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「AMHが低いですね」と言われて、頭が真っ白になってしまった。そのような経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
卵巣機能低下(卵巣予備能の低下)とは、卵巣に残っている卵子の「数(量)」が少なくなっている状態を指します。ただし、これは妊娠の可能性がゼロという意味ではありません。
大切なのは、現在の状態を正しく知り、年齢やご希望に合わせて早めに次の一手を考えることです。
この記事では、卵巣機能低下の意味、不妊との関係、主な原因、検査、治療の進め方、京都で相談する際のポイントまでを解説します。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療を行うものではありません。AMHの数値の見方、保険適用の範囲、費用は医療機関や制度改正によって異なる場合があります。1回の検査結果だけで妊娠の可能性を自己判断せず、年齢や治療歴も含めて医師へ相談してください。
| 確認したいこと | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 卵巣機能低下とは? | 卵巣に残っている卵子の数(卵巣予備能)が少なくなっている状態 |
| 主な原因 | 加齢、卵巣の手術歴、子宮内膜症、化学療法・放射線治療、喫煙など |
| 主な検査 | AMH検査、FSH・エストラジオール(E2)検査、胞状卵胞数(AFC) |
| 卵巣機能を回復させる治療 | 確立していない |
| 治療の考え方 | 年齢に応じて時間を意識し、体外受精を含めたステップアップを検討 |
女性の卵巣には、生まれたときから一定数の卵子のもとになる細胞(原始卵胞)が備わっており、その数は年齢とともに減少していくとされています。
卵巣機能低下は、この卵子の残り数(卵巣予備能)が、同年代の平均と比べて少なくなっている状態を指す言葉として使われます。
医療の現場では「卵巣予備能の低下」「DOR(Diminished Ovarian Reserve)」などと呼ばれることもあります。
似た言葉に「早発卵巣不全(POI)」があります。POIは、一般的に39歳以下で卵巣機能が低下し、月経が止まる、あるいは月経が不規則になるなどの症状を伴う状態を指します。
一方、卵巣機能低下は、月経が続いていても卵子の数が少なくなっている状態を含む、より広い言葉です。両者の関係や詳しい内容については、次のページで解説しています。
卵巣機能低下を理解するうえで押さえておきたいのが、「数」と「質」の違いです。
AMHは「数」の主な目安であり、「質」を直接的に示したものではありません。数が少なくても質が保たれている場合があり、反対に、数が多くても年齢によって質が低下している場合もあります。
卵巣機能低下があると、1回の治療で得られる卵子の数が少なくなりやすいとされています。体外受精では採卵数が少なくなる、あるいは卵巣刺激に反応しにくいことがあるため、治療計画を立てる際に重要な情報となります。
また、卵子の残りが少ない状態では、年齢によっては閉経の時期が早まる可能性も指摘されています。そのため、将来の妊娠を考えるうえで、時間を意識した検討が必要になる場合があります。
AMHの値は、卵子の数の目安であり、「妊娠しやすさ」そのものを指す数値ではありません。AMHが低い方でも、排卵があり、卵子の質が保たれていれば、自然に妊娠される方もいらっしゃいます。
ただし、AMHが低いと、妊娠できる期間が短くなる可能性はあるのです。「今は大丈夫」と先延ばしにするより、現状を把握したうえで計画を立てることが大切です。
妊娠のしやすさには、AMHよりも年齢の影響が大きいとされています。特に35歳前後から卵子の質の低下が進みやすく、妊娠率が下がり傾向があると言われています。同じAMHの値でも、30歳と40歳では治療の考え方が異なります。
卵巣機能低下の原因は一つとは限らず、複数の要因が重なることもあります。主なものは次のとおりです。
なお、原因が分からないからといって、ご自身の過ごし方を責める必要はありません。
卵巣の状態は、血液検査と超音波検査を組み合わせて総合的に確認します。
AMHは、発育途中の小さい卵胞から出されるホルモンのことで、血液検査で測定します。卵巣に残っている卵子の目安数になるとされ、月経周期の影響も受けにくいため、いつでも検査しやすいことが特徴です。
AMHの値は年齢によって目安が異なります。数値の見方については、次のページで詳しく解説しています。
FSH(卵胞刺激ホルモン)は、卵胞を育てるために脳から分泌されるホルモンです。卵巣の反応が低下していると、より多くのFSHが分泌される傾向があり、FSHの値が高い場合は、卵巣機能が低下している可能性が考えられます。
FSHは月経周期によって変動するため、一般的に月経3日目頃に、エストラジオール(E2)と併せて測定します。
胞状卵胞数(AFC)は、経腟超音波で卵巣内にある小さな卵胞の数を数える検査です。卵巣に残る卵子の数の目安のひとつとされており、AMHと組み合わせて評価されることもあります。
結果の解釈は、必ず医師と一緒に、年齢や治療歴、ご希望を踏まえて行いましょう。
AMH検査は、不妊治療の一環として行う場合に、一定の条件のもとで保険適用になる場合があります。ただし、回数に制限があるほか、ブライダルチェックなど治療を目的としない場合は自費となることが一般的です。費用や適用条件は医療機関や制度改正により異なるため、受診前に医療機関へご確認ください。
まず知っておきたいのは、減ってしまった卵子の数を増やしたり、AMHの値を確実に上げたりする治療は、現時点で確立していないということです。だからこそ、「今ある卵子を、いかに大切に活かすか」という視点で、治療を考えていくことになります。
卵巣機能低下がある場合、人工授精やタイミング法を長い間続けるよりも、体外受精へ早めに進むほうがよいかを検討することがあります。年齢、AMHの値、ご夫婦の状況によって適した進め方は異なるため、医師と相談しながら決めていきます。
体外受精では、卵巣の反応や年齢に合わせて、次のような点を検討します。
詳しくは、次のページをご覧ください。
卵巣機能の改善を目的として、PRP(多血小板血漿)療法などの自費診療を行うクリニックもあります。ただし、こうした方法は、有効性や安全性についての評価が定まっていないものも含まれます。検討する場合は、次の点を確認しましょう。
不明な点は、納得できるまで質問することが大切です。
生活習慣を整えることで、卵巣機能が改善すると断定することはできません。それでも、体のコンディションを整えることは、治療に臨むうえで助けになります。
無理のない範囲で、できることから取り入れてみましょう。
AMHが低い場合の検討の優先度は、年齢によって変わります。以下は一般的な整理であり、実際には個々の状況に応じて異なります。
| 年齢 | 検討時のポイント |
|---|---|
| 35歳未満 | 卵子の質が保たれやすい年代です。AMHが低くても、状況によっては自然妊娠や人工授精を試みる選択肢もあります。ただし、期間を決めて検討することが大切です。 |
| 35~39歳 | 卵子の質の低下が進みやすい時期です。AMHが低い場合は、早めの体外受精への移行や、複数回の採卵を検討することがあります。 |
| 40歳以上 | 時間的な余裕が少ない時期です。早い段階で専門クリニックに相談し、治療方針や、治療を続ける目安について話し合うことが重要です。 |
次のような場合は、早めに不妊治療を行っているクリニックへ相談することをおすすめします。
「まだ早いのでは」と迷う場合も、一度相談することで、現状を知り、安心して今後を考えられることがあります。
京都市内には、不妊治療に対応しているクリニックが数多くあります。卵巣機能低下について相談する際は、次のような点を確認すると、クリニック選びの参考になります。
複数のクリニックを比較して、納得できる先生や治療方針に出会うことが大切です。
A.AMHは卵子の数の目安であり、妊娠のしやすさそのものを示すものではありません。AMHが低い場合でも、排卵があって、卵子の質が保たれているのであれば、自然に妊娠する方もいます。ただし、妊娠できる期間が短くなる可能性があるため、年齢や状況に応じて、早めの相談が望ましいとされています。
A.現時点で、AMHを確実に上げる治療法は確立していません。サプリメントや自費診療などの情報もありますが、効果の根拠が十分でないものもあります。検討する場合は、医師に相談し、費用や有効性、リスクについて説明を受けたうえで判断しましょう。
A.同じではありません。卵巣機能低下は、卵子の数が少なくなっている状態を指し、月経が続いていることもあります。更年期は、閉経の前後約10年間を指す時期のことです。ただし、卵巣機能の低下が進むと、閉経の時期が早まる場合もあります。
A.回数に決まった正解はなく、年齢、AMHの値、これまでの結果、費用面、ご夫婦のお気持ちなどによって異なります。保険適用の回数にも上限があります。続け方や区切りについては、医師と話し合いながら、納得できる形で決めていきましょう。
A.あります。20代や30代前半でも、体質や卵巣の手術歴、子宮内膜症、治療の影響などにより、AMHが低い方はいらっしゃいます。若い年代では卵子の質が保たれやすいことが多いものの、気になる場合は早めに検査を受けて、状況を確認しておくと安心です。
卵巣機能低下は、卵子の「数」が少なくなっている状態を指し、妊娠の可能性がなくなったという意味ではありません。一方で、卵子の数を増やす治療は確立しておらず、年齢とともに選択肢が限られていく面もあります。
卵巣機能低下の主な原因には、加齢、卵巣の手術歴や子宮内膜症、化学療法・放射線治療、喫煙などがあります。検査は、AMH、FSH・E2、胞状卵胞数(AFC)などを組み合わせて総合的に行います。
大切なのは、AMHの数値だけに一喜一憂せず、年齢やこれまでの経過と合わせて、専門の医師に相談することです。早めに現在の状態を知り、ご自身とパートナーにとって納得できる次の一手を考えていきましょう。
京都で不妊治療を検討している方は、検査や治療の選択肢が幅広く、転院やセカンドオピニオンも相談しやすいクリニックへ、一人で抱え込まずにまずは話を聞いてもらうところから始めてみてください。
主な参考情報
不妊治療や生殖補助医療に関する高度な専門知識と技術を持つ「日本生殖医学会認定生殖医療専門医」が常勤で在籍しているクリニック・病院の中から、治療の目的別に優れた病院・クリニック3院をご紹介します(2025年3月調査時点)。
体外受精を含め、専門医の体制や具体的な治療実績を確認しながら、本格的に不妊治療を進めたい方に向いています。
不妊治療だけでなく、体調や生活習慣、漢方なども含めて妊娠に向けた身体づくりを相談したい方に向いています。
男性側の不妊原因を詳しく調べたい方や、検査だけでなく手術を含めた男性不妊治療まで相談したい方に向いています。
※1参照元:足立病院「数字でわかる足立病院」https://www.adachi-hospital.com/numbers/
※2参照元:足立病院「体外受精(凍結融解胚移植)による35歳未満の妊娠率(2024年度実績)」https://www.adachi-hospital.com/infertility/achievements/
※3参照元:日本産婦人科学会「ART臨床実施成績データ2022(PDF)」https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf