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「タイミング法を3回やったけれど妊娠しない」「6回までは続けた方がいい?」「35歳なので早く人工授精や体外受精へ進むべき?」と迷っている方もいるでしょう。
タイミング法は、排卵日を予測し、妊娠しやすい時期に性交することで自然妊娠を目指す方法です。不妊治療の中では比較的身体的・経済的な負担が小さく、原因不明不妊などでは最初に行われることがあります。
ただし、タイミング法には、すべての方に共通する「○回まで」という絶対的な上限があるわけではありません。
日本産婦人科医会では、一般的な治療の進め方として、タイミング療法を6回程度繰り返しても妊娠しない場合に次の治療を検討し、35歳以上では3回程度でのステップアップ、40歳以上ではより早期のステップアップを考慮するとしています。
一方、日本産科婦人科学会の「産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023」では、原因不明不妊について、女性年齢・不妊期間などを考慮したうえで、タイミング指導を含む6~12周期程度の待機療法、排卵誘発・人工授精、早期の生殖補助医療(ART)から選択するとしています。
つまり、「6回で必ずタイミング法を終了する」のではなく、6周期程度を一つの見直し時期として、年齢や不妊原因、不妊期間を踏まえて続けるかステップアップするか判断することが大切です。
この記事では、タイミング法を何回まで続けるかについて、年齢別の目安と、人工授精・体外受精へ進むタイミングを解説します。
本記事は2026年10月時点で確認できる日本産婦人科医会・日本産科婦人科学会等の公開情報をもとに作成しています。タイミング法を行う回数やステップアップの時期は、年齢、不妊期間、卵管・排卵・男性因子、これまでの妊娠歴などによって異なります。個別の治療方針については主治医へご相談ください。
日本産婦人科医会では、原因不明不妊などの一般的な治療の進め方として、タイミング療法から開始し、妊娠しない場合には人工授精へステップアップする流れを示しています。
また、生殖補助医療施設への紹介を考慮する目安の一つとして、タイミング療法・人工授精をそれぞれ6回程度行っても妊娠しない場合を挙げています。
そのため、タイミング法を始めた方にとっては、6周期程度が「このままタイミング法を続けるか、次の治療へ進むか」を考える一つのタイミングになります。
6回は、すべての方に共通する治療終了ラインではありません。
日本産科婦人科学会のガイドラインでは、原因不明不妊について、女性年齢と不妊期間を考慮し、タイミング指導を含む6~12周期程度の待機療法も選択肢としています。
つまり、年齢が若く、不妊期間が比較的短く、卵管や精液所見などにも大きな問題がなければ、6周期を超えて自然妊娠を目指すことが選択肢になる場合もあります。
一方、年齢が高い場合や妊娠しにくい原因が見つかっている場合には、6回を待たずにステップアップを考えます。
タイミング法の「6回」は上限ではなく、治療方針を見直す一つの区切りと考えましょう。
| 女性年齢 | タイミング法の考え方 | 次に検討すること |
|---|---|---|
| 35歳未満 | 6周期程度を一つの見直し時期にする | 状況に応じて人工授精など |
| 35~39歳 | 3周期程度でも早めに見直す | 人工授精・ARTを早めに検討 |
| 40歳以上 | 固定回数にこだわらず早期に見直す | ARTを含めた治療方針を早めに相談 |
上記はあくまで一般的な目安です。
同じ35歳でも、妊活を始めたばかりの方と、すでに2年以上妊娠を希望している方では治療の進め方が異なる場合があります。
また、卵管閉塞や重度の男性因子などがあれば、年齢に関係なくタイミング法を何周期も繰り返さず、別の治療を検討します。
35歳未満で、
などの場合には、タイミング法から治療を始めることがあります。
日本産婦人科医会も、35歳未満では受診までの不妊期間などによりますが、35歳以上と比較するとタイミング法を行いやすい傾向があるとしています。
最初の数周期では、単に妊娠したかどうかだけでなく、
を確認しましょう。
「タイミング法を3回した」という場合でも、実際には排卵後に性交していた周期が多ければ、適切なタイミングを取れた回数は少ない可能性があります。
適切なタイミングを複数周期取っているにもかかわらず妊娠しない場合には、6周期程度を一つの区切りとして、
を主治医と相談しましょう。
例えば、病院ではタイミング法1回目でも、すでに1年以上にわたり排卵時期を意識して妊活していた場合には、その期間も治療方針を考える材料になります。
「病院で何回タイミング法をしたか」だけでなく、「妊娠を希望してからどのくらいの期間が経過しているか」も重要です。
女性の妊孕性は年齢とともに変化します。
日本産婦人科医会では、35歳以上では妊娠成績が低下することから、タイミング法に固執せず、人工授精やARTへの早めのステップアップを検討するとしています。
また、一般的な治療アルゴリズムでは、35歳以上ではタイミング療法・人工授精を3回程度でステップアップすることを考慮するとしています。
3回は保険制度上の上限や、医学的にそれ以上行ってはいけない回数ではありません。
実際の判断では、
などを確認します。
35歳以上では、
「まず3回タイミング法をやりましょう」
だけで終わらず、
タイミング法を何周期
↓
人工授精を何周期
↓
どの時点で体外受精を検討するか
まで確認しておくと、治療期間を見通しやすくなります。
日本産婦人科医会では、40歳以上の女性について、35歳以上の場合よりさらに早い段階でARTへのステップアップを検討する必要があるとしています。
そのため、
「まずタイミング法を6回、その後人工授精を6回、それから体外受精」
という順番をすべての方がたどるわけではありません。
40歳以上でも、検査結果や本人の希望などによってタイミング法を行う場合があります。
ただし、その場合は漫然と続けるのではなく、
「私の場合はタイミング法を何周期試し、妊娠しなければ次に何へ進みますか?」
と治療開始時に確認するとよいでしょう。
年齢や不妊原因などによっては、タイミング法から人工授精を経ずにARTを検討する場合もあります。
ステップアップとは、タイミング法・人工授精・体外受精を必ずすべて順番通り行うという意味ではありません。
タイミング法を何回行うかを考える際には、年齢だけでなく不妊原因を確認することが重要です。
自然妊娠では、排卵した卵子を卵管が取り込み、卵管内で精子と出会います。
両側の卵管が閉塞している場合には、性交のタイミングを合わせるだけでは妊娠に必要な受精の過程を成立させることが難しいため、タイミング法を繰り返すのではなくARTなどを検討します。
日本産婦人科医会も、両側卵管閉塞をART施設への紹介を考慮するケースとしています。
精液検査で重度の男性因子が確認されている場合には、性交時期を調整しても妊娠につながりにくいことがあります。
日本産婦人科医会では、精子濃度100万/mL以下などの重度男性不妊症例について、ART施設への紹介を考慮するとしています。
実際の治療方法は、精子濃度だけでなく運動率なども含め、男性不妊を専門とする医師・生殖医療担当医へ相談しましょう。
タイミング法では、妊娠しやすい時期に性交する必要があります。
しかし、性交障害や射精障害がある場合には、排卵日に合わせて性交すること自体が大きな負担になることがあります。
日本産婦人科医会も、性交障害・射精障害がある夫婦へタイミング法を無理に続けるのではなく、人工授精などを検討する考え方を示しています。
年齢が若くても、すでに長期間妊娠を希望している場合には、タイミング法を長く続けず次の治療へ進むことがあります。
特に、排卵時期に性交できている状態が続いているにもかかわらず妊娠しない場合には、改めて検査結果と治療方針を確認しましょう。
子宮内膜症などの婦人科疾患がある場合には、病変の状態、卵巣予備能、年齢などによって治療方針が異なります。
単純に「まずタイミング法を6回」とするのではなく、疾患の状態を含めて治療順序を相談しましょう。
原因不明不妊では、身体的な負担の少ない治療から段階的に、
タイミング法
↓
人工授精(AIH)
↓
体外受精・顕微授精などのART
とステップアップすることがあります。
タイミング法を適切に複数周期行っても妊娠しない場合には、人工授精が次の選択肢になります。
日本産婦人科医会では、人工授精が検討されるケースとして、
などを挙げています。
一方、
などの場合には、人工授精を何回も行わずARTへ進むことがあります。
あります。
「ステップアップ法」という言葉から、必ず、
タイミング法
→人工授精
→体外受精
を順番にすべて行わなければならないと思う方もいるかもしれません。
しかし、治療方法は年齢や不妊原因によって選択します。
特に40歳以上など、妊娠までの時間を重視する必要がある場合には、一般不妊治療を長期間続けずARTを早く検討することがあります。
両側卵管閉塞など、卵管内で精子と卵子が出会うことが難しい場合には、タイミング法や人工授精での改善が期待しにくく、ARTを検討します。
精子数・運動率などの状態によっては、タイミング法・人工授精よりも体外受精や顕微授精を検討する場合があります。
原因不明不妊であっても、年齢と不妊期間を踏まえ、早期にARTを提案することは日本産科婦人科学会のガイドラインでも選択肢とされています。
タイミング法を3周期行って妊娠しなかったからといって、その後自然妊娠する可能性がなくなったという意味ではありません。
特に35歳未満で、不妊期間が短く、検査で大きな問題がない場合には、3周期を超えてタイミング法を続ける場合があります。
一方、35歳以上では、妊娠しないまま一般不妊治療を長期間続けることによる時間的な影響も考える必要があります。
そのため、日本産婦人科医会では3回程度でのステップアップを考慮しています。
「3回失敗したか」ではなく、「3周期という時間を使った後、次の3カ月をどの治療に使うか」と考えることがポイントです。
日本産科婦人科学会の「産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023」では、原因不明不妊に対し、女性年齢・不妊期間を考慮して、
から選択するとしています。
したがって、6周期を超えてタイミング法を行うこと自体が不適切というわけではありません。
ただし、6周期以上妊娠していないにもかかわらず、特に理由なく同じ治療を続けるのではなく、
を確認しましょう。
主治医へ、
「6周期行って妊娠していませんが、次もタイミング法を続ける理由は何ですか?」
と聞いてみるのも一つの方法です。
治療方針を考える際は、病院でタイミング指導を受けた回数だけでなく、妊娠を希望して性交してきた期間も重要です。
例えば、
自己流で1年間妊活
↓
クリニック受診
↓
病院でタイミング法1周期目
という方と、妊活を開始した直後に受診した方では状況が異なります。
一方、自己流の妊活期間が長くても、排卵時期を大きく外していた可能性もあります。
そのため、
などを確認し、どの程度妊娠しやすい時期に性交できていたかも医師へ伝えましょう。
日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会とも、治療方針を決めるうえで女性年齢と不妊期間を重要な要素として挙げています。
そのため、「病院ではまだ1回目だから」と回数だけで治療を考える必要はありません。
タイミング法では、月経周期や排卵状況によって排卵誘発剤を使用することがあります。
しかし、排卵誘発剤を使用した周期だから「○回まで」という別の共通ルールがあるわけではありません。
PCOSなどの排卵障害がある方では、単に妊娠率を高めるためではなく、まず排卵を起こすこと自体が治療目的になる場合があります。
そのため、排卵がある原因不明不妊の方が行うタイミング法と同じように回数だけでは判断できません。
排卵誘発剤を使用すると、複数の卵胞が発育する場合があります。
治療時には卵胞数などを確認し、多胎妊娠のリスクも踏まえてタイミングを取るかどうか判断します。
| 確認項目 | 確認すること |
|---|---|
| ①女性年齢 | 35歳未満・35~39歳・40歳以上で時間の考え方が異なる |
| ②不妊期間 | 妊娠を希望してからどのくらい経過しているか |
| ③卵管 | 卵管疎通性に問題がないか |
| ④精液所見 | 男性因子がないか |
| ⑤排卵 | 定期的な排卵があるか |
| ⑥タイミング実施 | 実際に妊娠しやすい時期に性交できているか |
| ⑦今後の計画 | 何周期でAIH・ARTへ進む予定か |
「タイミング法を何回したか」だけではなく、この7項目を合わせて次の治療を判断しましょう。
年齢が比較的若く、不妊期間も短い場合には、数周期で妊娠しなかったからといってすぐARTへ進む必要があるとは限りません。
タイミング法による自然妊娠を期待できる条件がそろっている場合には、一定期間治療を継続する選択肢があります。
排卵日を確認しながら、妊娠しやすい時期に実際に性交できていることも重要です。
例えば、
「あと2周期タイミング法を行い、妊娠しなければ人工授精を相談する」
というように区切りが決まっていれば、タイミング法を続けることにも明確な目的があります。
「タイミング法を続けること」と「何となく同じ治療を続けること」は違います。
特に35歳以上では、一般不妊治療を長期間続けることによる時間の影響も考える必要があります。
年齢が若い場合でも、適切なタイミング法を複数周期行って妊娠していない場合には、一度治療方針を見直します。
病院でのタイミング法は少数回でも、その前から長期間妊活している場合には早めのステップアップを検討することがあります。
卵管閉塞や重度男性不妊などでは、回数を増やすより原因に合わせた治療を選択します。
排卵日に合わせることによって性交が義務のようになり、心理的・身体的な負担が大きくなる場合もあります。
日本産婦人科医会も、性交障害がある夫婦にタイミング法を無理に強いるべきではないとしています。
人工授精など別の方法を相談しましょう。
タイミング法を6周期程度
↓
必要に応じて人工授精
↓
結果が出なければARTを検討
という流れが一つの目安です。
ただし、原因不明不妊では年齢・不妊期間などを考慮して、6~12周期程度の待機療法を選択する場合もあります。
タイミング法を3周期程度で一度見直す
↓
人工授精またはARTを早めに検討
という考え方があります。
特に38~39歳などでは、その後の人工授精に何周期かけるかも含めて先の計画を相談しましょう。
タイミング法の固定回数にこだわらない
↓
検査結果を踏まえ、早い段階でARTを含めた治療方針を相談
することが重要です。
いずれも一律のルールではありません。年齢だけでなく、不妊期間・原因・本人たちの希望を踏まえて決めます。
A.6周期程度が、一度治療方針を見直す目安の一つです。
ただし、6回が絶対的な上限ではありません。年齢、不妊期間、不妊原因によっては早くステップアップしたり、反対に6周期を超えて自然妊娠を目指したりする場合があります。
A.35歳未満で、不妊期間が短く、検査にも大きな問題がなければ、3回だけで必ず人工授精へ進むとは限りません。
一方、35歳以上では3周期程度でも治療方針を見直し、人工授精やARTを早めに検討する考え方があります。
A.6回妊娠しなかったからといって、その後自然妊娠できないという意味ではありません。
原因不明不妊では、日本産科婦人科学会のガイドラインで6~12周期程度の待機療法も選択肢とされています。
ただし、6周期程度行った時点で、同じ治療を続ける理由と次の選択肢を主治医へ確認しましょう。
A.日本産婦人科医会では、35歳以上では3回程度でのステップアップを考慮しています。
ただし、35歳と39歳では治療に使える時間の考え方も異なります。不妊期間や検査結果も合わせて判断します。
A.本人の希望や検査結果によってタイミング法を行う場合もあります。
ただし、40歳以上では固定された回数にこだわらず、より早い段階でARTを含めた治療方針を相談することが大切です。
A.年齢や不妊原因によっては、人工授精を長期間行わず、ARTを早期に検討することがあります。
両側卵管閉塞や重度男性因子など、タイミング法・人工授精では妊娠につながりにくい原因がある場合もあります。
A.必ずしも病院で新たに6周期すべて行う必要があるとは限りません。
これまでの不妊期間、どの程度適切な時期に性交できていたか、年齢・検査結果などを含めて治療方針を考えます。
A.二人目不妊でも、現在の女性年齢、不妊期間、排卵・卵管・精液所見などから治療方針を考えます。
一人目を自然妊娠していたとしても、その後の年齢や身体状況が変化しているため、以前と同じ期間タイミング法を続けるとは限りません。
タイミング法は、「何回失敗したら終了」という固定された治療ではありません。
一般的には、6周期程度が一度治療方針を見直す目安になります。
一方、年齢によって治療に使う時間の考え方は異なり、
という考え方があります。
ただし、これらはすべての方に共通する治療回数の上限ではありません。
原因不明不妊では、年齢・不妊期間によって6~12周期程度の待機療法を選択することもあります。
反対に、
場合には、6回を待たずに人工授精やARTなどへ進むことがあります。
また、自己流で妊活していた期間も含めて考えることが重要です。
病院でタイミング法を1回しか受けていなくても、それ以前に1年以上妊娠を希望して適切な時期に性交していたのであれば、「まだ1回目」とだけ考える必要はありません。
タイミング法を続けるか迷ったときに重要なのは、「あと何回やるか」だけでなく、「自分の年齢・不妊期間・検査結果の場合、何周期までタイミング法を行い、どの時点で次の治療へ進むのか」を主治医と共有することです。
次の治療へ進む場合には、人工授精を行うのか、年齢・原因によっては体外受精を早めに検討するのかまで確認しておくと、漫然と同じ治療を繰り返すことを避けやすくなります。
不妊治療や生殖補助医療に関する高度な専門知識と技術を持つ「日本生殖医学会認定生殖医療専門医」が常勤で在籍しているクリニック・病院の中から、治療の目的別に優れた病院・クリニック3院をご紹介します(2025年3月調査時点)。
体外受精を含め、専門医の体制や具体的な治療実績を確認しながら、本格的に不妊治療を進めたい方に向いています。
不妊治療だけでなく、体調や生活習慣、漢方なども含めて妊娠に向けた身体づくりを相談したい方に向いています。
男性側の不妊原因を詳しく調べたい方や、検査だけでなく手術を含めた男性不妊治療まで相談したい方に向いています。
※1参照元:足立病院「数字でわかる足立病院」https://www.adachi-hospital.com/numbers/
※2参照元:足立病院「体外受精(凍結融解胚移植)による35歳未満の妊娠率(2024年度実績)」https://www.adachi-hospital.com/infertility/achievements/
※3参照元:日本産婦人科学会「ART臨床実施成績データ2022(PDF)」https://www.jsog.or.jp/activity/art/2022_JSOG-ART.pdf