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「一人目はすぐに妊娠できたのに、二人目はなかなかできない」「一度自然妊娠しているから、不妊症ではないと思っていた」という方もいるでしょう。
一人目を妊娠・出産できたとしても、その後も同じ条件で妊娠できるとは限りません。
第一子の妊娠から数年が経過すれば、女性・男性ともに年齢が上がります。特に女性は年齢とともに妊孕性が低下し、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気も増えることがあります。日本産科婦人科学会では、女性の妊孕性は30歳を過ぎると低下し始め、35歳以降はその低下が加速すると説明しています。
また、一人目の出産後に排卵、子宮・卵巣、卵管などの状態が変化したり、男性側の精液所見が変化したりする場合もあります。
「一人目を妊娠できた」という過去の妊娠歴ではなく、二人目を希望している現在の夫婦の状態を確認することが重要です。
この記事では、二人目不妊で考えられる原因、年齢との関係、受診の目安、検査、タイミング法・人工授精・体外受精などの治療方法について解説します。
本記事は2026年8月時点の公的機関・専門医療機関の公開情報をもとに作成しています。不妊の原因や必要な検査・治療は、年齢、妊娠・出産歴、不妊期間、月経周期、精液所見などによって異なります。個別の治療方針は医療機関へ相談してください。
一度妊娠した経験がある方でも、その後に妊娠しにくくなることがあります。
過去に妊娠歴がある方が、その後妊娠に至らない状態は「続発性不妊」と呼ばれることがあります。
日本では、妊娠を望む健康な男女が避妊をせず性交しているにもかかわらず、1年間妊娠しない場合を一般に不妊症としています。
この考え方は、過去に妊娠・出産した経験がある場合でも基本的には同じです。
一人目を自然妊娠したからといって、「二人目は不妊症にはならない」というわけではありません。
医学的な「続発性不妊」は、必ずしも第一子を出産した方だけを指すものではなく、過去に妊娠歴がある方に用いられることがあります。
この記事では、特に「第一子を妊娠・出産した後、二人目を希望しても妊娠しにくいケース」を二人目不妊として解説します。
二人目不妊では、一人目を妊娠した当時と現在で身体や生活環境が変化している可能性を考えます。
二人目不妊で特に重要なのが、第一子妊娠時からの年齢の変化です。
例えば、一人目を30歳で妊娠し、二人目を35歳で希望する場合、5年間で女性の妊孕性は変化しています。
日本産科婦人科学会では、女性は30歳を過ぎると妊娠する力が低下し始め、35歳を過ぎるとその低下が加速すると説明しています。加齢に伴って卵子の数や質が低下することに加え、子宮筋腫や子宮内膜症などが増えることも理由として挙げられています。
一人目を妊娠した時点ではなかった病気や身体の変化が、その後に生じている場合があります。
例えば、次のような状態です。
一人目の妊娠時に問題がなかったからといって、現在も同じ状態とは限りません。
不妊原因は女性側だけにあるわけではありません。
日本産科婦人科学会では、男性側では精子数や運動率などを精液検査で確認し、必要に応じて泌尿器科で原因を調べるとしています。また、男性も加齢に伴って精子の状態が変化する可能性があります。
一人目を妊娠したときに精液所見に問題がなかった場合でも、二人目を希望する時点で改めて検査することがあります。
第一子の育児、仕事、睡眠不足などによって、夫婦で性交する機会が一人目妊活時より減っている場合があります。
排卵時期と性交のタイミングが合わなければ、医学的な異常がなくても妊娠の機会は少なくなります。
ただし、「性交回数が少ないから」と自己判断し、長期間受診を先延ばしにすることは避けましょう。
排卵、卵管、精液などの基本的な検査を行っても明らかな原因が見つからない「原因不明不妊」の場合もあります。
一人目を妊娠したときの年齢や検査結果は、現在の妊孕性をそのまま表すものではありません。
第一子の妊娠から数年が経過している場合は、現在の年齢や卵巣の状態をあらためて評価する必要があります。
日本産科婦人科学会では、女性の妊孕性は35歳以降に低下が加速すると説明しています。
そのため、30代後半で二人目を希望している場合は、「一人目も自然妊娠だったからもう少し様子を見よう」と長期間待つことが必ずしも適切とは限りません。
40代でも自然妊娠する可能性はありますが、年齢とともに妊娠しやすさが低下することを考慮する必要があります。
一般的な不妊治療ではタイミング法、人工授精、体外受精・顕微授精などへ段階的に進みますが、年齢が高い場合にはステップアップのペースを早めることがあります。
二人目不妊では、「あと何年自然妊娠を待つか」ではなく、「今の年齢でどの治療を何周期行うか」を考えることが重要です。
月経周期が大きく乱れている場合や無月経の場合は、排卵が正常に起こっていない可能性があります。
排卵障害には、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、ホルモン異常など、さまざまな原因があります。
日本産科婦人科学会でも、排卵障害を女性側の代表的な不妊原因の一つとしています。
年齢とともに卵巣内に残る卵胞数は減少します。
不妊治療では、AMH(抗ミュラー管ホルモン)や胞状卵胞数(AFC)などを参考に、卵巣予備能を評価する場合があります。
ただし、AMHは卵子の質や自然妊娠できる確率そのものを示す検査ではありません。
子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮腺筋症などが妊娠へ影響する場合があります。
日本産科婦人科学会でも、子宮の異常として筋腫やポリープなどが不妊原因になり得るとしています。
ただし、筋腫などがあるだけで必ず不妊原因になるわけではありません。大きさや位置、子宮内腔への影響などを踏まえて評価します。
子宮内膜症は、卵巣や卵管周囲などに病変を生じ、不妊へ影響する場合があります。
一人目の妊娠時には診断されていなくても、その後症状が現れたり、検査で見つかったりすることがあります。
強い月経痛や性交痛などがある場合は医師へ伝えましょう。
自然妊娠では、卵管の中で卵子と精子が出会い、受精卵が子宮へ移動します。
そのため、卵管が閉塞している場合や周囲に癒着がある場合は、自然妊娠しにくくなることがあります。
一人目妊娠前の卵管検査が正常だった場合でも、現在の状態をあらためて確認する場合があります。
出産経験そのものが、必ず二人目不妊を引き起こすわけではありません。
二人目が妊娠しない場合には、年齢や現在の子宮・卵巣、卵管、男性側の状態などを総合して評価します。
診察では、一人目出産後に受けた手術、感染症、婦人科疾患などについても確認します。
二人目妊活を始めてから月経の状態が変わった場合なども医師へ伝えましょう。
帝王切開を経験したからといって、必ず二人目不妊になるわけではありません。
ただし、過去の手術歴は診療上重要な情報です。帝王切開を含め、妊娠・出産時の経過について受診時に伝えてください。
出産後、月経や排卵が再開する時期には個人差があります。
授乳中は月経が再開していない場合や、周期が安定していない場合もあります。
月経があるからといって、毎周期同じように排卵しているとは限りません。
二人目を希望しているものの月経周期が不規則な場合は、超音波検査やホルモン検査などで排卵状況を確認することがあります。
授乳中に使用できる薬や治療方法は個別に検討する必要があります。
授乳中だから妊娠できないと決めつけず、現在の授乳状況や月経周期を医師へ伝えて相談しましょう。
二人目不妊でも、女性だけではなく男性側の検査が重要です。
一人目の妊娠時から年数が経過すれば、男性側も年齢や健康状態が変化しています。
日本産科婦人科学会では、男性も年齢が上がると精子の状態が変化する可能性があると説明しています。
精液検査では、精子濃度や運動率などを確認します。
第一子妊娠前に検査を受けて正常だった場合でも、二人目を希望する時点で改めて検査することがあります。
精液検査で異常が認められた場合は、精索静脈瘤など男性不妊の原因について泌尿器科専門医による診察を受けることがあります。
第一子の育児が始まると、夫婦の生活リズムは大きく変化します。
仕事、夜泣き、睡眠不足などによって性交の回数が減ったり、排卵時期に性交できなかったりすることがあります。
性交回数が少ないことが妊娠機会を減らしている場合はありますが、それだけが原因とは限りません。
タイミングを取っていても妊娠しない場合は、医学的な原因についても確認しましょう。
超音波検査などで排卵時期を予測し、性交のタイミングを調整するタイミング法を行うことがあります。
女性側・男性側の基本的な不妊検査を行っても、明確な原因が特定できない場合があります。
これを原因不明不妊と呼びます。
「一人目を自然妊娠したから原因不明のはずがない」ということではありません。
原因が特定できない場合も、現在の年齢や不妊期間などを踏まえてタイミング法、人工授精、体外受精などを検討します。
日本産科婦人科学会では、妊娠を希望し避妊せず性交しているにもかかわらず、1年間妊娠しない場合を一般に不妊症としています。
二人目を希望する場合も、1年は受診を考える一つの目安です。
ただし、すべての方が1年間待つ必要があるわけではありません。
日本産科婦人科学会では、加齢など妊娠しにくい要因がある場合には、1年を待たず検査や治療を始めた方がよい場合があるとしています。
特に30代後半以降で二人目を希望している場合は、長期間自己流の妊活を続ける前に相談することを検討しましょう。
次のような場合には、1年を待たず受診を検討します。
| 状況 | 受診の考え方 |
|---|---|
| 年齢が比較的若く、既知の不妊原因がない | 1年間妊娠しなければ相談することが一般的な目安 |
| 年齢が高い | 1年を待たず早めの相談を検討 |
| 月経不順・無月経 | 早めに相談 |
| 子宮内膜症などの既往 | 早めに相談 |
| 第一子でも不妊治療を受けた | 過去の治療歴を持参し早めに相談を検討 |
| 男性側に不妊歴がある | 夫婦で現在の状態を再評価 |
二人目不妊だから特別な検査だけを行うのではなく、現在の夫婦の状態を基本的な不妊検査からあらためて確認します。
受診時には、第一子の妊娠・出産歴や現在の妊活状況を確認します。
超音波検査で子宮や卵巣の状態、卵胞の発育などを確認します。
子宮筋腫や卵巣嚢腫などがないかも確認します。
月経周期に応じて、排卵や卵巣機能に関係するホルモンを測定する場合があります。
症状などに応じて甲状腺機能やプロラクチンなども確認します。
AMHは、卵巣予備能を推測するために利用される指標の一つです。
ただし、AMHだけで卵子の質や自然妊娠できる可能性を判断することはできません。
子宮卵管造影検査などで、卵管が通っているか確認する場合があります。
一人目妊娠前に正常だった場合でも、必要に応じて現在の状態を再評価します。
精液検査では、現在の精子濃度、運動率などを確認します。
二人目不妊でも、女性側だけではなく男性側を同時に評価することが重要です。
二人目不妊の治療は、検査で見つかった原因、女性の年齢、不妊期間、第一子の治療歴などを踏まえて決めます。
不妊治療では一般に、タイミング法、人工授精、体外受精・顕微授精などを段階的に検討します。年齢などによってはステップアップのペースを早める場合があります。
排卵時期を予測し、妊娠しやすい時期に性交する方法です。
一人目が自然妊娠だった場合でも、排卵時期を正確に確認するためタイミング法を行うことがあります。
人工授精では、排卵時期に合わせ、処理した精子を子宮内へ注入します。
タイミング法を行っても妊娠しない場合などに検討します。
一般不妊治療を行っても妊娠しない場合や、卵管因子、男性因子、年齢などを踏まえて、体外受精や顕微授精を検討します。
国立成育医療研究センターでも、タイミング療法・人工授精などの一般不妊治療と、体外受精・顕微授精などの生殖補助医療を行っています。
一人目が自然妊娠だった場合でも、二人目で体外受精を検討することはあります。
第一子妊娠時にはなかった卵管の問題や男性側の要因などが見つかる場合があります。
過去の妊娠方法ではなく、現在の検査結果をもとに治療方法を検討します。
一人目妊娠時より年齢が上がっている場合は、タイミング法や人工授精に使う期間を短くし、早めにARTについて相談する場合があります。
「一人目は自然妊娠だったから、二人目も自然妊娠で」と希望すること自体は問題ありません。
一方で、年齢や現在の検査結果によっては、治療方法を変える方が適している場合があります。
自然妊娠を待つ期間も含めて医師と相談しましょう。
二人目不妊では、第一子の育児をしながら治療を進めることになります。
何歳まで治療するのか、人工授精や体外受精まで進むのかなどについて、夫婦で事前に話しておくとよいでしょう。
体外受精などでは、卵胞の発育状況によって通院日や採卵日が決まるため、予定が変更になる場合があります。
パートナーや家族と、通院日の送迎や第一子の預け先について相談しておきましょう。
不妊治療には、保険診療で行われるものと自由診療になるものがあります。
年齢や治療内容などによって保険適用条件が異なるため、実際に治療を開始する前に医療機関へ確認してください。
「二人目を希望している」ということだけではなく、治療に使える期間や費用、仕事・育児への影響についても夫婦で話し合いましょう。
二人目不妊でも、女性側だけでなく男性側の検査が必要です。
精液検査や男性不妊の相談を含め、夫婦の状態を確認できるか見ておきましょう。
一人目の治療歴だけでなく、現在の女性年齢や不妊期間を踏まえて、タイミング法・人工授精・ARTの治療計画を説明してもらえるか確認します。
二人目不妊では、途中で体外受精へステップアップする場合があります。
一般不妊治療だけでなくARTまで含め、今後の選択肢を相談できるか確認しましょう。
一人目の妊娠で不妊治療を受けていた場合は、当時の検査結果や治療内容も重要な情報になります。
可能であれば過去の治療資料を持参しましょう。
二人目不妊では、第一子の育児をしながら通院します。
診療時間、WEB予約、通院頻度、自己注射への対応など、治療を継続しやすい体制も確認しておきましょう。
A.あります。
第一子妊娠から時間が経過すれば年齢が上がり、女性・男性双方の状態も変化する可能性があります。
A.年齢は重要な要因の一つですが、それだけが原因とは限りません。
排卵障害、子宮・卵巣の病気、卵管の異常、男性側の要因なども考えられます。
A.第一子妊娠時と現在では、年齢、排卵、子宮・卵巣、卵管、精液所見、性交頻度などが変化している可能性があります。
一人目の妊娠歴だけでは現在の妊孕性を判断できません。
A.一般的には、避妊せず性交して1年間妊娠しないことが不妊症の目安です。
ただし、年齢が高い場合や月経不順、不妊原因となり得る病気がある場合は1年を待たず相談を検討してください。
A.女性の妊孕性は年齢とともに低下し、35歳以降は低下が加速するとされています。
自己流の妊活を長期間続ける前に、不妊治療を扱う医療機関へ相談することを検討しましょう。
A.男性側の状態も第一子妊娠時から変化する可能性があるため、精液検査などを行うことがあります。
A.卵巣予備能を把握するための参考としてAMHを測定する場合があります。
ただし、AMHだけで自然妊娠できるかどうかや卵子の質を判断することはできません。
A.帝王切開を経験したという事実だけで、二人目不妊になるとはいえません。
ただし、妊娠・出産歴や手術歴は重要な診療情報なので、受診時に伝えてください。
A.授乳状況や月経・排卵の再開状況を確認しながら、必要な検査を検討します。
授乳中に妊活や不妊治療を希望していることを医師へ伝えてください。
A.自然妊娠する可能性はあります。
ただし、その可能性や自然妊娠を待てる期間は、年齢、不妊原因、不妊期間などによって異なります。
A.年齢、卵管の状態、精液所見、第一子の不妊治療歴などによっては、一般不妊治療を長く続けず、早い段階で体外受精を検討する場合があります。
一人目を自然妊娠・出産できた場合でも、二人目を希望したときに妊娠しにくくなることがあります。
第一子妊娠から時間が経過すれば女性・男性とも年齢が上がり、排卵、卵巣予備能、子宮・卵巣、卵管、精液所見などが変化している可能性があります。
特に女性の妊孕性は年齢とともに低下するため、「一人目がすぐできたから、二人目もそのうちできる」と長期間待ち続けないことが大切です。
一方、二人目不妊の原因は年齢だけではありません。女性側の病気、男性側の要因、性交機会の減少、基本検査では原因が特定できない原因不明不妊なども考えられます。
一般には1年間妊娠しないことが受診の一つの目安ですが、年齢が高い場合や月経不順、婦人科疾患などがある場合は、1年を待たず相談することも検討しましょう。
治療では、現在の状態に応じてタイミング法、人工授精、体外受精・顕微授精などを検討します。
二人目不妊では、治療内容だけでなく第一子の育児と通院を両立できるかも重要です。夫婦双方を現在の状態で評価し、年齢を踏まえた治療計画と通院方法について相談できる医療機関を選びましょう。
主な参考情報
不妊治療や生殖補助医療に関する高度な専門知識と技術を持つ「日本生殖医学会認定生殖医療専門医」が常勤で在籍しているクリニック・病院の中から、治療の目的別に優れた病院・クリニック3院をご紹介します(2025年3月調査時点)。
体外受精を含め、専門医の体制や具体的な治療実績を確認しながら、本格的に不妊治療を進めたい方に向いています。
不妊治療だけでなく、体調や生活習慣、漢方なども含めて妊娠に向けた身体づくりを相談したい方に向いています。
男性側の不妊原因を詳しく調べたい方や、検査だけでなく手術を含めた男性不妊治療まで相談したい方に向いています。
※1参照元:足立病院「数字でわかる足立病院」https://www.adachi-hospital.com/numbers/
※2参照元:足立病院「体外受精(凍結融解胚移植)による35歳未満の妊娠率(2024年度実績)」https://www.adachi-hospital.com/infertility/achievements/
※3参照元:日本産婦人科学会「ART臨床実施成績データ2022(PDF)」https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf