるか確認しましょう。
射精障害がある場合でも、採取した精子を用いて人工授精・体外受精・顕微授精を行うことがあります。
男性だけの治療で完結させず、女性側の年齢、不妊原因、卵巣予備能などを踏まえて夫婦全体の治療計画を考えてもらえるかが重要です。
A.膣内射精障害に該当する可能性があります。
日本泌尿器科学会では、自慰では射精できるものの膣内では射精できない状態を膣内射精障害として扱っています。
妊娠を希望しており性交時に射精できない状態が続いている場合は、男性不妊・性機能を扱う泌尿器科などへ相談しましょう。
A.精液を膣内へ届けられない状態では、自然妊娠は難しくなります。
一方で、射精障害の治療によって膣内射精できるようになる場合があります。
また、自慰で精液を採取できれば人工授精などを検討できることがあります。
A.正常な場合もあれば、造精機能障害を同時に伴っている場合もあります。
射精できるかどうかだけで精子数や運動率は判断できないため、妊娠を希望している場合には精液検査を受けましょう。
A.単純に自慰の回数だけで射精障害になるとは判断できません。
膣内射精障害では、性交時には再現しにくい非常に強い刺激や特定の自慰方法への慣れが関係している場合があります。
一方で、薬剤、病気、心理的な要因などが関係する場合もあります。
A.心理的な要因が関係する場合もありますが、すべてが精神的な問題というわけではありません。
糖尿病、神経疾患、手術、薬剤、ホルモン異常など身体的な原因によって射精障害が起こることもあります。
A.一部の抗うつ薬では、射精までの時間が長くなったり、射精しにくくなったりすることがあります。
ただし、治療に必要な薬である場合があるため、自己判断で中止しないでください。
妊娠を希望していて射精への影響が気になる場合は、処方医へ相談しましょう。
A.膣内へ精液を射出できているのであれば、早漏だけを理由として不妊になるとは限りません。
一方、挿入前に射精してしまい膣内へ精液を届けられない場合には、自然妊娠の機会へ影響することがあります。
A.逆行性射精や射精不能などの可能性があります。
薬剤、糖尿病、神経疾患、手術などが関係する場合もあります。
オーガズム後に精液がほとんど出ない状態が続く場合は、泌尿器科へ相談してください。
A.同じではありません。
逆行性射精では、射精時に精液が膀胱へ流れています。
一方、射精不能では、順行性・逆行性を含めて射精そのものが起こっていない場合があります。
A.自慰で精液を採取でき、精子数・運動率や女性側の状態が人工授精に適していれば、AIHを検討できる場合があります。
性交で膣内射精できないことだけを理由として、必ず体外受精を行う必要があるわけではありません。
A.原因によっては陰茎振動刺激や電気射精によって射精を誘発する方法があります。
それでも精子を採取できない場合には、TESEなどによって精巣から精子を採取することを検討する場合があります。
A.必ずではありません。
膣内射精できるようになれば自然妊娠を目指せる場合があります。
自慰で採精できる場合は人工授精を検討できるケースもあり、精液所見や女性側の条件によって体外受精・顕微授精を選択します。
A.必ずしも治療が完了するまで不妊検査を待つ必要はありません。
特にパートナーの年齢が高い場合には、射精障害への治療と夫婦の不妊検査を並行し、必要に応じて採取精子を使った治療へ進むことも検討します。
射精障害は、射精のタイミング、射出、オーガズムなどに関するさまざまな問題の総称です。
膣内射精障害、遅漏、射精不能、逆行性射精、早漏などがあり、不妊への影響はそれぞれ異なります。
特に、自慰では射精できても性交では射精できない膣内射精障害や、射精不能、逆行性射精などでは、精子を膣内へ届けられないため自然妊娠が難しくなる場合があります。
一方で、射精障害があることと、精子をつくる機能が低下していることは同じではありません。
自慰によって精液を採取できれば、精液検査で精子数や運動率を確認でき、条件によっては人工授精、体外受精、顕微授精などに利用できます。
自慰でも射精できない場合には、原因に応じて陰茎振動刺激や電気射精によって射精を誘発したり、TESEなどによって精子を採取したりする方法もあります。
射精障害の原因には、性交と自慰の刺激方法の違い、妊活への心理的プレッシャーだけでなく、薬剤、糖尿病、神経疾患、手術、ホルモン異常などもあります。
そのため、「気持ちの問題」「自慰の仕方の問題」と自己判断せず、男性不妊や性機能を扱う泌尿器科で原因を確認することが重要です。
また、射精障害と造精機能障害が同時に存在する場合もあるため、妊娠を希望している方は精液検査も受けましょう。
不妊治療では、射精障害を完全に治すことだけに時間をかけるのではなく、パートナーの年齢や女性側の不妊原因も含めて治療方針を考える必要があります。
性交で射精できないからといって、妊娠を目指す方法がなくなるわけではありません。
京都で不妊治療を検討している方は、男性側の射精障害を専門的に診療でき、必要に応じて精子採取や人工授精・体外受精・顕微授精へ連携できる医療機関へ相談しましょう。
主な参考情報
不妊治療や生殖補助医療に関する高度な専門知識と技術を持つ「日本生殖医学会認定生殖医療専門医」が常勤で在籍しているクリニック・病院の中から、治療の目的別に優れた病院・クリニック3院をご紹介します(2025年3月調査時点)。
体外受精を含め、専門医の体制や具体的な治療実績を確認しながら、本格的に不妊治療を進めたい方に向いています。
不妊治療だけでなく、体調や生活習慣、漢方なども含めて妊娠に向けた身体づくりを相談したい方に向いています。
男性側の不妊原因を詳しく調べたい方や、検査だけでなく手術を含めた男性不妊治療まで相談したい方に向いています。
※1参照元:足立病院「数字でわかる足立病院」https://www.adachi-hospital.com/numbers/
※2参照元:足立病院「体外受精(凍結融解胚移植)による35歳未満の妊娠率(2024年度実績)」https://www.adachi-hospital.com/infertility/achievements/
※3参照元:日本産婦人科学会「ART臨床実施成績データ2022(PDF)」https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf