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「テストステロンが低いと言われた」「最近性欲が低下している」「精液検査で精子が少ないと言われた」というとき、「男性ホルモンが少ないことが不妊の原因なのでは?」と心配する方もいるでしょう。
男性ホルモンの代表であるテストステロンは、男性の性機能や筋肉・骨などだけでなく、精巣内で精子をつくるためにも重要なホルモンです。
そのため、視床下部・下垂体・精巣などの異常によってホルモンの働きが低下すると、精子形成が低下し、不妊と関係する場合があります。
ただし、血液中のテストステロン値が低いからといって、それだけで「男性不妊」「精子が少ない」と判断することはできません。
男性不妊を調べる基本的な検査は精液検査です。精子の数や運動率などを確認し、性欲低下、勃起障害(ED)、乏精子症、無精子症などがある場合には、テストステロン、FSH、LHなどのホルモン検査を組み合わせて原因を調べます。
また、妊娠を希望している男性では特に注意したいことがあります。
「テストステロンが低いから、テストステロンを補えば精子も増える」というわけではありません。
体外からテストステロンを補充すると、脳から精巣へ送られるホルモン刺激が弱くなり、かえって精子形成が抑制されることがあります。そのため、現在または今後妊娠を希望する男性では、テストステロン単独療法は慎重に考える必要があります。
この記事では、男性ホルモンと精子形成の関係、男性ホルモンが低下する原因、精液検査・テストステロン・LH・FSHなどの検査、妊娠を希望している男性の治療方法について解説します。
本記事は2026年10月時点の専門学会等の公開情報をもとに作成しています。男性ホルモンの検査値や精液所見だけで、妊娠の可能性や治療方法を自己判断することはできません。また、現在テストステロン製剤やホルモン薬を使用している方は、自己判断で開始・中止せず、妊娠希望があることを処方医や男性不妊を扱う泌尿器科へ伝えてください。
テストステロンは男性ホルモン(アンドロゲン)の代表的なホルモンで、主に精巣のライディッヒ細胞でつくられます。
テストステロンは、
などに関係しています。
ただし、精巣が単独でテストステロンをつくっているわけではありません。
男性の生殖機能には、脳と精巣を結ぶ「視床下部-下垂体-精巣系」が関わっています。
視床下部
↓
下垂体
↓
LH・FSH
↓
精巣
↓
テストステロン産生・精子形成
という流れです。
このうち、LHは精巣のライディッヒ細胞へ働きかけてテストステロン産生を促します。
FSHは主にセルトリ細胞へ働きかけ、テストステロンなどとともに精子形成へ関与します。
そのため、男性ホルモン低下の原因を調べる際には、テストステロンだけではなくLH・FSHを合わせて確認することがあります。
精子形成には、血液中を流れているテストステロンだけでなく、精巣内の高いテストステロン濃度が重要です。
そのため、採血で調べたテストステロン値と、精子をつくる能力が単純に比例するわけではありません。
テストステロンが低いから必ず精子が少ない、テストステロンが正常だから男性不妊ではない、とは判断できません。
男性性腺機能低下症では、精巣そのものの機能が低下していたり、視床下部・下垂体から精巣への刺激が不足していたりすることがあります。
このような病態ではテストステロン産生だけでなく精子形成も障害される場合があります。
一方、同じ「テストステロンが低い」という検査結果でも、原因によって精子形成への影響や治療方法は異なります。
男性不妊を評価するときの基本は精液検査です。
精液検査では、主に次のような項目を確認します。
テストステロンが低値でも精液中に精子が確認される男性もいます。
反対に、血中テストステロンが基準範囲であっても、乏精子症、精子無力症、無精子症などがみられる場合があります。
テストステロン低下では、性欲低下や勃起機能低下などの性症状がみられる場合があります。
性交自体が難しくなったり、排卵期に合わせた性交の回数が減ったりすれば、妊娠を目指すうえで影響する可能性があります。
ただし、EDには血管、神経、心理的要因、薬剤、生活習慣病などさまざまな原因があります。
「ED=テストステロン不足」ではありません。
男性性腺機能低下症では、性欲の低下がみられることがあります。
以前より性的関心が減った、性交や自慰の頻度が低下したなどの変化がある場合には、ホルモン状態を確認することがあります。
勃起しにくい、勃起を維持しにくい、朝立ちが減ったなどの症状がみられる場合もあります。
ただし、勃起障害は男性ホルモンだけで起こるものではありません。
糖尿病、高血圧などの生活習慣病、血管・神経の異常、精神的なストレスなども関係するため、症状だけで原因を特定することはできません。
男性ホルモンが低下した男性では、
などがみられる場合があります。
しかし、これらは睡眠不足やストレス、ほかの病気でも起こる症状です。
男性性腺機能低下症は、症状だけではなく採血でテストステロン低値を確認したうえで評価します。
テストステロン低下の原因は、大きく分けると「精巣側の問題」と「視床下部・下垂体側の問題」があります。
| 主なタイプ | 問題がある場所 | ホルモン所見の典型例 |
|---|---|---|
| 原発性性腺機能低下症 | 精巣 | テストステロン低値、LH・FSH高値 |
| 続発性・中枢性性腺機能低下症 | 視床下部・下垂体 | テストステロン低値、LH・FSH低値または不適切に正常 |
※上記は典型的なパターンであり、検査値だけで病態を確定するものではありません。
精巣自体の機能が低下し、十分なテストステロンや精子をつくりにくくなっている状態を原発性性腺機能低下症といいます。
原因としては、
などがあります。
精巣から十分なテストステロンが出ないため、脳から精巣を刺激するLH・FSHが高くなることがあります。
視床下部や下垂体からLH・FSHが十分に分泌されず、精巣が適切に刺激されない状態を低ゴナドトロピン性性腺機能低下症などと呼びます。
この場合、テストステロンだけではなく精子形成も低下し、乏精子症や無精子症の原因となる場合があります。
原因によっては、hCGやFSHなどを使用して精巣を刺激することで精子形成を促せる場合があります。
プロラクチンというホルモンが過剰になると、視床下部・下垂体からの性腺刺激ホルモン分泌が抑制され、テストステロン低下につながる場合があります。
性欲低下があり、テストステロンとLHが低い場合などには、必要に応じてプロラクチンを確認します。
プロラクチン高値の原因には、薬剤や下垂体の病気などがあるため、原因に応じた評価が必要です。
肥満、2型糖尿病、メタボリックシンドロームなどの併存疾患は、機能的なテストステロン低下と関連することがあります。
特に肥満では、視床下部-下垂体-精巣系の働きへ影響することがあります。
ただし、「肥満=男性不妊」「痩せれば必ず精子が増える」という意味ではありません。
テストステロンは年齢とともに変化します。
一方、成人男性でみられるテストステロン低下には、加齢だけでなく肥満や慢性疾患などが関係していることもあります。
「年齢のせいだから仕方がない」と自己判断せず、症状がある場合にはほかの原因を含めて評価します。
一部の薬剤は、視床下部・下垂体・精巣の働きやテストステロン産生へ影響する場合があります。
不妊検査を受ける際には、
について医師へ伝えましょう。
処方薬については自己判断で中止しないでください。
一見矛盾するように感じるかもしれませんが、外部からテストステロンやアナボリック・アンドロゲニックステロイドを使用すると、精子形成が低下する場合があります。
外からテストステロンを投与
↓
血中テストステロンが上昇
↓
脳が「男性ホルモンが十分ある」と判断
↓
LH・FSHの分泌が低下
↓
精巣への刺激が低下
↓
精巣内テストステロンが低下
↓
精子形成が抑制
抑制の程度によっては、精液中の精子数が大きく減少したり、精子を確認できない状態になる場合もあります。
男性不妊の基本的な検査は精液検査です。
AUA/ASRMの男性不妊ガイドラインでも、男性側の初期評価として生殖歴の確認と1回以上の精液検査を行うことが推奨されています。
ホルモン検査だけを行って、「男性不妊ではない」と判断するものではありません。
精液検査で精子濃度や運動率などに異常がある場合には、必要に応じて男性不妊を扱う泌尿器科で原因を調べます。
特に、
には、テストステロンやFSHなどのホルモン検査を行うことがあります。
テストステロンは採血で測定します。
テストステロンには日内変動があり、朝に高くなる傾向があります。
EAUの男性性腺機能低下症ガイドラインでは、一般男性では総テストステロンを午前7~10時の空腹時に測定することを推奨しています。
夜勤など生活リズムが異なる場合には、睡眠との関係も踏まえて医師が検査条件を判断します。
テストステロン値は採血条件や体調などによって変化する場合があります。
EAUやEndocrine Societyでは、症状がありテストステロン低値が確認された場合でも、別の日の朝に再測定して低値を確認することを推奨しています。
健康診断などで一度テストステロンが低かったという結果だけで、性腺機能低下症や男性不妊と自己判断しないことが大切です。
「テストステロンはいくつ以下なら低いの?」と気になる方もいるでしょう。
しかし、テストステロン値には測定方法や診療目的による違いがあり、一つの数値をすべての男性に適用することはできません。
例えば、AUA/ASRMの男性不妊ガイドラインでは、男性不妊評価で総テストステロンが300ng/dL未満の場合にLHを含めた追加評価を行う考え方が示されています。
一方、EAUでは成人男性の遅発性性腺機能低下症(LOH)について、総テストステロン12nmol/L(約3.5ng/mL)を診断上の目安の一つとしています。
これらは対象・目的が異なる基準であり、単純に比較するものではありません。
「○ng/dLを下回ったら不妊」という基準はありません。
男性不妊は精液所見を中心に評価し、低テストステロンがある場合にはLH・FSHや症状などを組み合わせて原因を調べます。
男性性腺機能低下症については、
を組み合わせて評価します。
検査値だけを見てホルモン治療の必要性を判断するものではありません。
低テストステロンが確認された場合には、LH・FSHを調べることで、精巣側に問題があるのか、視床下部・下垂体側に問題があるのかを考える材料になります。
| テストステロン | LH・FSH | 主に考える状態 |
|---|---|---|
| 低い | 高い | 精巣側の機能低下を考える |
| 低い | 低い/不適切に正常 | 視床下部・下垂体側の機能低下を考える |
| 正常範囲の場合もある | FSH高値など | 精子形成障害の可能性を含め評価 |
※上記は典型的なパターンです。ホルモン値だけで病態を診断するものではありません。
LHは精巣のライディッヒ細胞を刺激し、テストステロンをつくらせるホルモンです。
テストステロンが低いにもかかわらずLHが十分に上昇していない場合には、視床下部・下垂体側の異常などを考えます。
FSHはセルトリ細胞を介して精子形成へ関係します。
精巣内で精子をつくる機能が大きく障害されると、FSHが高値になる場合があります。
無精子症では、精液量、精巣の大きさ、FSHなどを組み合わせて、精子をつくる機能が低下している非閉塞性無精子症なのか、通り道がふさがっている閉塞性無精子症なのかを考えます。
テストステロンが低く、LHが低い・低正常で、性欲低下などがある場合には、プロラクチンを調べることがあります。
高プロラクチン血症が確認された場合には、原因となる薬剤や下垂体の病気などを含めて評価します。
テストステロンが低いという結果だけで、自然妊娠できる・できないを判断することはできません。
自然妊娠には、男性側だけでも、
などが関係します。
さらに、女性側の年齢、排卵、卵管、子宮などの状態も妊娠の可能性へ影響します。
不妊は男性側だけ、女性側だけに原因があるとは限りません。
AUA/ASRMでも、不妊カップルでは男女双方を並行して評価することを推奨しています。
男性側に低テストステロンや精液所見の異常があった場合も、カップル全体の状況からタイミング法、人工授精、体外受精、顕微授精などを検討します。
男性ホルモン低下の治療は、原因と妊娠希望の有無によって異なります。
| 原因・状態 | 主な治療・対応の考え方 |
|---|---|
| 肥満・併存疾患などが関係 | 生活習慣や基礎疾患への対応を検討 |
| 薬剤が関係 | 処方医と薬剤の影響・変更可否を相談 |
| 高プロラクチン血症 | 原因を調べ、原因に応じた治療を行う |
| 低ゴナドトロピン性性腺機能低下症 | hCG・FSHなどで精子形成を促す治療を検討 |
| 原発性精巣機能障害 | 精液所見等に応じてART・精子採取などを検討 |
| 妊娠希望+低テストステロン | 妊孕性を保つ治療方法を専門医と検討 |
肥満などが関連する機能性性腺機能低下症では、体重管理、運動、基礎疾患への対応などによってホルモン状態が改善する場合があります。
ただし、
「体重を減らせば精子が増える」
「運動すれば不妊が治る」
と断定することはできません。
生活習慣の改善は健康全体にとって重要ですが、精液検査で異常がある場合には並行して男性不妊の原因を調べましょう。
肥満、糖尿病、メタボリックシンドロームなどがある場合には、テストステロン低下だけでなく全身の健康状態も含めて診療を受けることが大切です。
視床下部・下垂体からの刺激が不足する低ゴナドトロピン性性腺機能低下症では、精巣自体に精子をつくる能力が残っている場合があります。
このような場合にはhCGを使用し、精巣のライディッヒ細胞を刺激して体内でのテストステロン産生を促す治療があります。
hCGによってテストステロンを確保したうえで、必要に応じてFSHなどを追加し、精子形成を促す場合があります。
EAUでは、妊娠を希望する先天性・後天性の低ゴナドトロピン性性腺機能低下症に対して、hCG・FSHなどを用いて精子形成を誘導する治療を推奨しています。
精巣自体の精子形成機能が高度に障害されている場合には、同じホルモン治療で十分な効果が得られるとは限りません。
無精子症などでは病態を確認したうえで、micro-TESEなどの精子採取術や顕微授精を検討することがあります。
AUA/ASRMでは、低テストステロンを伴う不妊男性について、状態に応じて、
などを単独または組み合わせて検討できるとしています。
これらは、外からテストステロンそのものを補うのではなく、体内での性腺刺激ホルモンやテストステロン産生へ働きかける治療です。
どの治療が適するかは、
などによって異なります。
特に原因不明の男性不妊に対するSERMなどの有効性には限界もあります。
「クロミフェンを飲めば精子が増える」「hCGなら男性ホルモンを上げられる」と自己判断で薬を使用しないでください。
男性ホルモン低下の治療として、テストステロン注射・塗布剤などの補充療法が行われることがあります。
しかし、現在または将来子どもを希望している男性では扱いが異なります。
AUA/ASRMでは、現在または将来の妊孕性を希望している男性にテストステロン単独療法を処方しないとしています。
EAUも男性不妊治療としてテストステロン療法を行わないよう推奨しています。
「男性ホルモンが少ないなら補充すれば精子も増える」と考えたくなるかもしれません。
しかし、生殖機能では逆の反応が起こる場合があります。
テストステロン製剤を使用
↓
血中テストステロンが上昇
↓
視床下部・下垂体への負のフィードバック
↓
LH・FSHが低下
↓
精巣への刺激が減少
↓
精巣内テストステロンが低下
↓
精子形成が低下
抑制が強い場合には、精液中の精子が大きく減ったり、無精子症となったりすることがあります。
体内で自然につくられるテストステロンは精子形成に重要です。
一方、外から大量のテストステロンを補充すると、精子形成に必要な脳からのLH・FSH刺激を抑えてしまう可能性があります。
この違いを理解しておくことが重要です。
すでに男性更年期などの治療としてテストステロン製剤を使用している場合には、自己判断で中止するのではなく、
「現在または今後、子どもを希望している」
ことを処方医へ伝えてください。
必要に応じて、
を確認し、精子形成がどの程度保たれているかを評価します。
外因性テストステロンによって精子形成が抑制されている場合、使用方法を変更・中止したとしても、翌月すぐに精子形成が元通りになるとは限りません。
精子形成の回復には時間がかかることがあり、回復の程度・期間には個人差があります。
男性不妊を扱う泌尿器科で精液検査などを行いながら経過を確認します。
筋肉増強などを目的として使用されるアナボリック・アンドロゲニックステロイドも、外因性の男性ホルモンとして視床下部-下垂体-精巣系を抑制する可能性があります。
その結果、LH・FSHが低下し、精子形成が大きく低下する場合があります。
男性不妊の診察では、
なども医師へ伝えましょう。
自己判断で別のホルモン薬を追加して精子形成を回復させようとしないでください。
「男性更年期と診断されたら不妊なの?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、男性性腺機能低下症と男性不妊は同じものではありません。
| 男性性腺機能低下症・LOH | 男性不妊 | |
|---|---|---|
| 主な評価 | 症状+ホルモン値 | 精液所見+原因評価 |
| 主な検査 | テストステロン、LH、FSH等 | 精液検査、必要に応じホルモン・遺伝学的検査等 |
| 必ず同時に起こる? | 男性不妊を伴わない場合もある | テストステロン低下を伴わない場合もある |
男性性腺機能低下症があり、同時に精液所見にも異常がみられる男性もいます。
この場合には、男性ホルモンの症状だけを改善するのではなく、妊孕性を保つことも考えた治療方法を選ぶ必要があります。
男性ホルモン低下が疑われる場合も、最初からホルモン治療を行うのではなく、精液所見と原因を順番に確認します。
妊娠を希望
↓
精液検査
↓
精子数・運動率などを確認
↓
乏精子症・無精子症・性欲低下・EDなど
↓
テストステロン・FSH等のホルモン検査
↓
低テストステロンを確認
↓
LH・FSH・必要に応じプロラクチン等で原因を評価
↓
原因に応じた治療
+
カップルの状況に応じた不妊治療
精子数や運動率の低下が軽度で、女性側の年齢や卵管などにも大きな問題がない場合には、タイミング法や人工授精を検討する場合があります。
精子数や運動精子数が大きく低下している場合には、体外受精・顕微授精などを検討することがあります。
どの治療が適するかは、男性側だけではなく女性側の年齢や不妊期間も含めて決めます。
精液中に精子が確認できない場合には、すぐに精子採取手術を行うのではなく、閉塞性か非閉塞性か、治療可能なホルモン異常がないかなどを評価します。
低ゴナドトロピン性性腺機能低下症であれば、ホルモン治療によって射出精液中に精子が現れる可能性もあります。
精液検査で異常があった場合に、単に「精子が少ない」と説明するだけではなく、その原因を調べられる医療機関を選ぶとよいでしょう。
男性不妊を扱う泌尿器科では、精液検査に加えて、問診、診察、超音波検査、ホルモン検査などを組み合わせて評価します。
乏精子症や無精子症、性欲低下などがある場合には、ホルモン異常が関係していないか確認することがあります。
低テストステロンだけを見るのではなく、LH・FSHなどから原因を分類できることが重要です。
低テストステロンへの治療は、「男性更年期の症状改善」を目的とする場合と、「妊娠を希望している男性」の場合で選択肢が異なることがあります。
妊娠希望があることを確認したうえで、精子形成への影響を考慮して治療方法を提案してくれる医療機関へ相談しましょう。
男性不妊では、ホルモン異常だけでなく、精索静脈瘤、無精子症、遺伝学的要因などが見つかることがあります。
そのため、男性生殖医療を扱う泌尿器科へ紹介・連携できることもクリニック選びのポイントです。
A.原因によっては、男性ホルモン低下と精子形成低下が同時に起こり、不妊へ関係する場合があります。
ただし、テストステロン低値だけでは男性不妊と診断できません。
精液検査で精子数・運動率などを確認する必要があります。
A.必ずしも比例しません。
血液中のテストステロン値と精子形成能力を単純に結びつけることはできません。
低テストステロンでも精子が確認される場合があり、正常範囲でも乏精子症などがみられる場合があります。
A.あります。
男性不妊には精索静脈瘤、精巣の造精機能障害、精路通過障害、遺伝学的要因などさまざまな原因があります。
テストステロンだけで男性不妊を除外することはできません。
A.EAUでは一般男性の総テストステロン測定について、午前7~10時の空腹時採血を推奨しています。
低値だった場合には、別の日に再測定して確認します。
A.妊娠を希望する男性では、反対に精子形成を抑えてしまう可能性があります。
外からテストステロンを補うとLH・FSHが抑制され、精巣内の精子形成に必要なホルモン環境が低下することがあります。
男性不妊治療としてテストステロン注射を自己判断で受けないでください。
A.テストステロン製剤によって精子形成が抑制される場合があります。
すでに治療中の方は自己判断で中止せず、現在または今後妊娠を希望していることを処方医・男性不妊専門医へ伝えてください。
A.低ゴナドトロピン性性腺機能低下症など、原因によってはhCGを用いて精巣内のテストステロン産生を促し、精子形成を誘導することがあります。
すべての低テストステロン男性に有効な治療ではありません。
A.低テストステロンを伴う男性不妊で、SERMの一つとしてクロミフェンなどが検討される場合があります。
ただし、適応はホルモン状態や原因によって異なり、男性不妊への使用についてエビデンスに限界がある領域もあります。
個人輸入などで自己使用しないでください。
A.肥満に関連する機能性性腺機能低下症では、減量などによってテストステロンが改善する場合があります。
ただし、精液所見や妊娠率まで必ず改善するとは限りません。
A.男性更年期・性腺機能低下症と男性不妊は同じではありません。
男性性腺機能低下症は症状とホルモン値を中心に評価し、男性不妊は精液検査を中心に評価します。
両方が同時に存在する場合もあります。
A.アナボリック・アンドロゲニックステロイドは、脳からのLH・FSH分泌を抑制し、精子形成を低下させる可能性があります。
使用歴がある場合には、商品名・成分・使用期間を男性不妊を扱う医師へ伝えましょう。
A.妊娠希望がある場合には、男性不妊・男性生殖医療を扱う泌尿器科へ相談するのが選択肢です。
女性側の治療も必要な場合には、不妊治療クリニックと男性不妊専門の泌尿器科が連携しているとカップル双方の治療方針を考えやすくなります。
男性ホルモンの代表であるテストステロンは、男性の性機能だけでなく、精巣内で精子をつくるためにも重要なホルモンです。
視床下部・下垂体・精巣は、LH・FSH・テストステロンなどを介して連携し、精子形成を調節しています。
そのため、精巣自体の機能低下や視床下部・下垂体からの刺激不足などによって、テストステロン低下と精子形成障害が同時に起こる場合があります。
一方、血液中のテストステロンが低いという結果だけで、男性不妊とは診断できません。
男性不妊を調べる基本は精液検査です。
精子数・運動率などを確認したうえで、乏精子症、無精子症、性欲低下、EDなどがある場合には、テストステロン、FSH、LH、必要に応じてプロラクチンなどを調べます。
テストステロンが低い場合も、精巣自体に問題があるのか、視床下部・下垂体からの刺激が不足しているのかによって治療は異なります。
特に低ゴナドトロピン性性腺機能低下症では、hCGやFSHなどを用いて精子形成を促せる場合があります。
そして、妊娠を希望している男性が特に注意したいのが外因性テストステロンです。
テストステロン製剤を使用すると血中テストステロンは上昇しますが、その反作用によってLH・FSHが抑制され、精巣内の精子形成が低下することがあります。
「男性ホルモンが低いからテストステロンを補えば精子も増える」という考え方は、不妊治療では当てはまりません。
現在テストステロン治療を受けている場合や、アナボリックステロイドなどの使用歴がある場合には、自己判断で中止・追加治療をせず、妊娠希望があることを医師へ伝えましょう。
男性ホルモンの低下と精液所見の異常が疑われる場合には、精液検査、ホルモン検査、診察などから原因を確認し、妊孕性を踏まえた治療を選ぶことが大切です。
京都で不妊治療を検討している方は、女性側だけでなく男性側の検査にも対応し、必要に応じて男性不妊を扱う泌尿器科と連携できる医療機関へ相談しましょう。
主な参考情報
不妊治療や生殖補助医療に関する高度な専門知識と技術を持つ「日本生殖医学会認定生殖医療専門医」が常勤で在籍しているクリニック・病院の中から、治療の目的別に優れた病院・クリニック3院をご紹介します(2025年3月調査時点)。
体外受精を含め、専門医の体制や具体的な治療実績を確認しながら、本格的に不妊治療を進めたい方に向いています。
不妊治療だけでなく、体調や生活習慣、漢方なども含めて妊娠に向けた身体づくりを相談したい方に向いています。
男性側の不妊原因を詳しく調べたい方や、検査だけでなく手術を含めた男性不妊治療まで相談したい方に向いています。
※1参照元:足立病院「数字でわかる足立病院」https://www.adachi-hospital.com/numbers/
※2参照元:足立病院「体外受精(凍結融解胚移植)による35歳未満の妊娠率(2024年度実績)」https://www.adachi-hospital.com/infertility/achievements/
※3参照元:日本産婦人科学会「ART臨床実施成績データ2022(PDF)」https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf